1ヶ月限定で20%値引きの
キャンペーンを行ったところ
意外に好評でよく売れました。
そこで
このキャンペーンをもう1ヶ月延長。
これは
景品表示法違反となる
リスクがあります。
(今日の「棒人間」 これって違反??)
<毎日更新1252日目>
先日
都内で小売業の会社を営む
A社長よりご相談をいただきました。
こんにちは。今日は、うちの店でやっているキャンペーンのことについてご相談したいのです。
こんにちは。キャンペーンですね。具体的にはどんなご相談でしょうか?
うちの店のある商品について、9月7日から10月6日までの1ヶ月限定で20%値引きのキャンペーンをやっていたのです。
なるほど、20%値引きのキャンペーンですね。
そうなんです。そのキャンペーンが意外に好評で、結構売れたものですから、このキャンペーンをあと1ヶ月、10月7日から11月6日まで延長したいと思っているのです。
キャンペーンの1ヶ月延長ですか。
そうなんです。1ヶ月延長しても特に法的に問題ないでしょうか?
それは、景品表示法が規制する「有利誤認表示」に当たる可能性がありますね。
景品表示法違反ですか・・・。
御社の場合、お客さんが「9月7日から10月6日までの1ヶ月限定」ということで、この期間に買わないと20%値引きの恩恵を受けられない、と考えていた可能性があります。
なるほど、確かに。
ところが、このキャンペーンがさらに1ヶ月延長されるとなると、お客さんに誤解を与えてしまう可能性があるわけです。これが、景品表示法で規制する「有利誤認表示」と評価される可能性があります。
そうなんですね。それでは、どうしたら良いでしょう?
そうですね、またキャンペーンをしたければ、例えば、一定の期間をあけてから、別のキャンペーンとして20%値引きをするという方法なら大丈夫だと考えます。
景品表示法という法律で
事業者は、「有利誤認表示」をしてはならない
と規定されています。
「有利誤認表示」とは
簡単に言えば
そんな表示を行うことを意味します。
要するに
お客さん(消費者)に
これはお得だ
有利な商品やサービスだと誤認させる
ような表示のことを言うわけです。
上記のA社長の会社の例で
「9月7日から10月6日までの1ヶ月限定」
で20%値引きのキャンペーン
ということになると
お客さん(消費者)の心理としては
この期間内に買えばお得
と思います。
逆に
この期間内に買わないと
20%値引きの恩恵を
受けられないので損だ
と思わされるわけです。
しかし
その後もこのキャンペーンが延長され
「10月7日から11月6日まで」20%値引き
となったらどうでしょう?
先の「9月7日から10月6日までの1ヶ月限定」
というのは
結果的に事実に反して
いることになるわけです。
お客さん(消費者)としては
な〜んだ、延長されるなら、9月7日から10月6日までの1ヶ月の期間内に買わなくてもよかったのに
ということになってしまうわけですね。
このような
事実に反した表示を行って
消費者にお得な商品だと
思わせることが
まさに「有利誤認表示」にあたり
禁止されているというわけです。
さて
これらの景表法の規制に違反した場合の
ペナルティーについてです。
違反事業者に対しては
再発防止等の措置命令が
出されます。
この措置命令に違反すると
に処せられます。
さらに
場合によっては
違反行為にかかる取引等の
売上金の一定割合について
課徴金を課される場合が
あります。
このように
広告宣伝の文言には
気をつけないと
景品表示法違反で
問題になるリスクがある
ということです。
もし仮に景表法違反
摘発されると
多額の課徴金を
課されるおそれがあります。
そうなると
せっかく広告宣伝が功を奏して
売上が上がったとしても
その利益を吐き出さなければ
ならなくなります。
そうならないためにも
景品表示法の規制をある程度
理解することは大切です。
具体的には、
どんな場合が景表法違反
になるのか
ある程度そのパターンを
理解しておくことです。
そして
迷ったら必ず事前に弁護士に
相談するようにした方が
安全ですね。
例えば
上記のA社長のケースでは
キャンペーンの「延長」という形ではなく
一定期間を間をあけるなどして
別のキャンペーンだと評価できる
ような形で行うべきでしょう。
商品やサービスを販売するための広告宣伝。
こうした景品表示法違反の
リスクを頭に入れた上で
効果的に行いたいものですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。