「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

社員がSNSで個人情報を漏洩、会社の責任はどうなる?

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

社員が個人のSNSのアカウントで

会社の顧客の個人情報を漏洩して炎上。

 

 

こうした場合

会社にどのような法的責任が

発生するのでしょうか?

 

 

(今日の「棒人間」 ヤバい、炎上しちゃった??)

 

<毎日更新1570日目>

ある介護職員のつぶやきで大炎上

 

介護事業を運営するA社のある社員Cが

自身の個人のSNSに行った投稿が原因で

いわゆる「炎上」騒ぎが起きました。

 

 

Cは

自身のSNSで

A社の利用者Xさんを名指しで

 

 Xさんはうるさい

今日もXさん、入浴拒否して大騒ぎ(笑)

などとつぶやいてしまった。

 

 

この投稿に対して

介護職員にあるまじき発言

 

 

個人情報の漏洩にもあたる

ということで批判が殺到。

 

 

いわゆる「炎上」状態

となってしまいました。

 

 

さらに

Xさんの家族からA社に対して

猛烈なクレームが入ります。

 

 

A社としても

いわば寝耳に水で

 

 

毎日このCのSNS投稿の

問題処理に追われています。

 

 

この点

個人情報保護法では

 

 

「生存する個人に関する情報で

特定の個人を識別できるもの」を

個人情報であると定義しています。

 

 

そして

A社の利用者であるXさんの氏名が

「個人情報」に該当することは間違いありません。

 

 

さらに

個人情報保護法では

 

 

個人情報は

適正な取り扱いが図られなければ

ならないとされています。

 

 

そこで

Cは個人として

 

 

Xさんに対する不法行為責任を

負うことになります。

 

 

具体的には

Xさんに対して損害賠償の

責任が生じることなります。

 

 

 

 

 

 

会社の責任はどうなる?

ただし

この問題が難しいのは

 

 

単にSNSで利用者の個人情報を

漏洩した社員Cだけの責任ではなく

 

 

雇い主であるA社にも法的責任が

生じる可能性があることです。

 

 

すなわち

職員であるCの投稿が

A社の業務に関連して行われていたり

 

 

投稿が業務時間中に業務用端末で

行われていた場合などには

 

 

A社自身も使用者責任を負う

可能性が出てきます。

 

 

「使用者責任」とは

簡単に言えば

社員が業務中に第三者に損害を与えた場合

 

 

その雇い主である会社が代わりに

賠償責任を負うことであり

民法に規定があります。

 

 

それだけでなく

個人情報保護法では

 

 

たとえば会社が社員に

個人情報を取り扱わせる際に

 

 

その個人情報の安全管理が図られるよう

その社員に対する必要かつ適切な監督を

行わなければならないとされています。

 

 

ですから

CのSNS投稿による炎上騒ぎにより

 

 

A社自身が監督義務違反の責任に

問われるおそれが出てきます。

 

 

そうなると

社員に対する個人情報の漏洩防止措置を

講じていなかったとして

 

 

行政指導や命令の対象になる

可能性もあります。

 

 

さらに

個人情報の漏洩が重大であった場合には

 

 

A社は介護施設としての指定取消処分を

受けてしまう可能性もあります。

 

 

「指定取消」とは

介護保険制度において

都道府県や市町村が事業者に与えた

 

 

「指定介護サービス事業者

としての資格(=指定)」を取り消す

処分のことを意味します。

 

 

そうなると

A社としては

 

 

介護保険サービスとしての

業務ができなくなり

 

 

事業停止・事業廃止に直結する

重大な問題となってしまいます。

 

 

このように

単なる社員の個人の

SNSアカウントでのつぶやきが

 

 

場合によっては会社の存亡の危機に

関わる重大事になる可能性もあるのです。

 

 

 

 

 

 

こうしたトラブルにどう対応したらよいか?

 

こうした問題が発生してしまった場合

A社としては

 

 

まずCのSNSの投稿自体を

確認する必要があります。

 

 

そして

もし投稿がまだ残っているのであれば

 

 

証拠を保全した上で速やかに削除

することをCに指示すべきでしょう。

 

 

その上で

被害者であるXさん本人やご家族に対し

 

 

会社として正式にきちんと

事実関係を報告し

謝罪を行うべきと考えます。

 

 

さらに

一定の重大な個人情報の

漏洩があった場合には

 

 

個人情報保護委員会への報告が

義務づけられる場合も出てきます。

 

 

なお

当のSNSの投稿を行った

Cはどうなるのでしょうか?

 

 

A社としては

これだけの不祥事を起こしたCに対し

 

 

懲戒処分

特に懲戒解雇を行うことが

できるでしょうか?

 

 

この辺は

長くなりましたので

また明日お話しします。

 

 

 

 

 

 

サービスメニュー

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

◼️新作note(有料記事)「ファン付き作業着は義務?」知らなきゃ大損!夏の熱中症対策、会社がすべきこと

 

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️あなたのお悩み解決・法律相談/なんでも相談サービス

 

◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)

 

◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス

 

◾️弁護士による通知書(内容証明)作成・発送サービス

 

◾️メールによる法律相談サービスについて

 

◾️無料メルマガ「裁判しない生き方」

 

◾️【無料】セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

◾️あなたの声をお聞かせください

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「「下請法」から「中小受託法」へ〜下請法改正の内容と対策」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会の経営者モーニングセミナーに参加。その後は自宅に戻り、午前中は「弁護士×コーチングの可能性を広げる会」という勉強会にオンライン参加。午後も引き続き自宅で仕事。顧問先のお客様から依頼された書面作成等を中心に。夕方は息子の習い事の送迎でした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー