
社員が他社の営業秘密を持ち出したりすると
不正競争防止法違反で罰則を
科される恐れがあります。
それだけではなく
同法では
その社員を雇っている会社にまで
罰則が科される場合があります。
(今日の「棒人間」 秘密を持ち出す??)
<毎日更新1536日目>
A社の内部情報持ってきましたで〜。
オヌシも悪よの〜
この情報でバンバン営業かけましょう〜
日本生命から三菱UFJ銀行
に出向していた社員が
「社外秘」の情報と認識しながら
同行の内部資料を持ち出し。
その資料は
なんと日本生命の社内で共有され
保険の営業活動に
使用されていたそうです。
日本生命は
不正競争防止法が禁じる「営業秘密の侵奪」
にあたる恐れがあるとして
謝罪したとの報道がありました。
日本生命の出向社員、三菱UFJ銀行の情報持ち出し 営業部門に共有
この内部資料には
銀行の行員が保険商品を販売した際の評価や
他の生命保険会社の商品改定に関する
内容が記載されていたそうです。
この資料を持ち出した社員は
などと話しているそうです。
この点
不正競争防止法というのは
企業間の公正な競争を守り
営業上の利益を不当に侵害する
行為を防止するための法律です。
そして
この不正競争防止法では
不正な手段で営業秘密を取得する行為や
その取得した営業秘密を
使用する行為を禁止しています。
ただ
あらゆる秘密がこの不正競争防止法
によって保護されるわけではありません。
この不正競争防止法による
保護を受けるためには
この法律で規定された
「営業秘密」にあたる必要があります。
そして
「営業秘密」と言えるためには
① 秘密として管理されていること(秘密管理性)
② 事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること(有用性)
③ 公然と知られていないものであること(非公知性)
の3つの要件を満たす必要があります。
このうち
割とよく問題となるのは
①の秘密管理性の要件です。
要するに
秘密とされる情報等が
社内でどのように管理されて
いたかということです。
社内の誰でもアクセスや持ち出しが
容易な状態で管理されていれば
この「秘密管理性」の要件を満たさず
「営業秘密」とは言えないことになります。
この点
上記の三菱UFJ銀行の内部資料は
「社外秘」とされている情報
であったということですから
この「秘密管理性」の要件は
クリアーしているものと考えられます。
なお
気をつけなければならないのは
不正競争防止法に違反した場合は
結構重い罰則が規定されている
ということです。
すなわち
不正な利益を得る目的などで
管理侵害を伴う形で営業秘密を取得したり
その営業秘密を使用したりした場合です。
この場合
行為者には
が規定されています。
それだけではなく
法人の従業員などが上記の
違反行為をした場合には
行為者だけではなく
その法人に対して
が規定されています。
つまり
違反した行為者のみならず
その行為者を雇っていた
会社にまで罰則が科されるのです。
このような規定を
専門的に「両罰規定(りょうばつきてい)」
と言います。
このように
安易に他社の営業秘密を持ち出したりすると
会社まで含めてかなりの大事になる
可能性がありますので
注意が必要です。
それでは
今日のダジャレを1つ。
他社の「社外秘」で営業?両罰規定でダブルパンチに!
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。