「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【Twitter社の大量解雇】日本だったらどうなる?

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日本の法律では、社員の解雇については

厳しい法的な規制があります。

 

 

Twitter社のような、突然の大量解雇は

許されませんので、注意が必要です。

 

 

(日本で大量解雇は許されるか?@東京地方裁判所)

 

 

<毎日更新553日目>

Twitter社が従業員の約半分を解雇?

イーロン・マスク氏の買収騒ぎがあったTwitter社で、

従業員の約半数が解雇されたと報道されました。

 

 

 

 

かなり突然のことだったようで、ある社員は、会社から支給されていた

パソコンが金曜日に使えなくなり、社外とのやり取りに使っていた

メールアドレスや、社内連絡に使っていたSlackにログインできなく

なったそうです。

 

 

従業員の約半数という大量の社員を解雇するというだけではなく、

それを突然やってしまう、というところがかなりすごい、

なんともアメリカの企業らしいなぁと思ってしまいます。

 

 

Twitter社がこのような大量解雇に踏み切った理由として、マスク氏は、

 現在のTwitter社は1日400万ドル(約6億円)の赤字を出しており、ほかに選択肢はなかった

と述べているようです。

 

 

ただ、残された社員もいつ解雇されるか分からない状況で、サービスの運営や

新機能の開発に取り組むモチベーションを維持できるのか疑問の声が上がって

いるそうです。

 

 

こうした大量解雇、果たして日本の会社で同じようなことができるのでしょうか?

 

 

 

 

 

日本で大量解雇は許されるか?

この点、日本では、労働契約法という法律で、社員の解雇について

次のような規定があります。

 

 

労働契約法16条

 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

すなわち、日本の法律では、社員を解雇するためには、

①解雇の客観的合理的理由
②解雇の社会通念上の相当性 

という2つの要件が必要で、この要件を満たしていない解雇は、

法的には「無効」であるとされるわけです。

 

 

そして、①の解雇の客観的合理的理由とは、労働者の能力不足、義務違反、

あるいは経営上の必要性等、解雇を正当化できるだけの理由を意味します。

 

 

ただし、単にこうした理由があればよい、というものではありません。

 

 

「解雇の客観的合理的理由」と言えるためには、これらの理由が相当程度

重大なものである必要があります。

 

 

さらに、②の解雇の社会通念上の相当性は、個々の社員の事情に照らして、

「解雇」という処分が重すぎないか、会社ができる限り解雇を避ける努力

をしたかどうか、などの要素で相当性があるか否かが判断されます。

 

 

そして、実際に裁判の場になると、こうした解雇の有効性は厳しく判断され、

なかなか解雇が有効とは認められません。

 

 

すなわち、日本の法律ではそう簡単に社員を解雇することはできないのです。

 

 

それでは、上記のマスク氏のセリフにもあるように、会社の経営が悪化しているために

どうしても人員削減が必要、という場合の解雇はどうなるのでしょうか?

 

 

この点、会社の経営悪化のために、人員整理を行うための解雇を「整理解雇」

と言います。

 

 

いわゆる「リストラ」と呼ばれることもあります。

(「リストラ」というのは法律用語ではありませんが)

 

 

この「整理解雇」が法的に有効であるためには、次の4つの要件が必要となります。

 

 

すなわち、

①人員削減の必要性
②会社が解雇を避けるための努力を尽くしたこと
③(解雇する社員の)人選の合理性
④会社が社員に対して説明・協議を尽くしたこと
の4つを満たす必要があります。
「整理解雇」のこの4つの要件については、以前にこのブログでも書いて
いますので、詳しく知りたい方はそちらを参考にしてください。
⏬⏬⏬

コロナを理由とする従業員の人員整理は許されるか!? ~③人選の合理性と説明協議義務

いずれにしても、会社経営悪化のための人員整理であっても、やはり
日本の法律では解雇はハードルが高い、ということです。

 

 

「整理解雇」であっても、会社が解雇を避けるための努力や、会社が
社員に対して説明や協議を尽くすことが要求されます。

 

 

ですから、アメリカの企業のように、社員がある日突然出勤したら
「レイオフ(解雇)」になっていた、というようなことは
許されないわけです。

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 日本の法律では、解雇はそう簡単にはできない!

ということです。

 

 

そして、中小零細企業の現場でありがちなのは、そうしたことを知らずに、

社長が現場の判断で「解雇」をしてしまうことです。

 

 

それをやると、後から社員から訴えられて、裁判で「解雇無効」と

判断される可能性があります。

 

 

そうなると、会社としては多額の出費なども覚悟しなければ

なりません。

 

 

私の弁護士としての使命は、中小零細企業のトラブルを

 「裁判しないで解決」すること

 

「裁判沙汰」を避けるためには、

現場の判断で安易に「解雇」などしてはいけません。

 

 

そのような事態になったら、必ず弁護士に相談するように

してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

宅建業法や建設業法では、懲役刑を受けるなど、一定の事項に該当する場合に、その免許なり許可なりを受けられない「欠格事由」というものが定められています。 最悪、スピード違反でも懲役刑を受けると、会社を廃業せざるを得ない事態になってしまうことがあります。

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は1日在宅勤務、オンライン会議などでした。
夕方からは、キャッシュフローコーチ仲間との恒例の月一勉強会でした。

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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