「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

弁護士の「営業」をどう考えたら良いか?

弁護士業界

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食えなくなって、

依頼者のお金に手をつける

弁護士の不祥事が

増えています。

 

 

弁護士の「営業」について、

考えてみました。

 

(今日の「棒人間」 営業努力は大事??)

 

<毎日更新977日目>

多発する弁護士の不祥事

今に始まった話ではありませんが、

ここ最近、特に弁護士による

「不祥事」が増えています。

 

 

典型的なのが、

債務整理のブローカー

などと提携して、

「名義貸し」をしてしまう。

 

 

高齢者の後見人に就任して、

依頼者(高齢者)から

預かったお金を横領して

しまうなどというケースが

非常に多いです。

 

 

かつて、

「悪徳弁護士」というと、

お金に走って暴利を

むさぼる弁護士、

というイメージがあります。

 

 

しかし、

最近の上記のような

不祥事を起こす弁護士は、

たいてい事務所の経営難に陥り、

事務所の運転資金のために

不正に手を染めてしまう、

というケースがほとんどです。

 

 

いわば、

食えなくなって、

やってはいけないことに

手を出してしまう弁護士、

ということですね。

 

 

背景には、

やはり司法制度改革による

弁護士の急激な増加と、

それによる競争の激化、

という問題があります。

 

 

私が弁護士になった頃は、

日本全国で弁護士の数は

約2万人程度でしたが、

 

 

それから20年で

その数は倍になり、

今では弁護士の数は

約4万人まで増えています。

 

 

その間、

我が国の裁判(訴訟)の件数は、

逆に減少しています。

 

 

今でも「裁判」業務を

メインにしている弁護士が

多数いますので、

特に都市部では当然に

競争の激化が起こる、

という構図になっているわ

けです。

 

 

普通の業界であれば、

競争が厳しくなれば、

営業努力をしたり、

新規の分野を開拓する

などして打開策を

はかります。

 

 

しかし、

弁護士業界には、

なかなかそうスムーズに

行かない事情があります。

 

 

弁護士は「他人の不幸」が飯の種

私もそうですが、

今の「中堅」より上の弁護士は、

若い頃に「営業」を教えられた

経験がありません。

 

 

その理由はいくつかありますが、

今の「中堅」より上の

弁護士が若い頃には、

まだ競争が厳しくなくて、

仕事には困っていなかった

という事情があります。

 

 

私が弁護士になった

約20年前は、

大手サラ金の全盛時代で、

多重債務が社会問題化

していました。

 

 

そんな時期に

弁護士になったので、

弁護士になった当初は、

借金問題の相談に

明け暮れていました。

 

 

いわゆる「債務整理」

というもので、

実はこれもコツコツ真面目に

取り組んでいれば

それなりにお金になります。

 

 

ですから、

私も当初から仕事に

困ることはなく、

逆に、自分の仕事を

獲得するための営業努力を

するという機会が

ほとんどありませんでした。

 

 

もう1つの理由は、

もっと本質的な

ところにあります。

 

 

それは、

そもそも弁護士という仕事が、

「他人の不幸」を飯の種にしている

ということです。

 

 

たしかに、

一般的な弁護士が扱う案件は、

離婚や相続、交通事故、

借金や倒産の問題、

損害賠償など、

 

 

普通の人にとっては

「不幸」な出来事を

解決するのが仕事です。

 

 

ですから、

弁護士がそうした

「他人の不幸」にまつわる

仕事を獲得するために、

積極的に営業活動を

行うことは、

 

 

品位をそこなうとか、

はしたないといった風潮が

根強くあります。

 

 

この辺は、

アメリカの弁護士などは

もっとドライに営業活動を

しているのですが、

やはり国民性の違い

なのかも知れません。

 

 

私も若い頃に、

先輩弁護士から、

弁護士は営業活動などに色気を出すな。目の前の仕事を真面目に一生懸命やっていれば、食いっぱぐれることはない。

と教えられました。

 

 

しかし、

残念ながら、

そうした牧歌的な時代は

過去のものとなりました。

 

 

いくら「他人の不幸」が

飯の種だからといって、

弁護士も食べられなければ

生きていけません。

 

 

さりとて、

若い頃に営業を

学んでいない、

いやむしろ、

営業するなと

教えれらている弁護士は、

 

 

経営が苦しくなっても、

何をどうしたら良いのか

わかりません。

 

 

私も、

数年前に事務所の経営が

極度に悪化しましたが、

正直言ってどうしたら

良いのかわからず、

途方に暮れた

経験があります。

 

 

幸い私の場合は

そこまで行きませんでしたが、

どうしようもなくなって、

依頼者のお金に手をつけて

しまう弁護士の不祥事は、

私にとっても「他人ごと」

とは思えません。

 

 

 

 

 

営業=情報発信は、社会貢献でもある

さて、

ここでもう一度、

弁護士が営業活動を

行うことは善か悪か、

という問題を

考えてみます。

 

 

もちろん、

営業の仕方によっては、

品位を害して弁護士の

社会に対する信頼を

失わせるような場合も

あるでしょう。

 

 

しかし、

およそどんな仕事でも、

自分のお客さんに

来てもらう努力、

売上を上げる努力、

お金を稼ぐ努力は

欠かせません。

 

 

そうした営業努力をせず、

事務所経営に行き詰まって、

依頼者のお金に手をつける方が、

よほど弁護士に対する

信頼がなくなります。

 

 

しかも、

私の肌感覚からすると、

弁護士のサービスというものは、

だまだ世の中の人に

知られていない部分が

あります。

 

 

「弁護士は敷居が高い」

といまだに言われます。

 

 

それは、

結局弁護士の側からの

情報発信が足りていない、

というのが1つの大きな

原因だと思います。

 

 

これだけインターネット

による情報発信が

発になっていても、

まだまだ足りないのです。

 

 

情報発信というのは、

もちろん営業活動の1つですが、

同時に、社会貢献にも

なっている側面が

あります。

 

 

自分の仕事やサービスに

関する情報発信が、

それを必要としている

人に届くことで、

その人が救われる

ことも少なくないのです。

 

 

最近の弁護士の中には、

ブログやYouTube、

SNS(facebookやTwitter(X)など)

を使って、

積極的に情報発信を

する人が増えてきました。

 

 

そのこと自体は、

とても良いことだと

思います。

 

 

それと、

営業や情報発信をがんばることは、

いろいろな意味で

「自己成長」にも

つながります。

 

 

世の中で、

自分の仕事のニーズを

真剣に考えることに

なりますし、

その結果、

自分の仕事の質も

高めることができます。

 

 

私は、

二宮尊徳の

道徳なき経済は犯罪なり。
経済なき道徳は寝言なり。

という言葉が

大好きです。

 

 

弁護士という仕事が

健全に発展し、

社会の信頼を

得るためにも、

「営業」というものに

もっと真剣に向き合う

必要がある。

 

 

昨今の弁護士の不祥事を

耳にするたびに、

つくづくこのことを

感じる今日このごろです。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

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最新動画 

今回は、振り込み手数料をどちらが負担するか?でモメる話というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、最近「サメ」にはまっている息子のリクエストで、2人で葛西臨海水族園へ。
3時間くらいいましたが、結構楽しめました。

 

 

 

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裁判しないで解決する
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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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