コロナが明けて、
今年は久しぶりに会社の
「忘年会」を復活する、
という会社も多いでしょう。
しかし、
会社の忘年会に参加したくない、
という社員さんの声も
少なからずあるようです。
会社が社員に忘年会への
参加を強制するリスクとは??
(今日の「棒人間」 社長だけがノリノリの忘年会??)
<毎日更新958日目>
今年は、
コロナが明けて、
それまで数年間自粛していた、
会社の忘年会を復活させる、
というところも多いかと
思います。
飲みニケーションという
言葉がありましたが、
忘年会などの会社の飲み会は、
社員同士の交流や
コミュニケーションを図り、
会社の士気を高めるという
効果がありました。
特に、
忘年会は、
お互いに今年1年をねぎらい、
また来年からの活力を培う、
そんな意味もあります。
しかし、
そんな会社の思惑とは裏腹に、
社員さんからすると、
あちこちで
などといった声が
聞こえます。
これには、
2つの意味があると
考えています。
1つは、
コロナ前と比べて、
「お酒」に対する捉え方が
決定的に変わっています。
「お酒」や「飲み会」と言えば、
かつては大人にとっての
楽しみでした。
しかし、
今は「お酒」を飲まない人も
増えています。
加えて、
プライベートな時間を
大事にしますので、
わざわざ業務時間外に、
会社の人と飲みに行くこと
自体を煩わしいと感じる人も
多いのです。
そんな世相の変化にもかかわらず、
相変わらず忘年会は参加強制、
あるいは参加せざるを得ない
「強制的雰囲気」のある会社も
少なくないようです。
「忘年会」で社内のコミュニケーションを
はかりたい社長と、
無駄な飲み会に参加
したくない社員。
こうした意識のギャップが
大きくなると、
会社が社員に「忘年会」の
参加を強制することは、
社員とのトラブルを招く
リスクになってきます。
実際に、
インターネットの投稿を見ますと、
忘年会への参加を強要されることは、
「パワハラ」に当たるのではないか、
といったものが見られます。
この点、
パワーハラスメントに
当たるかどうかは、
次の3つの要素で判断される、
とされています。
すなわち、
の3つです。
ですから、
社長が、
社員に強制的に会社の忘年会へ
参加させた場合には、
程度によっては、
この3つの要件に当てはまり、
「パワハラ」と認定される
可能性があります。
すなわち、
言うまでもなく、
会社の中で社長は社員より
「優越的」な立場にいます。
そして、
嫌がる社員を「忘年会」へ
強制的に参加させることは、
通常は業務上の必要性が
あるとは言えないでしょう。
さらに、
そうした「忘年会」への
参加強制が、
場合によっては、
その社員に精神的な
苦痛を与えることも
あり得ます。
そして、
社員を忘年会に強制的に
参加させることの、
会社にとってのもう
1つのリスクは、
「忘年会」の時間が
「労働時間」であるとされる
可能性があることです。
この点、
法的に「労働時間」
にあたるかどうかは、
「労働者の行為が、会社の指揮命令下に置かれたものと、客観的に評価できる時間」
かどうか、
で判断されます。
ですから、
たとえ飲み会の時間
であったとしても、
その飲み会に参加することを
会社から命じられていたり、
強制されていた場合には、
「労働時間」にあたる
ということになります。
そして、
特に命令や強制は
していないけれども、
社員からしてみると、
断りたくても断れない飲み会、
というのもあるものです。
このような事実上の
強制による場合も、
やはり「会社の指揮命令下に
置かれたもの」と評価されて、
「労働時間」であるとされる
可能性が高いでしょう。
もし飲み会の時間が
「労働時間」にあたると判断されて
しまうと、その時間の賃金(残業代)
の支払いが必要になってきます。
そして、万が一、
飲み会で事故などがあって、
社員さんが怪我をしたような場合は、
労働災害の問題にもなってきます。
実際に、
飲み会の最中の事故で労災が
認められた裁判例も存在します。
もしかしたら、
たかが「忘年会」でパワハラだとか、
「労働時間」だとか、
ふざけたことを言うな、
と思う方もおられるかも
知れませんね。
たしかに、
昔であれば、
あまりこうしたことは
問題になることは
ありませんでした。
本音を言えば、
私も、
飲み会が
「労働時間」になるかどうかなんて、
なんとも世知辛い世の中だなぁ〜
と思います。
しかし、
今の時代は、
会社の「飲み会」や「忘年会」に
対する捉え方は、
人によってさまざまです。
「忘年会」に参加するかどうか、
社員さんの自由な意思を尊重
しなければならないわけです。
ですから、
会社の「忘年会」を開催する際には、
社員さんからくれぐれも
「強制だった」と言われないように
することが大切です。
つまり、
断りたい人は自由に断れる雰囲気を
作ってあげることが必要だと
いうことですね。
そして、
やはり会社内での人間関係が
あまり良くなければ、
飲み会なんかあまり
行きたいと思わないでしょう。
逆に、
社長と社員の信頼関係が
しっかりしていて、
社内の人間関係が良い会社では、
むしろ社員さんも飲み会に
積極的に参加してくれるようです。
ですから、
「忘年会」への参加を
強制するとかではなくて、
社長としては、
社員が積極的に忘年会に
参加したがるような、
そんな会社作りを
めざしたいですね。
それでは、
また。
(一人忘年会をする男)
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今回は、労働基準法が、ランチタイムが混む原因を作っている??というテーマでお話ししています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。