振込手数料や事務処理の負担を減らすため
社員の給料振込先を特定の銀行に
統一している会社もあるでしょう。
しかし
会社が社員に対して「この銀行の
口座を作って」と強制することは
法律上問題になる
可能性があります。

(今日の「棒人間」 「この銀行!」と強制できる?)
<毎日更新1998日目>
社員に給料を支払う際に
どの銀行の講座に振り込むか。
この問題で
SNS上でちょっとした
話題になっているようです。
たとえば
会社から社員に対して
と指示する場合です。
社員からすると
といった不満も出てくるかも知れません。
一方で
会社側にしてみれば
給料振込のたびに
振込手数料がかかったり
複数の銀行への振込手続きが面倒だ
という事情もあります。
ですから
会社としては
なるべく給料の振込先を統一したい
と考えるのはごく自然のことでしょう。
さて
果たして
そもそも会社が社員の給料の振込先を
一方的に指定することが法律上
許されるのでしょうか?
そこで
まず法律の原則を見ておきましょう。
労働基準法という法律で
社員への給料の支払いは
社員に直接、通貨で支払うこと
と定められています。
とはいえ
今どき給料が現金で手渡し
というところは少なく
社員の側でも手渡しで
現金をもらっても迷惑
という場合が多いでしょう。
そこで
多くの会社では
社員の給料の支払いは銀行振込
というところが多いと思います。
この点
労基法施行規則第7条の2第1項第1号では
例外的に社員の同意を得た場合には
によって支払うことができる
とされています。
つまり
法律ではあくまで
というたてつけになっているのです。
これによって
今では多くの会社では給料の
銀行振込がなされているわけです。
まぁ
今どき
という人も少ないでしょうからね。
ただ
振込の場合は
あくまで上記のとおり
ということになっています。
ですから
結論的には
会社は自社が指定する口座を
社員に強制することはできない
ということになります。
この結論に対しては
意外に思う経営者の方も
おられるかも知れません。
「社員に好き勝手に銀行を指定されては
振り込み手数料がかかって仕方がない!」
という意見もあるでしょう。
確かに
社員が10人
20人と増えてくれば
振込手数料もバカになりません。
ただ
上記のとおり
会社が「うちは●●銀行しか認めません!」
と社員にその銀行口座を使うように
強制することは問題があるわけです。
この点
もちろん
会社が社員に対してきちんと事情を話し
「できれば給料の振込先は●●銀行に
してもらえると助かるんだけど」
とお願いすること自体は問題ありません。
あくまで社員の納得の上で
その銀行口座を指定するので
あればよいわけです。
SNS上で問題となっているように
こういった小さな火種も
やり方を間違えると社員との
トラブルに発展するリスクがあります。
万が一
社員とトラブルになれば
解決までに時間やコストがかかり
それは「振込手数料」の比では
ないかも知れません。
「給料振込」という日常的な事務手続きにも
実は法律上のルールがあり
社員とのトラブルの火種が
潜んでいるというわけです。
大切なことは
やはり会社の事情をきちんと説明した上
社員の希望にも耳を傾け
納得してもらうことでしょうね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。