日本では、社員の長時間労働に対する法規制は
年々強くなっています。
来年4月からは、いよいよ中小企業も、月60時間を
超える残業の割増賃金率が50%に引き上げられます。
今や長時間労働は、社員だけではなく、会社にとっても
リスクだらけなのです。
(夜も眠らない街・渋谷)
<毎日更新563日目>
最近いろいろとその言動が物議を醸している
Twitter社のイーロン・マスク氏。
またまたすごい発言をして話題になっています。
なんとマスクしは今回、Twitter社の社員に対して
と通告したとのことです。
この「極めてハードコア」で激しい長時間労働って、具体的に
どの程度のものなのでしょうか?
この点、マスク氏は過去のインタビューで次のように述べています。
これ、要するに
と言っているようなもので、今の時代の流れに逆行する
発想と言わざるを得ません。
マスク氏といえば、以前も社員の在宅勤務を禁止すると発言したり、
突然大量の社員を解雇したりして、その強行的な改革のやり方が
批判されたりしています。
マスク氏が言うように、毎週100時間働くとは
どういうことでしょうか?
1週間休みなしで働いたとしても、なんと
になってしまいます。
仮に、日本の会社がこのような長時間労働を社員に強要
したらどうなってしまうのでしょうか?
日本の法律では、1日8時間,1週間で40時間を超えて
働かせてはならないというのが原則です。
そして、例外的に、一定の例外(労働者の過半数を組織する労働組合との
書面による協定など・いわゆる36協定というもの)がある場合に限り,
残業をさせることができるということになっています。
さらに、残業させることができる場合であっても、残業時間の上限
というものが法律で定められており、
が残業時間の上限となっています。
ただし,臨時的で特別の事情がある場合については,この上限時間を超えて
残業をさせることができるとされています。
これは、一定の期間を通じて繁忙期が決まっている業種などに当てはまります。
(たとえば、チョコレート製造会社が2月のバレンタインに向けて生産する場合など)
しかし,その場合でも,1ヶ月100時間以上もしくは,2〜6ヶ月での
月平均80時間超となる時間外労働及び休日労働をさせることはできません。
この時間を超えて時間外労働や休日労働をさせた場合には,
という罰則が課せられることになっています。
マスク氏がいう1週間100時間労働とは、月の残業時間がおよそ
240時間にも及ぶことになります。
こんなことを日本の会社がやったら大問題になって、すぐに
のお墨付きを与えられてしまいます。
さらに、気をつけなければならないのは、来年の2023年4月より、
中小企業も残業代の割増率が上がるという点です。
具体的には、
1ヶ月の残業時間が60時間を超えた場合に、残業代の割増率が現行の25%から50%に上がる
ということです。
もし、日本の企業でマスク氏のような長時間労働をさせた場合、
上記の刑事罰を受けるリスクだけではありません。
多額の未払い賃金(残業代)の請求を受ける可能性が高まります。
それこそ、社員から裁判を起こされるリスクも格段に上がります。
私の弁護士としての使命は、中小零細企業のトラブルを
日本では、働き方改革の影響もあり、社会的にも長時間労働に対する
見方は非常に厳しくなっています。
社員との「裁判沙汰」を避けるためにも、社員の長時間労働に依存した
会社の収益構造は見直さなければなりません。
また、来年4月の残業代の割増率引き上げに合わせて、それまでに会社の
就業規則の変更などの整備を行なっておくことも必要です。
というわけで、
今日のポイントは
ということです。
しかし、本当に時代の流れに逆らい続ける改革を
断行するイーロン・マスク氏。
この先のTwitter社はどうなってしまうのでしょうね。
最新動画
今回はちょっと息抜き会、やっぱり口約束はダメ、人は平気でウソをつく? こんなテーマでお話ししています。
活動ダイジェスト
住所 | 150-0031 東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階 マップを見る |
---|---|
受付時間 | 【平日】9:30〜18:00 【土曜日】9:30〜12:00 |
Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。