
三重県が
全国で初めて罰則付きのカスハラ
防止条例を制定する方針とのこと。
カスハラ被害が広がっていますが
会社としてもカスハラ防止の対策を
とることが義務づけられています。
(今日の「棒人間」 カスハラに罰金??)
<毎日更新1619日目>
三重県が
罰則付きの「カスハラ」防止条例を制定
する方針であるとの報道がありました。
悪質カスハラ罰則で防止、三重県が条例制定へ 成立すれば全国初
三重県の方針では
悪質なカスハラのケースを
「特定カスハラ」とし
知事の禁止命令に従わない場合
罰金を科すというものです。
この「特定カスハラ」に該当するのは
正当な理由なく
大声で繰り返し謝罪や面会
利益供与などを求める行為とのこと。
ちなみに
罰金の額はまだ検討中とのことです。
自治体のカスハラ条例は
これまで北海道、群馬県、東京都
などで施行されていますが
いずれも罰則のないものでした。
今回の三重県の条例が成立すれば
全国で初めて罰則付きのカスハラ
防止条例ができることになります。
ちなみに
三重県の桑名市では
昨年
悪質なカスハラ事案に対し
氏名を公表するという条例を制定し
話題になっていました。
法的な意味でのカスタマーハラスメント
(カスハラ)とは
の3つの要素を満たす
ものとされています。
簡単に言えば
顧客等から不当な嫌がらせ行為を受けて
働く社員の環境が害されることを意味します。
もともとは
コロナ禍で社会的な不安や人々の
ストレスの高まりが1つのきっかけ
と言われています。
ただ
「カスハラ被害」が多いのは
我が国特有の「お客様は神様です」
という意識もかなり影響していると
言われます。
「お客様=お金をくれる人=神様」
という図式が出来上がり
金を払っているのだから何をしても良い。
逆に
お金をいただいているお客様だから
理不尽なことをされても
我慢しなければならない。
こんな歪んだ価値観が
背景にあるように思います。
もともとカスハラ被害は
小売業や飲食・娯楽
生活サービス業などに多く
消費者に身近な業種で
多く発生していました。
ただ
最近では私の感触としても
こうした業界に止まらず
建設業界や介護業界
教育業界などにも発生していて
カスハラ被害が業種を問わず
広がっているように感じます。
今回の三重県のような
罰則付きの条例が成立すれば
こうしたカスハラ被害の広まりに対し
一定のインパクトはあるものと
思われます。
ところで
それはそれとして
会社自体にもカスハラ対策を行う
ことが法的に義務化されている
ことを忘れてはなりません。
すなわち
「労働施策総合推進法」
という法律が改正され
カスハラから社員を保護する
ための対策を講じることが
すべての企業・事業者に義務化されました。
具体的には
以下のようなカスハラ対策を行う
ことが企業の義務とされています。
・相談窓口の設置と周知
・カスハラの定義と具体例の明確化
・事前にカスハラ対応方針を明確化して周知
・カスハラへの対応マニュアルの作成と周知
・研修の実施
・被害者の安全確保と精神面の配慮
このように
行わなければならない対策が
それなりに多岐にわたっています。
こうした法改正の背景には
社員が理不尽な言動にさらされる
ことによる精神的ストレス
健康被害
離職といった深刻な問題が
あると言われています。
もし会社がこうした対策を取らず
自社のカスハラ被害を
放置していた場合は
どうなるのでしょうか?
社員がカスハラ被害を受けて
たとえばメンタル疾患に
なったような場合には
会社はこの社員に対し
安全配慮義務違反の法的責任を
負う可能性があります。
これを機に
自社のカスハラ防止対策が
なされているかどうか
確認してみることをお勧めします。
また
もし不安がある場合には
弁護士に相談することも
検討した方が良いでしょうね。
いずれにしても
「お客様は神様です」の
歪んだ価値観に縛られ
カスハラの被害が拡大することは
防がなければなりませんね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。