管理職にしたのだから
残業代は出さなくていい。
中小企業では
いまだにこうした運用が多く見られます。
しかしその「常識」
労働基準法の考え方とは大きく
ズレている可能性があります。

(今日の「棒人間」 世の中は誤解がいっぱい??)
<毎日更新1721日目>
先日
ヤフー知恵袋を何となく見ていたら、
という投稿がありました。
なるほど
世の中には「管理職」=残業代は不要
というイメージがまだ根強く
あるようですね。
なぜこのようなイメージが
残っているのかというと
労働基準法で「管理監督者」
という制度があるためです。
どういうことかと言うと
具体的には
労働基準法では
については
労働時間や休憩
休日に関する規制が適用されない
と規定されているのです。
これをいわゆる
「管理監督者」と言います。
「管理監督者」は
時間外労働や休日労働の
有無などにかかわらず
残業代の請求権はない
ものとされています。
問題は
どういった人が
この「管理監督者」にあたるのか?
ということです。
これについて
裁判例では
一般的には,部長,工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意味であり,名称にとらわれず,
実態に即して判断すべき
とされています。
そして
具体的には
次の3つがその判断基準として
重要であるとされています。
すなわち
①経営者と一体的な立場で仕事をするために,経営者から管理監督,指揮命令などの一定の権限を与えられていること(権限)
②出社,退社や勤務時間について厳格な制限を受けていないこと(勤怠の自由)
③地位,給料その他の待遇において一般社員と比較して相応の待遇がなされていること(待遇)
の3つです。
要するに
「管理監督者」とは
労務を管理する立場の人で
経営者と一体的な役割を
果たす人のことを言います。
具体的には
会社の業績に一定の責任を負っている
役員会などで報告している
社員の人事権を持ち
一定の範囲で採用や異動を決められる
などといったことが目安になります。
こうした特殊な立場の社員は
いわば労働基準法で決められた
労働時間や休息
休日などの規制の枠を超えて
活動せざるをえない立場であり
十分な責任や権限を持っています。
それゆえ
この「管理監督者」には
労基法の労働時間や休憩
休日に関する規制が適用されず
残業代は出ないう結論になるのです。
ここで、大切なポイントは
労働基準法上の
「管理監督者」に当たるかどうかは
形式的な役職名や権限のみで簡単に
認められるものではないということです。
あくまでその対象者の
具体的な労働実態がどうだったのかを
見て判断されるということです。
つまり
「管理職=管理監督者」ではない
ということです。
むしろ
「管理監督者」というのは
上記のようにかなり特殊な立場であり
単に課長、部長、店長などという
役職を持っているというだけで
これにあたるわけではありません。
そして
実際に裁判になった場合には
やはり相当大きな権限や
裁量を持っていないと
「管理監督者」とは認定されない
傾向にあります。
そんなわけで
管理職には残業代は不要
というのは完全なる誤解です。
こうした誤解のもとに運営していると
社員との間で思わぬトラブルや
「裁判沙汰」に発展することになります。
具体的には
管理職だから残業代の支払いは
不要だと思っていたところ
「管理監督者」には当たらず
後々でまとまった残業代を請求される
というケースが考えられます。
こうしたトラブルや裁判沙汰を
予防するためにも
この辺の知識はある程度整理
されておいた方がよいでしょうね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。