
他社からの転職者を採用したら
その社員が前の会社から持ち出した
顧客名簿を使って営業に。
その社員だけではなく
転職者を受け入れた会社も
「不正競争」で訴えられる
ことがあるんです。
今日はそんなお話し。
(今日の「棒人間」 口は災いのもの??
<毎日更新1381日目>
我が社の営業秘密を漏らされた!
え、なんのことです??
とぼけたってダメなんだ!
オタクの会社もグルなんだろ⁉︎
訴えてやる!!
そんなアホな!
昨日のブログでは
退職した社員に営業秘密を漏らさない
という秘密保持義務を課すことが
できるかどうか。
そのための対策などをお話ししました。
退職後の社員が
こうした有効な秘密保持義務に
違反した場合です。
それによって会社に損害が発生すれば
会社はその社員に対して損害賠償請求
ができることになります。
ただ
退職後の社員の秘密保持義務で
多く問題となるパターンは
転職先の会社が絡んで
いたりするケースです。
すなわち
社員が会社を退職し
ライバル会社に転職して
前の会社の営業秘密を
持ち込むような場合です。
この場合
営業秘密を漏らした
退職社員だけではなく
転職先の会社も訴えられて
損害賠償請求される
ということがあります。
どういうことかというと
たとえば
A社は
他社であるB社から
転職してきた社員を採用した。
その社員が
B社から不正に持ち出した顧客名簿を使って
A社で営業を行なったとします。
その場合
下手をすると
A社が不正競争防止法違反で
訴えられる可能性があります。
不正競争防止法では
不正の利益を図る目的や
損害を加える目的で
営業秘密を使用したり
開示したりする行為が
まず「不正競争」とされます。
上記の社員の行動が
まさにそうですね。
しかし
それだけではありません。
たとえばその社員が営業秘密について
不正競争行為が介在
していたことを知っていた
あるいは重過失で知らないで
営業秘密を利用した場合にも
同じく「不正競争」とされるのです。
上記の例で
その社員が前の会社であるB社との間で
秘密保持義務を結んでいながら
営業秘密を利用していることを
A社が知っていた。
あるいは
重大な過失によって知らなかった場合も
「不正競争」に当たることになります。
そして
不正競争防止法では
故意または過失によって
他人の営業上の利益を侵害した場合には
損害賠償の責任が生じると
規定されています。
ですから
安易に転職者が持ってきた営業秘密に
かかる情報などを利用してしまうと
思わぬトラブルに巻き込まれる
リスクがあります。
気をつけたいのは
転職者が持ち込んだ営業秘密を
故意に利用した場合だけではなく
「重過失」があった場合も
「不正競争」になり得るということです。
そこで
他社の営業秘密持ち込みトラブルを
予防するための対策が必要になってきます。
1つの方法としては
転職者を受け入れる際に
他社の営業秘密に関する「誓約書」を
書いてもらうという方法があります。
その誓約書の内容としては
以下のようなものがあげられます。
などなど。
こうした内容ほ誓約書をもらっておけば
少なくとも転職者を受け入れた会社に
「重過失」ありと判断されるリスクは
かなり軽減されると考えます。
営業秘密をめぐるトラブルは
最近多くなっています。
それは
社員と会社との間のトラブルだけではなく
他社とのトラブルになる可能性もあります。
転職者を受け入れる際に
知らず知らず他社の営業秘密の
侵害に加担してしまうリスクがある
ということは覚えておかれた方が
良いかと思います。
最後に
「営業秘密」に関するダジャレを1つ。
気をつけよう、営業秘密。
ペラペラしゃべると、会社がペラペラに・・・・
汗汗汗・・・・
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。