「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【社長の離婚】会社の株式は財産分与の対象になる??

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社長が離婚する場合、社長が持っている

会社の株式は財産分与の対象になるのか?

 

 

実はこれ、中小零細企業にとっては、ときに

会社の運命を左右する重大な問題になりかねません。

 

 

(社長の離婚は会社にとって「鬼門」?)

 

<毎日更新562日目>

誰にも言えない社長の相談

知り合いの建設会社のA社長。

 

 

なんかいつもとは違った様子でご相談に見えました。

 

実は、今日はちょっと私の個人的なことで相談したいことがありまして・・・。

だいたいこのあたりで、どんな相談か、ピーンときます(^ ^)

会話

元気がありませんね。今日はどうされましたか?

実はこの度、妻と離婚することになりまして。

会話

離婚、そうでしたか。

それで今、妻と離婚に際して、財産をどう分けるか、という問題で話し合っているのです。

会話

なるほど。離婚に伴う財産分与、という奴ですね。

実は、うちの会社の株式は、全部私が持っているのですが、妻からは、会社の株式も離婚に伴う財産分与の対象になるので、株を半分よこせ、と言われて困っているのです。

会話

なるほど。

社長、確か御社が設立されたのは、ご結婚された後でしたよね。

そうなんです。

妻との結婚後に、それまで勤めていた会社から独立して、今の会社を設立したんです。

会話

そうなると、御社の会社の株式も、離婚に伴う財産分与の対象になってきますね〜。

なるほど、やはりそうですか。

しかし、半分もよこせ、というのはいくらなんでもひどくありませんか?

これまで会社の経営は私1人でやってきて、妻は専業主婦ですから何もしていないんですよ!

会話

う〜ん、ところが、専業主婦であっても、いわゆる「内助の功」ということで、2分の1の割合による財産分与が認められることが一般的なのです。

そ、そうなんですか〜。

しかし、妻に株式を半分持って行かれると、これからの会社の経営が危うくなってしまいますよ。

会話

このようなケースでは、御社の株式の代わりに、財産分与としてそれに相当する現金を支払って解決するように交渉するしかないと思いますね。

 

 

 

会社の株式の分散を避けるには?

離婚をする場合,夫婦の一方は他方に対して,財産の分与を

請求することができるとされており,これがいわゆる

離婚に伴う財産分与

と言われるものです。

 

 

通常は,夫から妻に対して財産分与がなされることが多いのが現状です。

 

 

どのくらいの割合で財産を分与するかと言うと,通常は,婚姻期間中に形成された

財産の半分を分与することが一般的です。

 

 

時々,妻は専業主婦で,

財産は全部オレが稼いだのだから,財産分与なんてやらん!

などと語気強くおっしゃる方がいます。

 

 

しかし、専業主婦であっても,家事育児労働の負担などで,

家庭の財産形成・維持に貢献していますので,財産分与を請求する権利は

当然に認められています。

 

 

そして、財産分与の対象になるのは,夫婦のどちらの名義かを問わず,

婚姻期間中に形成された財産はすべてその対象になります。

 

 

中小零細企業の社長が離婚する場合に,気をつけておかなければ

ならないのは,社長の名義の会社の株も,財産分与の対象になり得る,

ということなのです。

 

 

厳密には、婚姻期間中に会社が設立された場合には、通常はその会社の株式も

財産分与の対象になります。

(反面、結婚前に会社を設立した場合には、「特有財産」となって財産分与の対象とはならないのが一般です)

 

 

もし,社長の持っている会社の株が財産分与の対象となる場合,

妻がその株式を取得する権利を持つことになります。

 

 

仮に,会社の株を社長が全部持っているとして、その株の半分を,

財産分与で妻が取得したらどうなるでしょうか?

 

 

会社の基本的事項は,株主総会で決めることになっており,その株主の

持株数などによって,会社の実質的な支配権が決まってきます。

 

 

極端な例ですが,財産分与で妻に株の半分を持って行かれると,

離婚後も,会社の運営には常に離婚した元妻の意見を

聞かなければならないということになってしまいます。

 

 

そうなると,中小零細企業では,日々の会社経営に支障がでかねません。

 

 

ですから,中小零細企業の社長が離婚する場合には,

財産分与で会社の株が分散してしまわないように

注意する必要があります。

 

 

具体的な方策としては,

本来財産分与として妻に渡さなければならない会社の株式に相当する部分を、お金で支払う

ということが最も現実的な解決策でしょう。

 

 

未公開会社の株式をどのようにお金に評価するかというのは難しい問題

ではありますが,決算書などを見れば,ある程度の数字を出すことは可能です。

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

社長が離婚するときには、会社の株式が分散しないようにすること!

ということです。

 

 

今の日本では,どの夫婦にも離婚のリスクはあり,それは中小零細企業の

社長も例外ではありません。

 

 

しかも,中小零細企業の社長の場合は,離婚した場合でも,

会社を守らなければなりません。

 

 

くれぐれも,夫婦関係の後始末に失敗して,会社の経営まで

傾くようなことがないように気をつけたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

賃貸借契約期間の途中で、大家さんが変わった場合、新しい大家さんに対して敷金を返してほしいと請求できるか? 今回はこんなテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会の経営者モーニングセミナーに参加。
終わってからJRに乗って立川へ。
立川の家庭裁判所で遺産関係のお仕事、長く通いましたがようやく昨日で終わりました。
終わってからは自宅に戻り、午後は私が所属しているブログのコミュニティーのオンライン勉強会に参加。
夕方は息子の保育園と習い事(美術教室)の送迎などでした。

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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