有給休暇は
社員の権利ですから
適法な有給取得の申請を
会社は原則として
断ることはできません。
しかし
その時期に有給取られちゃ困る
という場合があるでしょう。
今回は
そんな場合の対処法として
会社の有給の「時季変更権」
についてお話しします。
(今日の「棒人間」 いやいや、その時期はちょっと困る??)
<毎日更新1071日目>
「有給休暇」とは
文字どおり「有給」で休むことができる
すなわち
取得しても賃金が減額されない
休暇のことです。
この「有給休暇」は
正社員だけではなく
パートやアルバイトの社員でも
一定の要件を満たしていれば
与える必要がある
という内容のブログを
昨日書きました。
この有給休暇の取得は、
社員の権利であり
社員の側からいついつ休みたいという
時季を指定して
なされることになります。
その場合
会社は原則として
社員からの有給休暇の
請求を断ることは
できません。
それどころか
会社としては
一定の社員に対して
有給休暇をとるように
指定する義務を負っています。
具体的には、会社は
有給休暇の付与日数が
10日以上である社員に対し
その有給休暇のうちの5日については
その時季を指定する義務を
負います。
要するに
社員からの有休取得の
求めがなかったとしても
有給のうちの5日間については
企業の側からその時季を
指定しなければならない
ということが
義務づけられているのです。
とはいえ
中小零細企業においては
実際問題として
社員の好きな時期に自由に有給を
とられては困る場合もありますね。
多くの社長さんから
と悲鳴が聞こえてきそうです。
法律は一応
そんな場合の抜け道も定めています。
すなわち
会社は一定の要件のもとに
社員の有給取得の請求に対して
別の日を指定する「時季変更権」
というものがあります。
これは
社員に有給休暇を認めることで
には
会社は社員の請求した時期の有給休暇を
認めないことができる
という制度です。
このように
「時季変更権」は
社員の権利である有給休暇
の請求に対して
例外的に会社が
と言えるという制度です。
具体的には
会社がこの
「時季変更権」を行使すると
社員が指定してきた時季に有給休暇を
取ることを認めず
改めて別の時季に指定をするように
求めることができます。
ただし
会社がこの「時季変更権」
を行使できるのは
あくまで会社の
「事業の正常な運営を妨げる場合」
に限られます。
ですから
単に「繁忙期で忙しいから」という
理由だけでは
この「時季変更権」を行使することは
できません。
「時季変更権」と称して
正当な理由なく年次有給休暇の取得を
認めないときは
という罰則も定められています。
それでは、
どんな場合に「時季変更権」の行使が
認められるのか?
社員の有給取得によって、
「事業の正常な運営を妨げる場合」
の具体的な場面は、
次のような場合です。
などなど。
このような場合は
会社は「時季変更権」を行使して
社員が指定してきた時季の有給休暇を認めず
改めて別の時季に指定をするように
求めることができるわけです。
ただし
有給休暇の取得は
あくまで社員の権利であることを考えると
やむなく会社が「時季変更権」を
行使する場合も
一定の配慮が必要でしょう。
すなわち
会社が「時季変更権」を行使する際には
きちんとその理由を明示すべきです。
その上で
社員の心情やモチベーションにも配慮し
なぜ変更の必要があるのか
丁寧な説明が必要でしょうね。
そして
社員の有給休暇取得にあたって
余計なトラブルを避けるためには
やはり常日頃からの社員との信頼関係の構築
という側面も重要だと思います。
それでは
また。
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中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。