ある弁護士のブログ投稿が刑法上の
「侮辱罪」で起訴されたとの
報道がありました。
今回は
「侮辱罪」とネット発信のリスク
についてお話しします。

(今日の「棒人間」 それ、侮辱罪??)
<毎日更新1681日目>
ジャーナリストの鈴木エイト氏に対して
ネット上で「いじり人格」とか
「おちょくり坊主」などと
投稿した弁護士が
侮辱罪で東京地検によって起訴された
との報道がありました。
鈴木エイト氏を「おちょくり坊主」とブログ投稿、旧統一教会側の弁護士を侮辱罪で起訴
報道によれば
起訴されたのは中山達樹弁護士で
旧統一教会の教団信者の代理人
などを務めているようです。
他方で
鈴木氏は
旧統一教会の問題を
追及してきたジャーナリスト。
中山弁護士が2023年8月15日に自身の
ブログに投稿した記事の中に
鈴木氏のことを「いじり人格」とか
「おちょくり坊主」などと
記載したそうです。
鈴木氏は
これまで旧統一教会問題を取材する中で
誹謗中傷や圧力を受けてきたとしています。
そして
今回の中山弁護士の発言は
と判断し
警視庁に告訴していたとのことです。
今回問題となった
「侮辱罪」というのは
刑法231条で規定されています。
公然と人を侮辱した場合
と規定されています。
ここで言う「侮辱」とは
簡単に言えば
公然と人を軽蔑する行為のことをさします。
公然と「バカ」とか「アホ」などと
言うことがその典型例とされています。
実は
この侮辱罪は
約3年前に刑法が改正されて
それまでの「拘留又は科料」から
上記のように法定刑が引き上げられました。
侮辱罪の法定刑が引き上げられた背景は
主にインターネット上の誹謗中傷の
増加と悪質化があります。
SNSなど
個人が情報発信できる場が増えたこともあり
無責任な誹謗中傷などが横行しました。
これにより
深刻な被害が生じるケースもあり
またこの問題に対する社会の
関心の高まりもありました。
インターネットやSNSの利用が一般的になり
誰もが手軽に「発信」できる時代。
他方で
ネット上での誹謗中傷や
トラブルが増加しています。
上記の「侮辱罪」の厳罰化によって
個人の尊厳を傷つけるような
不用意な書き込みが
以前よりも重い刑罰の対象となる
リスクが高まっています。
中小企業をとりまく
ネット発信の環境においても
こうしたことを頭に入れて
おかなければなりません。
たとえば
競合他社や取引先
または一般の顧客に対して
品位を欠く表現や
人格を否定するような侮辱的な
発言はしないようにすべきです。
もちろん
自社の従業員や退職者に対する
不当な批判・中傷も
トラブルの元となりますので
避けるべきでしょう。
さらに
最近増えているのが
「匿名」での投稿による
誹謗中傷などです。
しかしながら
たとえ「匿名」であっても
発信者情報開示請求という手続きで
一定の要件のもとに投稿した人物を
特定することが可能です。
また
経営者個人の発信であっても
会社の信用性やブランドイメージに深刻な
損害を与える可能性がありますので
注意が必要です。
不用意に投稿してしまうと
相手から民事の損害賠償請求を受けたり
「侮辱罪」で刑事告訴されたりと
「裁判沙汰」に陥るリスクが
大きくなります。
こうした「裁判沙汰」を避けるためにも
ネット上の発信には気を
つけないといけませんね。
つい感情的になって発信など
しないようにしたいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。