
裁判の中で
相手が「どこかに隠し財産があるはず」
という人は少なくありません。
しかし
「隠し財産」の存在を
証明するのはこちらの責任。
裁判でお金を回収するのは
やはり簡単ではありません。
(今日の「棒人間」 財産を隠す人??)
<毎日更新1472日目>
あなたの主張はわかりますが、被告には支払いの能力がないようですね。
そんな・・・。
ここは現実的なところで、あなたの請求額の半額を被告に払わせて、和解しませんか?
被告に支払い能力がないなんてウソです!
あいつには隠し財産があるはずだ!!
A社長は
取引先B社に対する売掛金が
回収できないということで
B社に対して500万円の支払いを
求める裁判を起こしました。
裁判の中で
A社長側の主張は
ほぼ認められそうな見通し。
そこで
裁判の途中で和解のための
話し合いの席がもたれました。
B社としては
支払わなければならない
ことはわかっているものの
現実問題として
支払うお金がない。
そこで
裁判官からA社長に対し
請求額の半額である250万円を
B社に支払わせて
裁判を終わりにしてはどうか
との和解の打診を受けます。
納得できないのはA社長。
と言って譲りません。
裁判上の和解が成立しないと
裁判所の「判決」が出される
ことになります。
裁判官からの和解の
打診を蹴ったA社長も
判決を求めました。
出された判決は
A社長の会社の全面勝利。
と喜んだのも束の間。
実は
民事裁判では
勝訴の判決が出ても
裁判所が被告から自動的に
取り立てまでやってくれる
訳ではありません。
民事裁判の世界では
B社が裁判所の判決に
従わなかったからといって
刑罰が科される訳でもない。
そこで
判決の内容を実現しようと思えば
裁判を起こしたA社長の会社の方で
新たに裁判所に対して強制執行の
申し立てを行う必要がある。
強制執行の中で
B社の財産を差し押さえ
その財産を競売にかけてお金に変えて
ようやく回収することができる。
このように
民事裁判の世界では
裁判で勝つということと
実際にお金を回収することは
「別もの」なのです。
裁判の中で
相手に「隠し財産があるはずだ」
ということをおっしゃる方は
少なくありません。
しかし
難しいのは
民事裁判の世界では
その相手に「隠し財産」があるか否か。
どこにどんな種類の財産があるのか
こうしたことは請求する
原告の側ですべて特定し
証明しなければならないのです。
残念ながら「あるはず!」と叫んでも
実際に証明できなければ意味がない。
たとえば
相手が不動産を持っていて
その所在がわかれば
不動産の登記情報を調べることで
ある程度調査は可能です。
また
預貯金については
金融機関名や支店名がわかれば
口座を調べることが
可能な場合もあります。
しかし
こうした手がかりがほとんどない
というケースも少なくない。
そんなわけで
もし「隠し財産」があるというのであれば
その所在をある程度特定する必要があります。
残念ながら
「隠し財産があるはず!」と叫んでも
裁判の世界では証明できなければ
それはむなしい独り言にすぎません。
「隠し財産」は「幻の財産」
であることが少なくないのが
現実なのです。
このように
裁判でお金を回収するというのは
困難を伴う場合が多い。
そこで
こうしたお金の回収トラブルについても
なるべくなら「裁判沙汰」を
予防した方が良いでしょう。
明日は
こうしたお金の回収トラブルを
予防する方法について
お話ししたいと思います。
それでは
また。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。