裁判所を使った「架空請求」
最近は
実在する弁護士の名前を使って偽造した
訴状を送りつけてくるケースがあります。
「架空請求」の被害に遭わない
ためのポイントをまとめました。
(今日の「棒人間」 裁判所を使った架空請求)
<毎日更新1268日目>
大変です!裁判所から封書が!
「訴状」って書いてある。
私、訴えられたんですか?
まあまあ、少し落ち着いてください。
裁判所の名前を語った「架空請求」が
以前から問題になっていました。
本物そっくりに偽造された
訴状が自宅に届き
慌てて書かれた電話番号に
電話をかけます。
すると
電話口から
こちら裁判所。
あなたに対して、500万円を請求する裁判が起こされました。
しかし、今すぐ100万円を送金してもらえれば、相手方に話をつけて訴訟を取り下げさせます。
送金先の口座はこちら・・・。
何しろ
裁判所から連絡が来るなんて
生まれて初めてのことですから
慌てます。
わらにもすがる思いで
言われた口座に100万円を
送金してしまいました。
「やられた」と思ったときには
すでに後の祭りです。
この手の「裁判を起こした」
という架空請求。
最近
ある弁護士が
自分の名前がこの架空請求に
悪用されていると
Xに投稿して注意を
促していました。
「原告訴訟代理人 弁護士 神田知宏」名義の訴状が偽造され、訴外で利用されているようなので注意喚起。
裁判所から届いた訴状だけ信用してください。
弁護士は
日本弁護士連合会に
登録する必要があり
弁護士の名前はこの日弁連の
検索サイトで調べることができます。
実在の弁護士の名前を使って
訴状を偽造するというの
はかなり悪質ですね。
しかし
「架空請求」は
しょせん「架空請求」
こういう詐欺に騙されないように
するためのポイントがあります。
まず
この送られてきた訴状が本物かどうか
調べなければなりません。
どうやって調べるか?
それは
裁判所に連絡するのが
一番です。
実際の訴状には
必ず「事件番号」
というものが表示されます。
この「事件番号」すらない訴状は
その時点で「偽造」だとわかります。
裁判所に連絡して
この訴状に書かれた
事件番号を告げれば
実際にこうした裁判が
起こされているのか
どうかがわかります。
また
弁護士が代理人となって
裁判を起こしている場合には
訴状の中に
上記のように
「原告訴訟代理人 弁護士 誰々」
という表示があります。
そして
この弁護士の事務所の
連絡先が書かれています。
この弁護士事務所に
連絡して確認する
というのも1つの方法です。
ただし
いずれの場合も
電話で確認する場合は
訴状に記載された
電話番号にはかけてはいけない
ということです。
「架空請求」の場合によくあるのは
裁判所名や住所
弁護士事務所の住所などは
本物の記載をするものの
電話番号だけはウソの
電話番号を表示するというもの。
上記の例のように
そのウソの電話番号に電話をかけさせて
お金を振り込ませようとするものです。
そこで
電話で連絡する際には
訴状に書かれた電話番号を
信用してはなりません。
そうではなく
必ず自分で連絡先を調べて
連絡するようにしてください。
例えば
裁判所であれば
全国の裁判所のホームページがあり
連絡先の電話番号も書いてあります。
また
弁護士の事務所も
上記の日弁連の検索で調べれば
本物の事務所の連絡先もわかります。
そしてもう1つ。
この手の「架空請求」の場合
必ず「お金をここに振り込んで」
というのがセットになっています。
まあ、「架空請求」の目的はそれですから
当然と言えば当然ですね。
この手の「架空請求」の
典型的なパターンは
「権威」+「お金を払え」
で攻めてきます。
「権威」というのは
要するに一般の方がちょっと
ビビってしまうような
「裁判所」とか「警察」とか
「税務署」「弁護士」という
キーワードを使用します。
しかし
まず「裁判所」や「警察」の場合
直接お金をここに振り込んで
などと要求してくることは
通常あり得ません。
この時点で「架空請求」を
疑うべきでしょう。
「税務署」や「弁護士」の場合は
確かにお金を請求される
こともあります。
ただ
この場合も
焦って振り込まないことです。
必ず上記のとおり電話番号を
調べるなりして
内容を確認することが先決です。
「架空請求」は
後で冷静になればおかしいと思うものの
とにかく焦って送金してしまって
被害に遭うケースが非常に多い。
焦らずに冷静に対応すること
これこそが「架空請求」の被害を
防ぐ第一歩です。
不安な場合は
自分1人で判断せず
必ずご家族や知人・友人
場合によっては警察や弁護士に
相談することをお勧めします。
とにかく焦って払ってはダメ
これは覚えておきましょう。
それでは
また。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。