「業務委託契約を結んでいるから
労働基準法は関係ない」
そう思っている経営者の方は
少なくありません。
しかし実は
契約書の名前にかかわらず
働き方の実態次第で「雇用」と
判断されるケースがあります。

(今日の「棒人間」 その働き方はどっち??)
<毎日更新1716日目>
目次
社員を雇用する代わりに
「業務委託契約」を用いるということが
よく行われています。
雇用契約の場合は
労働基準法が適用されますので
解雇は簡単ではないですし
労働時間や残業の規制もあります。
さらに
社会保険料を負担する
義務も生じます。
この点
「業務委託契約」は
そのような規制があまりないので
経営者にとっては
ある意味魅力的な契約と
映るかも知れません。
ところが
「雇用契約」か「業務委託契約」かは
形式的な契約の名前で
判断されるわけではなく
あくまで働き方の実態を見て
判断されます。
具体的には
働く人が
会社などの使用者に対して「従属」しているか否か
というのがポイントになってきます。
ですから
場合によっては
「業務委託契約」を
結んでいたつもりでも
実態は「雇用契約」であると
判断されてしまう場合があります。
昨日のブログでは
その辺のことを取り上げました。
「労基署」から突然の調査通知 「業務委託だから安心」が危ない理由
それでは
実際に「業務委託」と「雇用」は
どうやって判断されるのか
その具体的な判断基準について
今日はお話ししたいと思います。
具体的には
以下の要素によって
判断されます。
これは
仕事を頼まれて、
断る自由があるかどうかということです。
「業務委託契約」ならば、
あくまで当事者は対等なので、
断れるはずです。
しかし
「雇用契約」となると
社員は使用者の業務命令に従う
義務がありますので
断る自由は原則としてありません。
つまり
仕事の依頼に対する諾否の自由がないと
「雇用契約」と認定されやすく
なってしまいます。
これが強いと
やはり「雇用契約」になりやすくなります。
例えば
働く場所(現場)を指示されていて
しかも
働く時間も午前9時から午後5時まで
と決まっていて、働く側がその辺を
自由に決められないような場合ですね。
逆に
その辺がある程度働く側に
裁量があるような場合は
「業務委託契約」になりやすく
なるでしょう。
たとえば
頼まれた仕事が終わったら
早く帰れるとか
空いた日に別の仕事を
入れることができる
などですね。
「雇用契約」の場合は
あくまで使用者の指揮監督のもとに
「労務」を提供しますので
細かい業務命令や指揮監督を
受けることになります。
しかし
「業務委託契約」であれば
「仕事を完成させる」までのプロセスは
ある程度働く人に自由裁量があります。
ですから
「業務委託契約」であるにもかかわらず
そうした自由がなく
細かい指揮監督を受けるとか
使う道具や機材などもこと細かく
指定されるなどと言った場合は
「雇用契約」と判断されやすくなります。
仕事の対価として支払われるものが
働いた日や時間を基準に
決められるような場合は
「雇用契約」になりやすいでしょう。
他方で
あくまで出来高払いとか
完成した仕事の対価として
支払われる場合は
「業務委託契約」にな
りやすい要素です。
その他にも
下記のような要素があると
雇用契約だと判断されやすく
なります。
上記の雇用契約と業務委託契約
の違いを表にすると
次のようになります。
| 比較項目 | 業務委託契約 | 雇用契約 |
|---|---|---|
| 基本的な立場関係 | 発注者に対して対等で自由な立場 | 事業主に対して従属的な立場 |
| 使用従属性 | 使用従属性が弱い | 使用従属性が強い |
| 仕事の依頼・指示に対する拒否権 | 断る自由がある | 断る自由がない(拒否しにくい) |
| 業務内容・仕事の仕方 | 自由度が高い | 依頼者が指揮命令権を持つ |
| 働く場所 | 自由に選択できる | 決まった場所で拘束される |
| 働く時間 | 自由に決められる | 決まった時間で拘束される |
| 報酬の基準 | 仕事の結果を基準 (成果報酬:1件いくら等) |
働いた時間を基準 (時給、月給等) |
繰り返しになりますが
雇用契約か業務委託契約かは
形式的な契約書の名称ではなく、
実際の業務内容の実態を見て
判断されるということです。
ですから
「業務委託契約」を結んだから
うちは労働基準法なんか関係ない
安心だと考えることは
大変に危険です。
あくまで
上記の基準に照らして
業務の実態を見てケースバイケースで
判断されるということは
覚えておかれた方が良いでしょうね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。