「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【社員の副業を制限したい】どんな場合に許されるか?

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副業を行うことは社員の自由なのか?

 

 

逆に、会社が社員の副業を制限できるとして、それ

はどんな場合なのか?

 

 

今日はその辺のお話をしたいと思います(^ ^)

 

 

 

(これも副業??)

 

<毎日更新577日目>

副業は社員の自由?

今の時代、空前の副業ブームと言いますか、「副業

で稼ごう!」みたいなサイトも多く見られます。

 

 

働き方改革の一環として、政府が社員の副業を勧め

ています。

 

 

ただ、会社の立場からすると、社員の副業について

はいろいろと心配な面があります。

 

 

副業というのは、通常は会社の業務の時間以外の時

間、つまり休日とか、勤務日でも仕事が終わってか

らの自由時間に行われるものです。

 

 

とは言え、社員の休息時間や自由時間の過ごし方と

いうものが、その社員の業務のパフォーマンスにも

影響し、それが会社全体の業績にも影響してきます。

 

 

ですから、会社としては、当然に社員の自由な時間

についても、ある程度の関心を持たざるを得なくな

ります。

 

 

さらに、たとえば社員が会社の業務と同じ仕事を副

業として行うという場合には、一種の競業取引と言

って、会社の利益が害される可能性があります。

 

 

社員が、会社の業務の中で培った知識、経験、人脈

などを使って、会社と同じ業務を副業として行って

利益を得る。

 

 

そのようなことになれば、それは会社の利益が害さ

れるでしょう。

 

 

そこで、こうした支障などがある場合は、会社とし

ては社員の副業を禁止したい、という考えが出てき

ます。

 

 

しかし、基本的に社員の勤務時間以外の時間は自由

時間であって、原則としてその時間をどう過ごすか

は社員の自由です。

 

 

ですから、会社の就業規則などで、社員の副業を一

切禁止することはできない、とされています。

 

 

 

社員の副業はどこまで制限できるのか?

しかし、それでは、副業をまったく社員の自由とし

てしまうと、上記のようなさまざまな弊害が発生す

る可能性もあります。

 

 

そこで、裁判例では、社員の副業については、会社

の許可制とすることは許される、としています。

 

 

ただ、会社の許可制とは言っても、何らの弊害がな

いにも関わらず、会社が副業を許可しない、という

こともあり得ます。

 

 

この点、あくまでその副業が会社での労務提供に与

える支障や、企業秩序に与える影響などを考慮して、

会社が許可するかどうかを決定すべき、とされてい

ます。

 

 

具体的には、会社が社員の副業を制限することが許

されるのは、

①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏れる場合
③競業によって会社の利益が害される場合
④会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合 

に限られる、とされています。

 

 

逆に、このような事由がある場合には、会社が副業

を許可しない、つまり制限することも許される、と

いうことになります。

 

 

ただ、この基準だけでは、具体的にどんな種類の副

業が、どんな場合に許可されるのか、基準が明確で

はありません。

 

 

許される副業と、そうでない場合との基準が不明確

なままだと、社員との間でトラブルとなる可能性が

あります。

 

 

私の弁護士としての使命は、中小零細企業のトラブルを

 「裁判しないで解決」すること

 

「裁判沙汰」を避けるためには、まず許される副業

の種類や基準などをあらかじめきちんと就業規則で

定めておくことです。

 

 

また、上記の③の会社と競業取引に当たる副業につ

いては、別途就業規則で禁止する規定を設けたり、

社員に誓約書を書いてもらうなどの方法も検討すべ

きです。

 

 

労働契約法の3条4項では、

 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない

と規定しています。

 

 

そして、ここでいう信義誠実の原則の付随義務とし

て、社員は会社の利益に反する競業取引を差し控え

る義務があると考えられます。

 

 

こうしたことを明確にしておき、余計なトラブルを

予防するためにも、就業規則や労働契約書、誓約書

といった書面をきちんと整備しておくことが重要で

すね!

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、
今日のポイントは

 

 副業が許される場合とそうでない場合を、あらかじめきちんと定めておくことが重要!

ということです。

 

 

社員の副業は、会社にとっても、社員が社内では得

られない経験やスキルを取得して,その能力をアッ

プする機会になり,結果的には会社の競争力を向上

することができるメリットがあると言われています。

 

 

ですから、社員とのトラブルを予防して、社員の副

業のメリットを活かすためにも、社内のルール化や

基準をきちんと定めておきたいものですね。

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、会社が社員を新たに雇用する場合に、身元保証人をつける場合がありますが、この身元保証契約の注意点というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は久しぶりに朝6キロのランニング。
昨日も1日事務所に出勤でした。
午前中に1件、夕方に1件お客様との打ち合わせがあり、その合間にいろいろとタスクをこなしました。
今日から三重(四日市)に出張です。

 

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裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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