「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

「建物古いから出ていって」→立退料もらわずに廃業したお店

不動産賃貸

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建物賃貸借では

借地借家法が適用され

借主は強く保護されています。

 

 

貸主から

「建物が古くなったから

出ていってほしい」

 

 

と言われる事例は多いですが

そのような要求は法律上

簡単には認められないのです。

 

 

 

<毎日更新1322日目>

貸主から言われたら仕方がない??

まだまだ

こういう事案があるのだなぁ

と考えさせられた話がありました。

 

 

Aさんは

都内で建物を借りて飲食店

(定食屋)を長年営んでいました。

 

 

Aさんのお店はその地域で

割と人気の店で

常連客も多かったそうです。

 

 

ところが

お店の建物の貸主から

うちも建物が古くなたったし、そろそろ取り壊したいから、出ていってほしいんです。

と言われました。

 

 

この建物でお店を営んでいる

Aさんとしては

そう言われても困ってしまいます。

 

 

いろいろと悩みましたが

貸主と揉めるのも嫌なので

 

 

言われるとおり出ていくこととし

なんとお店は廃業して

しまったというのです。

 

 

お店については

近くで物件を探そうとしても

皆高くて良い物件はないし

 

 

移転補償ももらっていないので

資金的に新しいお店を出す

余裕がなかったそうです。

 

え、貸主から立退料はもらっていないのですか?

私は思わず聞きましたが

そのようなお金はもらわずに出た

ということでした。

 

 

このように

貸主から言われたから仕方がない

 

 

貸主から言われたから

それに従わなければならない

 

 

と誤解している人は

今でも少なくないようですね。

 

 

 

借地借家法で借主は保護されているのに

このように

 

 

建物が古くなったので出て

いってほしいと借主に要求する

例は世の中結構あります。

 

 

この点

借地借家法という法律は

 

 

貸主である大家さんの側から

賃貸借契約を解除したり

契約の更新を拒絶する場合には

 

 

正当事由が必要とされています。

 

 

つまり

出ていって欲しければ

 

 

それなりの事情が必要だとして

借主を保護しているのです。

 

 

問題は

「建物が古い」という事情が

 

 

この貸主側の正当事由に

当たるかどうかという点ですが

そう簡単にはいきません。

 

 

確かに

建物が古いという事情は

 

 

貸主側の「正当事由」の1つの

要素にはなり得ます。

 

 

しかし

「古い」と言っても程度問題で

 

 

今の世の中

築50年とか60年程度の建物は

山のようにあるわけです。

 

 

ですから

単に「古い」という理由だけで

 

 

貸主の「正当事由」が

認められるわけではありません。

 

 

実際には

建物が相当程度老朽化し

 

 

あるいは築年数がかなり

経過しているような建物でも

 

 

借主の使用に支障が

ないようなケースでは

正当事由を否定し

 

 

貸主側の明渡請求を認めない

裁判例も少なくありません。

 

 

また

仮に老朽化を理由に明け渡しを

認める場合でも

 

 

貸主側に相当の立退料の

支払いを課している

裁判例も多いです。

 

 

 

 

 

弁護士としての「無力感」を実感するとき

 

このように

実際の裁判例では

 

 

古いからといって必ずしも貸主側の

「正当事由」が認められて

いるわけではありません。

 

 

ですから

貸主側から

 

 

「建物が古くて取り壊すので

出て行って」と言われたとしても

 

 

その主張が法律的に正しいか

どうかはそう簡単には判断できません。

 

 

ところが、

一度明渡に合意してしまうと

 

 

それはそれで新たな「合意」

として法律上の拘束力が

生じてしまいます。

 

 

そして

こうした法律的なロジックを借主が

知らないことを良いことに

 

 

古いからといって当然のように

出ていくことを借主に要求する

貸主や不動産業者がいることも事実です。

 

 

上記のAさんもまさにその例で

 

 

そのためせっかくのお店を

廃業せざるを得ないところにまで

追い込まれています。

 

 

私が弁護士として「無力感」

を感じてしまうのは

こんなお話を聞いたときなのですね。

 

 

もしAさんが

貸主から出ていってほしいと

 

 

言われた時点で弁護士に相談していれば

結論は大きく変わったはずです。

 

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少なくとも

私が代理人になれば

 

 

出ていくにしたって立退料を

きちんと支払って

もらうよう交渉します。

 

 

立退料として一定の

営業補償をもらえれば

 

 

Aさんだってお店を継続できた

可能性は高いはずです。

 

 

こうしたロジックは

法律家の間ではいわば常識ですが

 

 

まだまだ世の中の常識には

なっていないようですね。

 

 

もっともっと私を含めて弁護士が

世の中に情報を発信しなければいけないな

と強く感じたエピソードでした。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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