三菱ふそうが下請法違反で
公正取引委員会から勧告。
金型の無償保管や代金の長期未払いなど
下請けへの不当な扱いが問題に
なっています。
来年には法改正で適用対象も広がるため
中小企業としても他人事では
済まない状況です。

(今日の「棒人間」 他人ごと??)
<毎日更新1662日目>
公正取引委員会が
商用自動車大手の三菱ふそうトラック・バス
の下請法違反を認定し
再発防止の勧告を行なったとの
報道がありました。
公取委が自動車業界に下請法順守を要請 三菱ふそうに金型保管で勧告
報道によると
同社では昨年3月以降
下請け企業61社に貸与している
金型など計5694個を
長期間使用する見込みがないのに
無償で保管させたとのことです。
さらに
現状確認のための
棚卸し作業もさせたとか。
また
同社では
下請け6社に対して
納品されてから60日以内に代金を支払わず
約3579万円の遅延利息が
生じたとのことです。
下請け企業というのは
元請けや親事業者から仕事を
受注する立場です。
つまり
元請けや親事業者は下請け企業
に対して優位な立場にあります。
この元請けや親事業者が
優位な立場を利用して
下請けに対して理不尽な要求を
行うことがあります。
こうした元請けや親事業者が
優位な立場を利用して
下請けに対して不当な行為を
行うことを防止するために
下請法という法律があります。
そして
この下請法では
元請会社や親事業者が
下請会社に対して
自社のために金銭やサービスその他の
「経済上の利益」を不当に提供させることを
禁止しています。
この点
保管料を支払わずに下請業者に
金型を保管させていたということになれば
やはりこの「経済上の利益」
を提供させたことになります。
元請けや親事業者は
下請けから物品等を受け取った日から
60日以内で定められる支払期日までに
代金を支払うことが
法律上義務付けられています。
支払い期日が不当に長く設定されると
それだけ立場の弱い下請け業者が
経済的苦境に立たされることになるからです。
下請法違反が発覚した場合には
公正取引委員会が
違反企業に対して違反行為をやめ
再発防止を勧告することができます。
さらに
公正取引委員会は
必要があると認めた場合には
元請けや親事業者に対して報告を
求めたり
事業所への立入検査
なども行えることに
なっています。
そして
その際に元請けや親事業者が
虚偽の報告をしたり
検査を拒んだりした場合には
という罰則も
定められています。
ちなみに
公正取引委員会では
毎年違反事業者の
しています。
こうしたことから
下請法に違反して
ペナルティーを課されると
それなりにダメージが大きいと
思われます。
さらに
この下請法は改正され
来年2026年1月より改正法が
施行される予定です。
ちなみに
改正法は法律の名前が
と変更になります。
この法改正で1つ注意すべき点は
この法律の適用対象が広がる
ということです。
具体的には
現行の下請法では
資本金の額などを基準にその
適用範囲が定められています。
一例を挙げれば
資本金3億円を超える法人が
資本金3億円以下の法人に製造委託
などを行う場合が適用対象とされています。
ただ
こうしたケースで
意図的に資本金を3億円以下に
設定するなどして
下請法の適用を意図的に
逃れるケースがありました。
会社法が改正されて
以前よりも資本金の減少の手続きを
やりやすくなったことも影響しています。
そこで
改正法では
新たに資本金の基準に加えて
従業員数を基準とした
適用基準を追加しました。
具体的には
「製造委託」などの場合は
社員300人超の会社が
社員300人以下の会社に
発注する場合にも適用されます。
また
「情報成果物作成委託」などの場合
社員100人超の会社が
社員100人以下の会社に
発注する場合にも適用されます。
このように
下請法に違反した場合は
様々なリスクがあります。
その上
法改正によって従来よりも適用対象が
広がることが予定されています。
自社の運用において
下請法違反がないかどうか
確認が必要ですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。