「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

悪あがきはダメ?不動産の名義変更で強制執行妨害目的損壊等罪??

債権回収

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不動産の差し押さえを逃れる目的で

不動産の名義をこっそり

配偶者の名義に変更。

 

 

これは

「強制執行妨害目的損壊等」という

犯罪になる可能性があります。

 

 

やはり

「悪あがき」はよくありません。

 

(今日の「棒人間」 悪あがきをする人??)

 

<毎日更新1242日目>

羽賀研二さんの逮捕、司法書士も??

このままでは借金取りに土地をとられてしまう。
この土地、妻の名義に変えたいんですけど、できますか?

ときどき

こんなご質問をいただく

ことがあります。

 

 

元タレントの羽賀研二さんが

また逮捕されたとの報道がありました。

 

羽賀研二容疑者ら7人逮捕、愛知 執行逃れで虚偽登記疑い

 

 

羽賀さんは以前

未公開株の売買をめぐる民事訴訟で

 

 

約3億9000万円の支払命令を

出されていたそうです。

 

 

その後

羽賀さんは

 

 

自分が所有する沖縄県北谷町の

商業ビル2棟などの所有名義を

 

 

羽賀さんが代表取締役を務める

会社の名義に変えてしまったそうです。

 

 

これが

いわば借金逃れの名義変更であり

一種の「虚偽の登記」であるとされました。

 

 

そして

これがまさに借金の返済から逃れる

目的で自分の財産を隠匿したということで

 

 

刑法上の強制執行妨害目的損壊等罪

(刑法96条の2)などの容疑で

逮捕された、とのことです。

 

 

さらに

この「虚偽の登記」に関与したとのことで

 

 

日本司法書士会連合会副会長の

司法書士も逮捕された

とのことです。

 

 

 

 

 

強制執行妨害罪とは??

羽賀さんのように

裁判で敗訴の判決を受け

 

 

一定の金額の支払いを命じられると

勝った方の相手方

 

 

(この場合は

未公開株の売買で被害を

受けた方のようですが)が

 

 

羽賀さんの持っている

財産を差し押さえます。

 

 

そして

その財産を競売という手続きに

かけて強制的に売却し

 

 

その売却代金の中から支払いを受ける

というのが強制執行の手続きです。

 

 

裁判所の判決で勝って

強制執行ができるのは

 

 

あくまで相手方(上記の例で言う羽賀さん)

にめぼしい財産がある場合に限られます。

 

 

もし

相手に財産がなく

強制執行できないのであれば

 

 

せっくとった勝訴判決も

いわば紙切れ同然になってしまいます。

 

 

逆に

裁判で負けた方の立場に立てば

このまま行くと

 

 

自分の持っている財産

(不動産や預貯金)を差し押さえられて

とられてしまうぞ

 

 

ということが予測できます。

 

 

そんなとき

冒頭の例のように、

お、オレの持っている不動産を、妻の名義に変えてしまいたい

そんな欲望が出てきます。

 

 

この場合

「妻」というのはあくまで別人格ですから

 

 

当たり前ですが

夫の保証人にでもなっていない限り

 

 

夫に対する勝訴判決で

妻の財産にまで強制執行を

かけられるわけではありません。

 

 

ところが

こういうことが野放しで許されるとしたら

どうなるでしょうか?

 

 

およそ裁判で勝っても

相手の財産から回収する

ことができなくなる。

 

 

民事裁判制度は

まさに何の役にも立たない

制度になってしまい

 

 

司法に対する国民の信頼は

大きく傷ついてしまいます。

 

 

そこで

刑法96条の2で

 

 

いわゆる「強制執行妨害目的財産損壊等罪」

という犯罪が定められています。

 

 

すなわち

強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊

などした場合には

 3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金

という罰則が定められています。

 

 

羽賀さんが今回行った

 

 

羽賀さん個人所有の不動産の名義を

羽賀さんが経営する会社(法人)の

名義に変えるという行為も

 

 

まさにこれにあたるわけです。

 

 

法律上

個人と会社などの法人は

あくまで「別人格」ですから

 

 

個人に対する判決だけでは

法人の財産には強制執行ができません。

 

 

急いで不動産の名義を法人に変えることで

まさにこの不動産に強制執行を

かけられるのを免れようとしたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

悪あがきしないで、正当な方法で再チャレンジを!

羽賀さんのように

実際にやるかどうかは別として

 

 

冒頭のようなご質問は

時々受けることがあります。

 

 

やはり

借金を返済できないけれど

 

 

自分の自宅だけは守りたいとか

そんな心境は人情としては

理解できます。

 

 

しかし

自分の借金は踏み倒して

 

 

自分はのうのうと財産(不動産)を

持って暮らすというのは

やはり許されることではありません。

 

 

事業がうまく行かなくなり

借金が膨れ上がってしまった。

 

 

そんなときでも

日本には「破産」という

優れた制度があります。

 

 

この「破産」の手続きを行えば

一定の借金は免除され

再出発ができる可能性が広がるのです。

 

 

しかし

この「破産」の手続きを行うためには

条件があります。

 

 

それは

あくまで債権者は平等に扱うこと。

 

 

一部の債権者にだけこっそり支払って

他の債権者には泣いてもらう

ということはNGです。

 

 

そして

もう1つは

 

 

借金を免除してもらう代わりに

自分が持っている財産は

きちんと差し出すこと。

 

 

自分の持っている財産は

「破産」の手続きの中でお金に換えられ

債権者に配当する財源となります。

 

 

こうした破産の要件を守らずに

下手な「悪あがき」をしようとすると

 

 

「免責不許可」といって

せっかく破産の申し立てをしても

 

 

「免責」すなわち

借金の免除の効力が認められ

なくなってしまします。

 

 

それどころか

不動産の名義をこっそり変えたりなどすると

 

 

上記の「強制執行妨害目的財産損壊等罪」

という犯罪で

 

 

逮捕されたり

刑罰が下されるおそれもあります。

 

 

ビジネスなど経済活動をしていると

うまくいくときばかりではありません。

 

 

借金などで

どうしても苦しくなったときは

破産という制度を利用することができます。

 

 

「破産」という制度は

いわば

 

 

国が再チャレンジのチャンスを

与えてくれる制度でもあるわけです。

 

破産・倒産は「絶対に」ダメなことなのか?

 

 

ただし

その場合には

 

 

あくまで社会に一定の迷惑をかけたことを自覚し

誠実に対応することです。

 

 

「悪あがき」はやっぱりいけませんね。

 

 

それでは

また。

 

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活動ダイジェスト

昨日は、午前中は神奈川県相模原市の裁判所へ。遺産相続絡みのお仕事でした。午後は事務所に戻って仕事、顧問先のお客様との打ち合わせなどでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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