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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【公益通報者保護法】社内の不祥事を通報した社員に対する懲戒処分

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兵庫県で問題となっている

公益通報者保護法違反の疑惑の問題。

 

 

民間企業でも

社内の不祥事を内部告発した社員を

懲戒処分にするという例があります。

 

 

このような場合

会社は公益通報者保護法違反

となる場合があります。

 

(今日の「棒人間」 内部告発がバレた??)

 

<毎日更新1254日目>

パワハラなど告発文書を出した職員を懲戒処分

兵庫県の知事が

パワハラなどの告発文書をマスコミなどに

送付した職員に対して行った懲戒処分が

 

 

公益通報者保護法に違反しているのではないか

とここしばらく取り沙汰されていますね。

 

 

兵庫県の西播磨県民局長だった男性は

今年の3月に

一部の報道機関などに告発文書を送付しました。

 

 

ところが

兵庫県は

 

 

その直後から告発者の特定に動き

いわゆる「犯人探し」を始めます。

 

 

そして

この男性職員の公用パソコンから告発文書の

データが見つかったことなどから

 

 

兵庫県はこの男性を県民局長から解任し

さらに停職3ヶ月の懲戒処分としました。

 

 

当の兵庫県知事は

この対応は問題がなかったと

反論しているようですが

 

 

あちこちから批判

されていますね。

 

 

公益通報者保護の制度とは?

ここで

公益通報とは

公務員を含む労働者などが組織の不正行為を

 

 

内部の通報窓口や

権限ある行政機関や報道機関などに

通報する行為のことです。

 

 

会社などでも公益通報は

よく問題となっており

 

 

社内の不祥事を社員が

通報する場合があります。

 

 

その際

通常会社の就業規則などで

社員の懲戒処分に関する規定があり

 

 

その中に

社員に対していわゆる社内秘密の

保持を義務づける場合があります。

 

 

たとえば

顧客情報や商品開発のノウハウなど

 

 

企業秘密の漏洩を防ぐために

設けられる規定です。

 

 

さらに

個々の社員に対して秘密保持の

「誓約書」を書かせることもあります。

 

 

そこで

よくありがちなのが

 

 

社内の不祥事などを外部に漏らした社員に対して

この秘密保持の義務に違反したとして

懲戒処分にするという話です。

 

 

このようなケースで

社内の不祥事などを通報した場合に

 

 

会社がその社員に懲戒処分などの

不利益処分を課してはならないとして

 

 

通報した社員を保護することを

目的としているのが

公益通報者保護の制度なのです。

 

 

具体的には

公益通報者保護法という

法律で規定されています。

 

 

社員は通常

会社の業務をする中で

 

 

会社内の不祥事などを

把握することができる

立場にあります。

 

 

しかし

会社と社員は対等ではなく

通常会社の方が優位にあります。

 

 

そして

社員は会社から業務上の

指揮命令等の統制を受けて

 

 

会社に対する誠実義務

を負っています。

 

 

そのため

社員が会社の法令違反行為を

発見しても

 

 

それを通報することによる「公益」と

「会社の利益」は利害が

相反する関係になります。

 

 

そこで

公益通報者保護法では

 

 

社員が公益通報を行なったことを理由とする解雇や

その他の不利益取り扱いも禁止することを定め

 

 

公益通報をした社員を保護

しているのです。

 

 

ただし

この公益通報者保護法は

 

 

保護を受ける通報対象になる事実が

一定の犯罪行為等に限定

されています。

 

 

 

 

 

 

 

公益通報者保護法で禁止されること

そして

公益通報者保護法による保護を受けるためには

 

 

その公益通報が「不正の利益を得る目的

他人に損害を加える目的その他の不正の目的でない」

ことが必要です。

 

 

ですから

単に会社に復讐をしてやりたいとか

 

 

会社を困らせてやりたいといった

目的で行った場合には

 

 

公益通報者保護法による保護は

受けられないことになります。

 

 

さらに

マスコミ等への通報に関しては

 

 

社内で不祥事(犯罪行為等)が

行われた場合だけではなく

 

 

そうした事実が生じ

あるいは生じようとしていると信じるに

足りる相当の理由がある場合で

 

 

公益通報をすれば解雇等の不利益を

受けると信じるに足りる「相当の理由」

がある場合などにも

 

 

この法律による保護を

受けることができます。

 

 

そして

社員が正当な公益通報を行った場合に

会社はそれを理由として

 

 

社員に対して解雇や降格、減給、退職金の不支給

その他の不利益な取扱いをしてはならない

と定められています。

 

 

世の中では

社内の不祥事の内部告発などがあった場合に

 

 

会社側が躍起になって「犯人探し」を行い

その社員に懲戒処分を課したりする

ケースが多いわけです。

 

 

しかし

そうなると

社員が内部告発などを行うことを躊躇し

 

 

企業が不祥事を隠蔽する

ことを許してしまう

という問題があります。

 

 

そこで

公益通報者保護法によるこうした

制度が設けられているわけです。

 

 

それにしても

冒頭の兵庫県知事の側は

 

 

例のパワハラの告発文書の送付が

上記の「相当の理由」があるとは言えない

と主張しているようですね。

 

 

それゆえに

この件では公益通報者保護法による

保護は与えられないので

 

 

兵庫県が行った「犯人探し」や

懲戒処分は違法ではない

と主張しています。

 

 

一民間企業ではなく

兵庫県という行政自治体のこの見解

 

 

あまりに公益通報者保護制度の趣旨を

理解していないのでは

と感じるのは私だけでしょうか?

 

 

それでは

また。

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活動ダイジェスト

昨日は、朝から事務所へ。午前中は事務所の所内会議、午後も引き続き事務所で仕事。担当している案件の裁判所に提出する書面の作成などでした。夜はキャッシュフローコーチ仲間と上野で食事会でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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