「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

普通借家から定期借家に切り替える場合の注意点、例外的に定期借家にできない場合

不動産賃貸

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普通借家契約の期限が来て、

更新のタイミングで、

定期借家契約に

切り替える場合が

あります。

 

 

しかし、

2000(平成12)年3月1日

よりも前に締結された

普通借家契約の場合は、

定期借家への切り替えが

できないので、

注意が必要です。

(今日の「棒人間」 定期借家への切り替えがダメな場合)

 

<毎日更新1042日目>

建物が古くなったので、定期借家に切り替えたい

先日、

不動産賃貸業を営む会社の

A社長からご相談を受けました。

 

 

この会社が貸している

賃貸マンションについての

ご相談です。

 

 

この賃貸マンションは

築40年くらいの建物で、

古くなってきたので

建て替えたいと思っている

そうです。

 

 

そこで、

今部屋を借りている

借主との間の

賃貸借契約について、

 

 

次の更新の際には、

期間を2年とする

定期借家契約に

切り替えたい、

と考えているとの

ことです。

 

 

ここで、

建物の賃貸借には、

普通借家契約と、

定期借家契約の

2種類があります。

 

 

いずれも「借地借家法」

という法律が適用

されるのですが、

普通借家契約の場合は、

この「借地借家法」によって、

借主が手厚く保護

されています。

 

 

借主が手厚く保護されている、

ということは、

貸主にとってはかなり

厳しい規制がかかる、

ということでもあります。

 

 

具体的には、

賃貸借契約の解約や、

更新の拒絶といった

場面です。

 

 

普通借家の場合、

貸主の側から契約の解除や

更新拒絶を行うためには、

かなり高いハードルが

あります。

 

 

ですから、

普通借家の場合は、

例えば契約期間が

2年とか決められていても、

普通は更新になりますので、

かなり長いこと貸す覚悟を

しなければならない。

 

 

契約期間が満了

するからといって、

貸主からは簡単には

更新の拒絶はできない、

ということになって

いるのです。

 

 

ただ、そうすると、

一度自分が所有する

建物を他人に貸すと、

なかなか返して

もらえない、

ということに

なってしまいます。

 

 

そうすると、

せっかく物件を

持っていても、

他人に貸すことを

躊躇する人が

出てきてしまいます。

 

 

そうなってしまうと、

借り手も困ってしまうし、

経済も回らなく

なってしまいます。

 

 

そこで、

2000(平成12)年に

借地借家法が改正され、

「定期借家」という制度が

できました。

 

 

この「定期借家」であれば、

基本的に契約の更新がなく、

貸主としては、

契約期限が来たら、

物件を借主から

返してもらえる、

という制度です。

 

 

例外的に定期借家に切り替えられない場合

ただ、

定期借家契約が有効に

成立するためには、

借地借家法に定められた

要件があります。

 

 

具体的には、

・契約書など書面で契約をすること
・貸主が借主に対して、契約の際に、契約の更新がなくて、期間の満了によって終了することを説明すること
・契約期間が定められていること
・契約の内容として、「契約の更新がないこと」が定められていること

といったことが必要です。

 

 

そんなわけで、

冒頭のご相談事例ですが、

建物が古くて近い

将来建て替えたい、

という場合、

 

 

借主との次の

契約更新のタイミングで、

普通借家から定期借家

に切り替えたい、

という考えはわかります。

 

 

あくまでその際の

借主側の承諾が必要

となりますが、

 

 

借主の合意さえあれば、

更新のタイミングで普通借家

から定期借家に切り替える

ことができます。

 

 

ただし、

一点だけ要注意事項

があります。

 

 

それは、

もし2000(平成12)年3月1日の、

上記の改正された借地借家法が

施行される前に締結された

普通借家契約の場合です。

 

 

この場合は、

借主の合意があっても、

定期借家契約への

切り替えができない、

とされているのです。

 

 

 

貸し始めたのはいつか?に要注意!

そんなわけで、

建物が古くなったので、

将来の建て替えのために、

借主の同意を得て

定期借家契約に切り替える。

 

 

しかし、

その時点での借主との間の

契約を始めた時期は

いつなのか?

 

 

これを確認することが

重要です。

 

 

万が一、

同じ借主が非常に

長〜くその物件を借りていて、

2000(平成12)年3月1日

よりも前に普通借家の契約を

結んでいたらどうなるか?

 

 

その場合、

(貸主の立場からは)

非常に残念ながら、

借主の同意があっても、

定期借家への切り替えは

できない、

ということになります。

 

 

ですから、

そうしたケースでは、

借主に個別に事情を説明し、

古いから将来取り壊すので、

契約更新のタイミングで

退去してほしい、

とお願いするしか

ありません。

 

 

今ではだいぶレアーケース

にはなりつつありますが、

時たま古い物件などでは、

この2000(平成12)年3月1日

よりも前から普通借家契約が

続いていることがありますので、

注意が必要です。

 

 

普通借家から定期借家

に切り替えたいと考えて

いる場合には、

その普通借家契約が

いつから始まったのか、

この点は要注意かと思います。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

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「完走しました!親子マラソン」

今回はゆる〜く、ビールも飲みつつ。。。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、小1の息子と一緒に、中野区の中野四季の森公園で開催された、親子マラソンに出場。
1.5キロのコースでしたが、途中で歩くことなく完走。終わった後は、私はビール、息子はコーラで祝杯をあげました。
ちゃっかり上記のYouTube撮影も。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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