
一向になくならない下請法違反の事例。
そもそも「下請け」という言葉が
「下請けいじめ」を助長するとして
法律の名称から「下請け」という用語を
削除する法改正の動きがあります。
(今日の「棒人間」 名前を変える?)
<毎日更新1402日目>
また下請法の違反か〜
「下請け」という言葉が良くないのでは?
なるほど、じゃ、法律の名前を変えようか!
家電量販店で有名なビッグカメラ。
ここのPB商品の制作を委託している
下請会社に対する支払代金を
不当に減額したということで
「下請法」違反に問われています。
報道によれば
ビッグカメラは
下請業者に対して
「販売支援金」など11項目にわたる
リベートとして減額していたとのこと。
具体的には
2020年頃からビッグカメラの
PB商品を販売を開始して
リベートの減額は
この時期以降続いていたそうです。
そして
2023年7月から2024年8月までの期間で
冷蔵庫や洗濯機など合計560商品の
製造を委託した業者から
合計約5億5746万円を
減額したとされています。
下請法という法律では、
合理的理由のない値引きや
発注時に定めた代金額を
元請けや親事業者が
減額すること禁止しています。
禁止してはいるのですが
やはり元請け・親事業者によるこうした
下請法違反の事例はあとを断ちません。
下請法というのは
簡単に言えば
こうした元請けや親事業者による
代金減額や返品
原材料が上がっているのに値上げに
応じない買いたたきなどといった
いわゆる「下請けいじめ」を防止し
取引の適性をはかる目的の法律です。
そもそも
本来は
「契約自由の原則」というものがあり
契約内容は当事者で自由に決めてよい
という大原則があります。
ですから
発注後の代金減額なども
あくまで当事者の
合意(契約)があれば
合法なはずです。
ところが
実際には
会社には
規模の大小などで力の優劣関係が
存在するのが現実です。
そうなると
下請け業社などは
理不尽な要求であっても
元請けや親事業者から要求されると
事実上従わざるを得ない立場にあります。
そこで
下請法は
この契約自由の原則を修正し
下請け事業者を保護するために
作られた法律なのです。
ところが
こうした規制がありながらも
下請法違反の事例は上記のように
あとを断ちません。
その原因の1つとして
そもそも「下請け」という言葉自体が
よろしくないのではないか
そんな議論があります。
「下請け」という言葉には
「見下されているイメージがある」とか
そもそも元請けと下請けという言葉自体が
上下関係や優劣関係をあらわしている
といった意見があります。
そこで
やはり「対等」な取引をめざすため
下請法という法律の名称を変更し
「下請け」という用語を法律名から
削除するという法改正がなされる
ことになりました。
現行の下請法の正式名称は
「下請代金支払遅延等防止法」
というもの。
改正案では
「下請け」という用語を削除し
いう名称に法律名を
変更するようです。
そんな
たかだか法律の名称を変えたくらいで
違反が減るのかしら?
そんな疑問も聞こえてきそうです。
ただ
「名は体をあらわす」という
ことわざもあります。
言葉って
意外に重要なんですね。
取引当事者が「下請け」という言葉を
当たり前のように毎日使っていると
なんとなく「上下」という優劣関係が
当たり前になってしまう。
使う言葉によって
人々の意識が変わる
ということは十分にあり得る話です。
青臭い話かも知れませんが
今回の下請法の名称変更が
世の中の「下請けいじめ」現象を
なくす一助になればなぁ
と願わずにはおれません。
なお
冒頭のビッグカメラですが
公正取引委員会より下請法違反の勧告を受け
減額した分はすでに支払ったそうです。
ビッグカメラは
とコメントしているそうです。
さて
今日のダジャレを1つ。
ビッグカメラで下請法違反、それはビッグな問題!
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。