取引社会で必ず起こる代金や
報酬の「不払い問題」
「金を払わない奴を刑務所に入れる
ことはできないのですか?」と
聞かれることがあります。
しかし、契約違反
不払いというだけでは「犯罪」にはならず
「刑務所」に入れることはできません。
(今日の「棒人間」 不払いは腹立たしい??)
<毎日更新1308日目>
払わないなんて、許せません。訴えてください!
しかし、裁判を起こしても、相手に支払い能力がないと、結局回収できないんですよ。
そんなバカな!それじゃあ払わない奴が得するということじゃないですか。そんな奴は刑務所に入れられないんですか?
世の中
取引社会では
代金や報酬の未払い問題
というのは永久の課題です。
本来支払うべきものを
いろいろな事情で支払えない
あるいは支払わない人がいるのも
厳然たる事実です。
契約に基づいて
きちんと仕事をしたのに
その代金や報酬をきちんと
支払ってもらえない。
これは
かなり腹立たしいことでしょう。
腹立たしいだけではなく
それが原因で会社の財務状況や
経営状況が悪化する可能性もあります。
こうした未払い問題が起こったとき
よく「訴えてくれ」「裁判を起こしてくれ」
と頼まれることがあります。
しかし、残念ながら
相手に「支払能力」がない場合には
裁判を起こしてもほとんど無意味
ということがあります。
たとえば
取引先が約束した代金を
支払ってくれない場合。
契約した代金を支払わない場合
契約違反
すなわち債務不履行になります。
ですから
こうした相手を「裁判」で訴えて
勝つこと自体はそれほど
難しくないでしょう。
ところが
問題はその先です。
いくら裁判で勝っても
負けた相手がそれに従わずに支払わない
ということは世の中いくらでもあります。
裁判で勝っても
裁判所が相手方に対して
自動的にお金を取り立てて
くれるわけではありません。
裁判で勝っても
相手が払わないという場合は
別途裁判所に対して
強制執行の申し立てを
行う必要があります。
強制執行というのは
相手が持っている財産(不動産や預貯金など)
を差し押さえて
それを強制的に売却(競売)
してお金に変えて
そこから回収するという手続きです。
相手にめぼしい資産があれば
それを差し押さえることが
可能になります。
ところが
代金の支払いを滞らせる
ような会社というのは
大抵めぼしい資産はない
ことが少なくありません。
その場合は
結局勝訴の判決を得ても
それは「絵に描いた餅」に
なってしまいます。
そこで、世間では
とか
と言われることがあります。
そこで
冒頭のように
とおっしゃる方がいます。
しかし
日本の法律では
売掛金を払わないとか
約束したお金を返さないといったことは
犯罪にはなりません。
捕まえるとか
刑罰というのは
基本的には刑事事件の世界の話ですが
未払いというのは民事の世界の話です。
民事で何か相手に強制的に支払わせるには
上記で述べた判決→強制執行というのが
基本的には限界なのです。
そこで
現実問題としては
「持っていない人は強い」
というのはある程度事実
という面があることは否めません。
実は
弁護士としても
こういうご相談を受けると
非常に辛い部分があります。
「裁判をしてくれ!」と言われても
回収の見込みが立たない。
ヘタをすると
弁護士費用がそのままムダに
なる可能性もあるわけです。
「不払い問題」というのは
実は問題が起こってしまってからよりも
起こる前の対応が重要だったりします。
そこで
明日はこの「不払い問題」を予防する対策
について考えてみたいと思います。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。