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渋谷の弁護士吉田悌一郎

社員が退職して独立起業、「競業避止義務違反」に問えないのか?

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退職した社員が

会社と同業で起業。

 

 

社員が退職した後も

「競業避止義務」で縛りを

かけられないか。

 

 

ある程度要件は厳しいですが

方法はあります。

 

 

(今日の「棒人間」 競業避止義務違反を指摘される人)

 

<毎日更新1372日目>

社員の独立起業が許せない?

うちの社員が、突然独立すると言い出して。しかも、我が社と同業の会社を起業すると言うのです!

なるほど、それは大変ですね。

こういうのは、社員の「競業避止義務」に違反するんじゃないですか???

「競業避止義務」というのは

 

 

自社の業務とライバル関係にある

会社に転職したり

 

 

そういう企業を新たに

設立したりしてはならない

義務のことです。

 

 

「競業」という言葉は

わかりにくいですが

 

 

ライバル関係に立つ業務

と考えていただいてよいでしょう。

 

 

社員というものは

会社に雇われている間であれば

 

 

一種の雇用契約上の義務として

競業避止義務を負って

いるとされています。

 

 

社員というのは

会社で働くことで

 

 

その業務に関する技術やノウハウ

情報を身につけます。

 

 

そうして身につけたものを使って

社員が自由に会社と同業の仕事をして

自分の私服を肥やす。

 

 

これは

ある意味雇用契約上

 

 

会社の業務を行うべき義務を

負っている社員が

 

 

会社の利益の犠牲のもとに

自分の利益を図って

いることになるからです。

 

 

ただ

これはあくまで

 

 

社員が会社に雇われている間

在職中の話です。

 

 

それでは

社員が会社を退職した後は

 

 

この「競業避止義務」は

どうなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

退職後の「競業避止義務」が認められるための要件

社員の退職後というのは

会社との雇用契約は

終わっていますので

 

 

当然に社員に「競業避止義務」が

発生するわけではありません。

 

 

そこで

退職後の社員に「競業避止義務」を

課したい場合には

 

 

個別に会社とその社員で

「競業避止義務」に関する

「合意」を行う必要があります。

 

 

「競業避止義務」の合意があれば

社員は会社を退職した後も

定められた範囲で

 

 

競業する会社に転職したり

競業する会社を起業したりする

ことができなくなります。

 

 

ただ

他方で

社員の側にも

 

 

憲法で保障された

「職業選択の自由」があります。

 

 

そこで

 

 

規制が強すぎるなど

合理性のない「競業避止義務」

の合意をしても

 

 

その合意は公序良俗違反で

無効とされてしまいます。

 

 

具体的に

退職後の「競業避止義務」の

合意が有効となるためには

 

 

次の要件を満たす必要が

あるとされています。

 

 

すなわち

 

 

まず

社員に「競業避止義務」を課す

正当な必要性があること。

 

 

これは

 

 

たとえば会社の顧客情報などの

営業秘密や技術・ノウハウなどを

守る必要性がある場合などです。

 

 

そして

次に

 

 

競業避止義務の制限の

内容が妥当であること。

 

 

これには

「競業避止義務」の期間

地域

 

 

対象業務の範囲などが

問題となります。

 

 

これらが広すぎると

上記の「公序良俗違反」と

なりやすくなります。

 

 

まず

競業を禁止する地域ですが

 

 

日本全国とか

関東地方一円などといった

範囲では広すぎるでしょう。

 

 

微妙なところですが

同一の市区町村やその近隣程度

としておいた方が無難でしょう。

 

 

また

期間ですが

 

 

かつては禁止期間を2〜3年程度とする

ものも有効とされていましたが

 

 

昨今では

むしろ社員の「職業選択の自由」を

重視する傾向が強まっています。

 

 

最近では

 

 

期間を1年未満とする「競業避止義務」

の合意でも無効とされる裁判例が

出ていますので

 

 

注意が必要です。

 

 

また

 

 

禁止の対象となる業務の範囲についても

会社の重要な利益に関わる業務に

限定することが求められているようです。

 

 

 

 

 

 

会社がとっておくべき対策

いずれにしても

重要なことは

社員が退職した後の「競業避止義務」は

 

 

あらかじめ会社と社員との間できちんと

「合意」しておかなければならない

ということ。

 

 

そして、さらに

いつ「合意」するかも重要です。

 

 

よくありがちなトラブルとしては

 

 

社員が退職する時に

会社が慌てて「競業避止義務」の

合意書にサインさせようとするもの。

 

 

このようなタイミングでは

「合意書」へのサインを拒否される

可能性が高いでしょう。

 

 

そこで

具体的な対策としては

 

 

「就業規則」であらかじめ

社員の競業避止義務

を定めておく。

 

 

さらに

社員が会社に在職している間に

 

 

早いうちに社員に退職後の

「競業避止義務」の「誓約書」を

書いてもらうという方法があります。

 

 

しかも

この「誓約書」は

できれば

 

 

社員の入社時

昇進時

異動時などに

 

 

その都度書いてもらう方が

望ましいでしょう。

 

 

また

そうしておいた方が

 

 

社員の側でも退職後の「競業避止義務」

についての理解も進み

 

 

納得も得られやすい

方法だと考えます。

 

 

いずれにしても

社員の競業避止義務は

 

 

今結構トラブルが多い

問題とされています。

 

 

会社としては

余計な「裁判沙汰」を予防するためにも

 

 

しっかりと普段から対策は

とっておきたいものです。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

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昨日は、午前中は自宅で「実務に役立つ専門書を読む会」にオンラン参加。建設業・不動産業の法律問題に関する勉強会でした。午後は事務所で仕事。遠方のお客様とオンラインでの打ち合わせなどでした。夕方はボクシングの練習に行きました。体調がイマイチだったのですが、行ってみたら気持ちの良い汗がかけました。相変わらず、体が重くて動きに「キレ」がないですが。。。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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