「口コミを書いていただけたら
一品サービスします。」
飲食店などで
こんな案内を見かけたことはありませんか?
実は
その依頼のしかた次第では
景品表示法の「ステマ規制」に抵触する
リスクがあるため注意が必要です。

(今日の「棒人間」 それってステマ??)
<毎日更新1884日目>
消費者庁が
神戸市にある健康食品販売会社
「高光製薬」という会社に対して
ステルスマーケティング(ステマ)
ということで再発防止を求める措置命令を
出したとの報道がありました。
神戸のサプリ会社がステマか SNS投稿巡り措置命令、消費者庁
報道によれば
この会社はイメージモデルらに
サプリメント商品を無償で提供し
SNSへの投稿を依頼。
それを受けて
モデルらはSNSでこの商品を
紹介したそうです。
ところが
この会社は
そのモデルらのSNS投稿について
依頼された投稿だと分かる部分以外を
切り出して自社サイトに転載。
「SNSで大人気」などと表示したとのことです。
ちなみに
モデルらのSNS投稿では
この会社からの依頼について
触れられていたそうですが
この会社はそこを除いて転載した
ということのようです。
ここで
ステルスマーケティング(ステマ)とは
事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該(事業者の)表示であることを判別することが困難であると認められるもの
をいうとされています。
簡単に言えば
「本当は広告なのに
広告だと分からないように隠すこと」
を意味します。
本来
普通の人が商品を買うときに
「これは広告(つまり
企業が自社に都合よく発信している情報)」
だと分かれば
その内容を割り引いて考えたり
情報の裏側を冷静に判断する
ことができます。
しかし
そもそも広告であることを隠されてしまうと
一般の人はそれがその人の
「純粋な感想」だと勘違いしてしまい
不当に商品を選ばされるおそれがあります。
そこでこの「消費者が騙されて
自主的で合理的な選択が
できなくなる状況」を防ぐために
景品表示法という法律で
ステマが規制されている
というわけです。
上記の事例では
モデルらのSNS投稿では
依頼を受けた投稿であることを
表示しているのに
そこをわざわざ除いて転載しています。
そのため
それが事業者の表示であることを判別する
ことが困難になっているということになります。
つまり
その投稿を見た人は
それが広告であることがわからず
そのモデルらの純粋な感想であると
勘違いしてしまう可能性が高い
ということです。
この点
上記で見たステマの定義では
「事業者の」表示であることが
必要とされています。
ただし
これは
自分が作成して表示する
場合だけではなく
第三者に作成を依頼・指示
する場合であっても
「事業者の表示」となる場合があります。
とは言え
事業者が第三者の表示に
関与したとしても
客観的な状況に基づき
第三者の自主的な意思による
表示内容と認められる場合には
事業者の表示とはなりません。
第三者の自主的な意思による
表示と認められるかどうかは
窓を踏まえて
総合的に判断するとされています。
この点
冒頭の事例では
会社がサプリメント商品を
無償提供した上で
モデルらにSNSへの投稿を依頼しています。
こうしたケースでは
上記の要件は満たし
モデルらの投稿であっても
あくまで「事業者」による
表示であると判断されます。
ところで
先日とある居酒屋で飲んでいたら
下記のようなお店の表示を見つけました。

まぁ
割とよく見かけるもので
お店のGoogleの口コミに
投稿してくれたお客様に
一品をプレゼントしますよ
という内容です。
これはステマに当たるのでしょうか?
結論から言えば
これは景品表示法で規制するステマに
は当たらないと考えられます。
なぜかというと
上記の製薬会社の事例とは異なり
ちゃんとお店がお客様に対してGoogleの
口コミへの投稿を依頼していることが
わかるからです。
つまり
誰かがその口コミ投稿を見たときに
それが広告(特典付きの投稿)だと
判断することができます。
それでは
単にGoogle口コミの投稿を依頼するだけではなく
一品サービスするので
「星5つ」をつけてください
とやったらどうでしょうか?
この場合には
景品表示法が規制するステマに
該当する可能性が高いと考えられます。
なぜかと言えば
単に投稿してと依頼するだけの場合は
投稿をする側は
良い評価を書くか
悪い評価を書くかは自分の意思で
選ぶことができます。
ところが
「星5つをつけて」と依頼することは
いわば投稿者に良い評価を投稿することを
強いることにつながります。
そうなると
投稿内容に対する事業者の
コントロールがとても強くなる。
そのため
その投稿を見た一般の人が
それが事業者の表示(広告)
であることを判別することがより
一層困難になると考えられるからです。
ビジネスをやっていれば
当然より良い評価を受けたい
それを自社の広告宣伝に
使いたいと考えるのは当然です。
しかし
ちょっとした言い方
表現のしかたひとつで景品表示法など
法令に違反してしまうリスクもあります。
そのため
ある程度法律の規制の概要も頭に入れ
気をつけて宣伝したいものですね。
それでは
また。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。