「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

試用期間中の社員を、有期雇用の契約社員に変更したい場合

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試用期間中に

「この採用、失敗だった!」

と気づくケース。

 

 

正社員ではなくて

せめて有期雇用の

契約社員に変更したい。

 

 

残念ながら

そう簡単には行きません。

 

(今日の「棒人間」 チェンジレバーはそう簡単に引けない??)

 

<毎日更新1072日目>

採用後のミスマッチ人事のあるある

社員を採用した後で

 う〜ん、これはどうもミスマッチだった

ということは

よくあります。

 

 

先日

知り合いのA社長より

ご相談をいただきました。

 

実は、うちで1人新入社員を採用したのですが、どうにも困っているのです。

会話

なるほど、新入社員を採用されたのですね。それで、どうしたんですか?

その社員は、今3ヶ月の試用期間中なのですが、とにかく仕事ができない。何度教えてもミスばかり繰り返してどうにもならないのです。

会話

なるほど、それは大変ですね。

それだけではなく、協調性もないので、うちの他の社員ともうまく行かないのです。

会話

なるほど、協調性がないのですね。

おかげで、他の社員から私が、「社長、あの人なんとかして下さい!」と詰め寄られる始末ですよ。

会話

それは困りましたねぇ〜。

そこで、うちとしては、その社員に試用期間が終わったら辞めてもらおうかと思っているのですが、法的に問題はないでしょうか?

会話

う〜ん、試用期間経過後の本採用拒否ですよね。これは厳密には一種の解雇になるので、結構ハードルが高いんですよ。

え〜、そうなんですか・・・。
ただ、このまま正社員として採用するのはとても不安なので、せめて有期雇用の契約社員に変えて、しばらく様子を見たいんですが・・・。

会話

それが、有期雇用の契約社員に変えると言っても、その社員の人の同意がいる話で、会社が一方的に決められるものではないんです。

そ、そうなんですか〜。採用ってのは難しいですね〜。

 

 

 

 

 

 

試用期間経過後に「契約社員にする」はありか?

多くの会社では

新たに社員を雇う際に

 

 

いきなり「本採用」ではなく

いわゆる「試用期間」

設けることが多いですね。

 

 

この「試用期間」とは

 

たとえば3ヶ月とか6ヶ月とか

期間を決めてお試しで

採用するという制度です。

 

 

そして

その「試用期間中」に

 

 

この会社の社員として適格で

あるかどうかを判定する

ことになります。

 

 

問題は

もしこの「試用期間」を経て

どうも、この社員は、このままうちで働いてもらうのは厳しい

と判断した場合です。

 

 

このまま予定どおり

正社員として本採用するのは

いかにも不安。

 

 

そこで

有期雇用の契約社員に変えて

しばらく様子を見てみよう。

 

 

こういうことができるかどうか?

ということです。

 

 

この点

試用期間経過後に

 

 

その社員を有期雇用の契約社員に

変えるということを

法的に説明してみると

 

 

 試用期間後の本採用拒否

 新たに有期雇用の契約社員としての雇用契約の申し込み

ということになります。

 

 

そう

あくまで

 

 

この場合もいったんは

「試用期間後の本採用拒否」

という手続きを踏むことになります。

 

 

経営者の中で

ときどきある誤解として、

「試用期間」ってのは、「お試し期間」みたいなもので、その間ちょっと雇ってみて、ダメそうだったら自由に辞めてもらえると思っていました。

というものがあります。

 

 

つまり

お試しで使ってみて

 

 

ダメそうだったら

試用期間が終わって本採用を

しないという形でやめてもらう

 

 

というもの。

 

 

ところが

実はこれがそう簡単では

ないのです。

 

 

 

 

 

試用期間後の「本採用拒否」は自由にはできない

 

法律的に見ますと

「試用期間」というのは

 

 

もしこの社員が不適格だった場合に

解約できる権利がついた雇用契約

ということになります。

 

 

これは

専門的には

 

「解約権留保付き雇用契約」

と言ったりします。

 

 

すなわち

試用期間の終了時に

 

 

会社が解約権を

行使することは

 

 

法的には解雇の一種

ということになります。

 

 

つまり

本採用拒否は

解雇の一種

ということに

なるのです。

 

 

ご承知のとおり

 

 

日本の労働法では

解雇は厳しく規制

されています。

 

 

ただ

本採用拒否の場合は

 

 

通常の解雇よりは緩やかに

認められる

傾向にはあります。

 

 

具体的には

 

 

採用の決定後

試用期間中に当初会社側が知ることが

できないような事情が発覚した場合です。

 

 

この点

裁判例などで

本採用拒否が認められた事例として

 

 

次のようなものがあります。

 

・試用期間中の出勤率が90%に満たない、あるいは3回以上無断欠勤した場合

・勤務態度や接客態度が悪く、上司から注意を受けても改めようとしなかった場合

・職場の先輩社員に不適当な発言をしたケース

・協調性がなく、多数の同僚から反感を買っていたケース

・重大な経歴詐称が発覚したケース 

 

 

逆に言えば

この程度の事情がないと

 

 

なかなか本採用拒否は難しい

ということになります。

 

 

ですから、

単に「うちの会社には合わない」とか

 

 

「協調性がない」などという理由で

会社の一存で本採用拒否ができる

というわけではない

 

 

ということですね。

 

 

そんなわけで

試用期間経過後に

 

 

その社員を有期雇用の

契約社員に変える

 

 

これは会社が一方的に

できることではありません。

 

 

あくまで

その社員の個別の同意

がなければ難しい

 

 

ということになります。

 

 

試用期間はお試し期間

 

 

ダメだったらキャンセルすればいい

そんな風にはいきませんので

注意が必要です。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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最新動画 

今回は、「背中を見て育つ、は通用しない??」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は午前中は仕事で浦和の裁判所へ。ここは駅から15分くらい歩くのですが、駅に着くと土砂降り。タクシーも捕まらず、徒歩でずぶ濡れになりながら行きました。
午後は自宅に戻って仕事。
合間に息子の習い事(英会話)の送迎など。
夕食を担当したので、得意のニラもやし焼きそばを。

春休み父ちゃん弁当日記

もう新学期(2年生)が始まっていますが、昨日は入学式で午前授業で給食なし、ということで、このシーズン最後の弁当でした。約2週間の毎日弁当生活からひとまず解放です(汗)。

塩にぎり(大)2個、豚肉とピーマンの甘辛炒め、ミートボール、トマトときゅうりとハムのサラダ、タコさんウインナー、フライドポテトにデザートはキウィーフルーツ。

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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