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渋谷の弁護士吉田悌一郎

AIの「引用」が信用毀損に?間違った引用と不正競争防止法違反のリスク

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日本の新聞社が生成AI企業Perplexityを

提訴したという報道がありました。

 

 

著作権侵害だけでなく

不正確な引用は「信用毀損行為」として

 

 

不正競争防止法違反となる

おそれもありますので

注意が必要です。

 

 

 

 

<毎日更新1577日目>

日本の新聞社が「Perplexity」を提訴?

 

昨日のブログでは、

朝日新聞社と日経新聞社が

アメリカ生成AI業者に対し

 

 

著作権侵害行為の差止めと

損害賠償を求める裁判を起こした

という話を書きました。

 

【AIと著作権法違反】日本の新聞社がアメリカの生成AI事業者を訴える

 

 

アメリカの生成AI事業者である

「Perplexity」が

 

 

インターネット上に公開されている

新聞記事を無断で使用したということで

提訴に至ったそうです。

 

 

すなわち

新聞記事も著作権法上の

「著作物」にあたります。

 

 

そこで

新聞記事を勝手にインターネット上で

公開することは

 

 

著作権者の公衆送信権という重要な

著作権の侵害にあたる行為です。

 

 

ただ

この事件では著作権侵害以外にも

もう1つ論点があります。

 

 

それは

Perplexity社の行為が

信用毀損行為にあたり

 

 

不正競争防止法に違反するのでは

ないかという問題です。

 

 

 

 

不正競争防止法の信用毀損行為とは?

不正競争防止法では

競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為

を「不正競争」として禁止しています。

 

 

 

これはいわゆる「信用毀損行為」

と言われるものです。

 

 

まず

生成AI業者であるPerplexity社は

 

 

新聞社が提供する情報と同じ

市場で事業を行っており

「競争関係」にあると言えるでしょう。

 

 

そして

今回新聞社側は

Perplexity社のサービスでは

 

 

新聞社を引用元として表示しながら

誤った内容を回答していると

主張しています。

 

 

これが

新聞社の「営業上の信用を害する虚偽の事実」

にあたるというわけです。

 

 

実際に

Perplexityにおいて

日本経済新聞の報道を基に以下の情報をお伝えします

朝日歌壇選者による2025年新春詠

などとしつつ

人物の名前や経歴、年齢、詠んだ歌が

誤った内容になっていたそうです。

 

 

朝日、日経も米国の生成AI事業者を東京地裁に提訴 記事無断使用訴え 読売に続き

 

 

 

 

 

 

 

間違った「引用」に注意

もし

「信用毀損行為」にあたるとして

不正競争防止法違反とされると

 

 

その行為の差止めや損害賠償を

請求されるおそれがあります。

 

 

この点

注意しなければならないのは

著作権法上の「引用」との関係です。

 

 

すなわち

著作権法において

 

 

公表された著作物は

引用して利用することができる

と規定されています。

 

 

たとえば

自社のサイトにおいて

 

 

競合他社のある商品の

レビューなどを引用する場合です。

 

 

この場合

引用の目的が正当であること

 

 

引用部分と自己の著作物とが

明確に区別できること

主従関係が明確であること

 

 

そして出所の明示(作者名や出典など)

があれば

適法な「引用」であるとされます。

 

 

ところが

著作権法上適法な引用であったとしても

 

 

上記の不正競争防止法との関係で

「信用毀損行為」にあたってしまうことは

十分に考えられます。

 

 

たとえば

上記の商品レビューの引用の例です。

 

 

ここで

その商品レビューが競合他社商品について

一部のユーザーから、部品の耐久性に関する不満の声が上がっている

と述べられていたとしましょう。

 

 

これを引用する側が

あたかも商品全体が欠陥品

であるかのように見せるために

 

 

この一文だけを抜き出して

過大に「引用」したとします。

 

 

この場合

元のレビュー記事の事実を捻じ曲げ

 

 

全体として「虚偽の事実」を

伝えているとみなされ

信用毀損行為に該当する可能性があるのです。

 

 

ここまで極端な例でなくとも

ネット上で他社のコンテンツなどを「引用」

することは割とあり得ることでしょう。

 

 

その際

やり方を間違えると

 

 

上記の不正競争防止法上の「信用毀損行為」

となってしまう可能性がありますので

注意が必要です。

 

 

それにしても

今回はこの裁判の行方が

気になるところ。

 

 

今後も生成AIに関するトラブルや

「裁判沙汰」が増えると予想されますが

 

 

裁判所の判断は一定の方向性を

示すものではあります。

 

 

引き続き

その動向に注意して

行きたいものです。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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今回は、「工期遅延の責任は誰に?債務不履行と過失相殺の関係」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

旅行から復帰後第1日目。
午前中は自宅で仕事。オンライン会議への出席など。
お昼は地元のCoCo壱で季節限定メニューのグリーンスパイスカレーを。CoCo壱は昔創業者の宗次德二さんの講演を聞いてファンになり、ときどき食べにくるようになりました。
午後は所用で各所を移動、その後事務所で少し仕事。
夕方自宅に戻ると、なんと夕飯もカレーでした(笑)
まぁ、自分はカレーが好きなので、連続してもなんの問題もありません。
そういえば、昔独身時代は大鍋にカレー作って、何日もそれでもたせていたことを思い出しました^ ^
夜は自宅でオンライン会議でした。

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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