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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【パワハラ】勝手に部下の髪を切るのは犯罪??

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髪型指導をしても

それに従わない部下について

勝手に上司が髪の毛を切ってしまった。

 

 

このような行為は「パワハラ」に

当たり得る行為であるだけではなく

 

 

刑法上の「暴行罪」という

犯罪にあたる可能性もあります。

 

 

社員の髪型指導と「パワハラ」

どう考えたら良いのでしょうか?

 

 

(今日の「棒人間」 勝手に他人の髪を切るのは犯罪??)

 

<毎日更新1557日目>

勝手に髪を切るのは暴行罪?

お前!そんなことをしたらケーサツに捕まるぞ!

 

あれは

私がまだ幼稚園児だった頃のこと。

 

 

友達とふざけて「床屋さんごっこ」

というのをやっていました。

 

 

それで

私が友達の髪の毛を

本当に切ってしまった。

 

 

なんかおかしな髪型に

なってしまったらしく

その子の親からうちの親にクレームが。

 

 

それを知ったうちの父が烈火の如く怒り

「他人の髪の毛を勝手に切るのは犯罪だ」

 

 

「捕まるぞ!」と言われたことを

覚えています。

 

 

犯罪だ

と言われても

 

 

もちろん幼稚園児の私には

何のことやらさっぱりわかりません。

 

 

月日は流れ

私は大学の法学部に入学したとき

 

 

他人の髪の毛を切ることが

なぜ犯罪になるのか

疑問を解明しようと思いました。

 

 

そして

見つけました。

 

 

刑法第208条

暴行ヲ加ヘタル者ハ二年以下ノ懲役若ハ三十萬圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ処ス

 

これは

「暴行罪」という犯罪を

定めた刑法の条文。

 

 

これは今から約30年前

私が学生だった頃の刑法の条文で

 

 

今の法律はもっとわかりやすい

言葉に変わっています。

 

 

ここで言う「暴行」とは

人の身体に対する不法な有形力の行使

のことを言うとされています。

 

 

 

一般的には

殴るとか蹴るといったことを

イメージしますが

 

 

それだけではありません。

 

 

「有形力の行使」というと結構広い概念で

他人の髪の毛を勝手に切ることも

 

 

この「不法な有形力の行使」に当たる

と言われているのです。

 

 

まぁ

だからといって幼稚園の子どもが

 

 

「捕まる」というのはかなり

大袈裟ではありますが。

 

 

ところが

大人の世界でも

 

 

部下の髪の毛を勝手に切ってしまった

という事件があったようです。

 

 

 

 

部下の髪の毛を勝手に切っちゃった?

 

茨城県小美玉市で

消防士の男性が

 

 

長髪だった男性部下の髪の毛を勝手に

切るなどのパワハラ行為があったとして

 

 

停職や減給の懲戒処分を受けた

との報道がありました。

 

無理やり部下の髪切った消防士2人懲戒 「ふざけて切ってしまった」と説明、茨城・小美玉

 

 

報道によると

長髪の髪型をした男性部下に対し

 

 

現場活動に支障があるということで

髪を切るように複数回指導したそうです。

 

 

ところが

この部下が指導に応じなかったため

 

 

勤務時間中に無理やり

髪を切ったとのことです。

 

 

髪を切った消防士らは

「ふざけて切ってしまった」と

説明しているそうです。

 

 

職場におけるパワハラについては

先日のブログで少し詳しめに

お話ししました。

 

社内での「パワハラ」を防止するために何をすべきか?

 

業務上必要な指導が「パワハラ」とならないために注意すべき3つのポイント

 

 

おさらいですが

職場におけるパワハラは

 

① 優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるもの

 

 

上記のとおり

勝手に他人の髪の毛を切る行為は

「暴行罪」という犯罪にも該当しますし

 

 

「②業務上必要かつ相当な範囲を超え」

ていることは明らかでしょう。

 

 

そして

それによって部下の「③就業環境」も

害されているのですから

 

 

まぁ「パワハラ」に当たるのは

間違い無いでしょうね。

 

 

 

 

 

 

髪型指導と「パワハラ」

 

他人の髪の毛を勝手に

切るのは論外としても

 

 

長髪の男性部下に対して

髪を切るように繰り返し

指導すること自体は

 

 

「パワハラ」に当たらない

のでしょうか?

 

 

これは

割と多くの職場でも問題に

なりそうな話ですよね。

 

 

この点

長髪を切ることが

その業務と何ら関連性がないという場合は

 

 

やはり「②業務上必要かつ相当な範囲を超え」た

指導ということになりそうです。

 

 

ただ

消防士という仕事の場合は

 

 

業務の性質上

安全性との関係で問題と

なり得ることはあるでしょう。

 

 

たとえば

その長髪が

消化活動中に髪の毛が機器に絡まるとか

 

 

防火服やヘルメットから

髪の毛がはみ出て危険

 

 

呼吸器の装着に支障をきたす

などといったことはあるかもしれません。

 

 

このように

消防士としての業務遂行に直接的な

危険性が認められる場合には

 

 

職務命令として髪を切るよう指示することは

業務の適正な範囲内と見なされる

可能性が高いでしょう。

 

 

また

消防署の服務規律に

「清潔かつ端正な髪型を保つこと」や

 

 

「職務遂行に支障がないよう

髪がヘルメットからはみ出さないよう整えること」

といった明確な規定がある場合。

 

 

その場合には

それに従うよう指導することもやはり

適正な業務上の指導とされるでしょう。

 

 

このように

髪型指導といっても

それが「パワハラ」になるかどうかは

 

 

その業務の性質や服務規律の規定

具体的な指導のやり方など

によっても異なり得るということです。

 

 

職務上の規律などで

やはり働く人の髪型は重要ですが

 

 

他方で多様性や個人の価値観が

重視される時代でもあります。

 

 

それぞれの職場において

その辺のバランスを考えていく

必要があるでしょうね。

 

 

 

それでは

今日のダジャレを1つ。

他人の髪の毛を勝手にカットすると、「暴行罪」であなたの人生カットされます。

 

 

 

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

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午前中は、自宅から「実務で役立つ法律書を読む会」にオンライン参加。相続と税務、企業法務に関する勉強会でした。
午後は事務所で仕事。遠方のお客様とオンラインでの打ち合わせ(裁判の尋問の準備)や、とある企業様からご依頼をいただいているコンプライアンス研修の企画書作成などでした。

ご提供中のメニュー

豚肉の生姜焼き、ポテトフライ、ミートボール、ウインナー、にんじんとピーマンの炒め物、デザートは桃でした。
分量を間違えて、メインの豚肉の生姜焼きは盛り盛りに。でも全部食べてくれたようです。

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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