自社の名前を勝手に使って、
迷惑営業をされるという
事例があるようです。
このような行為は、
不正競争防止法によって
禁止されています。
こんな迷惑行為をする業者に
どう対処するか、
今日はその辺のお話をしたいと
思います。
(今日の「棒人間」 他社の名前を勝手に使った詐欺に注意)
<毎日更新784日目>
●●工務店さんですね。
ひどいじゃないですか!
おたくはいつもあんな営業の仕方をしているのですか?
あの〜、なんのことでしょうか?
弊社が何かおたくにご迷惑をおかけしましたでしょうか?
迷惑どころじゃありませんよ!
おたくの会社の社員を名乗る人が突然うちに訪問営業に来たんです。
ええ〜、訪問営業なんてうちはやってないんですがね。
なんか、ガラの悪い営業マンでしたよ。
それで、いきなり「おたくの屋根がめくれてる」とか、「早く工事をしないと大変なことになる」とか言って脅すんです。
それで、どうなったんですか?
私も、なんだかとても怪しいと思ったので、その営業マンの人に、名刺を下さいと言ったんです。
ところが、そうするとその人は、名刺も渡さずに急に帰って行きました。
それは怪しいですね!
それで、インンターネットでおたくの会社の電話番号を調べて、今回電話したんです。
うちはこの地域で長年工務店をやっていますが、訪問販売やそんな迷惑な営業の仕方は一切しておりません。
今度うちの会社の名前を語る業者がいたら、すぐにうちに連絡をください。
この話、
私の知り合いのA社長の会社で、
実際にあった話です。
自社の名前を勝手に語られて、
しかもこんな詐欺まがいの
迷惑営業をされたら、
自社の信用やブランド価値に
大きな傷がつきかねません。
こうした悪質な行為を法的に
対処できないのでしょうか?
この点、
不正競争防止法という
法律があります。
この法律では、
誰かが使っていて、
需要者の間に広く認識されている
会社名や商品名と同じか、
類似のものを使うことによって、
その誰かの会社が提供している
サービスであると誤認させる行為を、
「不正競争」であるとして
禁止しています。
わかりやすく言えば、
勝手に他社の名前を使って、
その他社のサービスであるかの
ように誤解させるような行為が、
「不正競争」に当たるということです。
上記のA社長の会社の例は、
まさにこれに当たりますね。
ちなみに、
というのは、
全国的に有名という
ことではなくても、
一定の地域で名前が
知られているという程度で
よいとされています。
そして、
この「不正競争」によって
自社の営業上の利益を侵害され、
または侵害されるおそれが
ある場合には、
この「不正競争」を
行なっている者に対し、
侵害の停止または予防を
請求することができます。
さらに、
「不正競争」を行った者に対して、
損害賠償請求を行うこともできます。
また、
この不正競争防止法違反には、
刑事上の罰則も定められています。
すなわち、
違反した場合には、
という罰則が定められています。
また、
こうした他社の名前を勝手に
語る悪徳業者と契約を
してしまった消費者は、
消費者契約法や民法を根拠に、
契約を取り消すことができます。
さらに、
消費者がお金を支払って
しまったような場合には、
刑事上の詐欺罪で刑事告訴する
という手段も考えられます。
まず、
こうした悪徳業者の居場所が
わかる場合には、
すぐに警告文を出した方が
良いでしょう。
具体的には、
おたくの行為は
不正競争防止法違反に
該当するので、
すぐにやめるべきこと。
もしやめない場合は、
今後民事上の損害賠償請求や、
刑事告訴を行う予定であること
を警告すべきでしょう。
ところが、
こうした悪徳業者というのは、
なかなか尻尾を掴むのが難しい、
という特徴があります。
近年、
この手の犯罪は巧妙化していますので、
彼らの居場所や証拠を発見するのが
困難という面があります。
ですので、
その場合には、
まずお客様に対する信頼回復
(というのも変な表現ですが)
を優先すべきでしょう。
例えば、
自社のホームページで、
自社の名前を語った悪徳業者が
いるという注意喚起を行うなどの、
情報発信は1つの方法だと思います。
また、
既存のお客様にも、
何らかの方法で同様の情報は
お伝えした方が良いでしょう。
お客様が新たな被害に遭うことを
防止するように努めることが
求められます。
あと、
一般的にリフォーム詐欺などは
問題となっていますので、
刑事告訴や被害届はできなくとも、
このような困ったケースがある
ということで、
警察に相談に行くというのも
1つの方法だと思います。
そんなわけで、
自社の名前を勝手に語られて
迷惑営業をされるというのは、
本当に腹立たしく、
真面目に営業している方からすれば、
とても理不尽な話です。
しかし、
世の中にはこうした悪徳業者が
いることも事実です。
何も手立てを講じないと、
こうした悪徳業者の思う壺ですし、
下手をすると自社の信用が
傷ついてしまいます。
大変ではありますが、
お客様を守り、
できるだけ、
自社の信用やブランド価値を
落とさないようにする対策が
必要となりますね。
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今回は、会社のパワハラ相談窓口が、なぜ利用されないのか、というテーマでお話しています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。