「カスハラ」被害が増える中で
現場では「正当なクレーム」との
線引きに悩む声が少なくありません。
特に
顧客との対面機会が多い業種では
「カスハラ」対応に大きな負担が
生じています。
各業種に広がる「カスハラ」被害の実態と
企業に求められる対策について
考えてみたいと思います。

(今日の「棒人間」 カスハラはNo!)
<毎日更新1841日目>
静岡県内で
1年以内にカスハラ被害を受けた社員がいると
回答した県内事業所が16.1%だったという
報道がありました。
従業員がカスハラ経験… 静岡県内事業所16% 医療・福祉や小売業などに高い傾向 一方で対策「講じず」32% 対応の遅れ浮き彫りに
報道によれば
これは静岡県がまとめた2025年度の
雇用管理状況調査の結果とのこと。
実際に受けたカスハラ行為の内容としては
「暴言」が68.8%
「対応者の揚げ足取り」が44.8%
「時間拘束」が43.0%と続いたようです。
そして
カスハラを受けた事業所を業種別に見ると
医療・福祉や卸売・小売業など対面機会の
多い業種で高い傾向にあったとのことです。
「カスハラ」とは
カスタマーハラスメントの略で
広く顧客による嫌がらせを意味する言葉です。
この「カスハラ」被害が起きやすいのは
やはり一般消費者である顧客と直接接する
「対面機会」の多い業種ということになります。
具体的には
以下のような業種に
多いと言われています。
接客・小売系
・スーパー・コンビニ・ドラッグストアなどの小売店
・飲食店(レストラン、ファストフード、居酒屋)
・百貨店・ショッピングモール
公共サービス・行政系
・市区町村の窓口(住民課、税務課など)
・郵便局・銀行窓口
・公共交通機関(バス・鉄道の乗務員、駅員)
医療・介護系
・病院・クリニックの受付・看護師
・介護施設・訪問介護
・調剤薬局
サービス業
・ホテル・旅館のフロント
・美容院・理容院
・引越し・宅配業者
建設・不動産
こう見ると
かなり広い業種に「カスハラ」被害が
広がっていることがわかります。
上記の報道で
実際に現場のカスハラ対応で
苦労している点としては
「法的な専門知識を有している従業員がいない」
「顧客との関係悪化が心配」などという
ものがありました。
大企業のように
専門の法務部や
クレーム対応の部署が
設置されていればよいですが
中小企業ではなかなか
限界があるでしょう。
そこで
「カスハラ」や「クレーマー」の問題で
法的な専門知識がない社員がやむなく
現場で対応せざるを得ない。
そんな中
顧客との「関係悪化」をおそれ
ついつい対応が弱腰になってしまう。
顧客の過剰な要求も受けてしまうなど
いろいろ難しい問題があるようです。
さらに
カスハラ対応で現場の社員が
苦労している点として
「正当なクレームと区別がつかない」
というものがあります。
この点
カスハラの無茶な要求には
応じるべきではありませんが
他方で
お客様の正当なクレーム
というものも存在します。
お客様のクレームが
もっともな言い分であれば
それは企業としてはきちんと誠実に
対処すべきことは言うまでもありません。
正当なクレームを言う
お客様をないがしろにし
不誠実な対応をしていると
企業にとっては信用を失うなど
大きなマイナスとなります。
また
「クレームは宝の山」という言葉があるとおり
お客様からの正当なクレームは
自社の商品やサービスを改善し
より質の高いものに向上させるための
大きなチャンスでもあります。
だからこそ
お客様の正当なクレームと
カスハラとをきちんと区別し
その対応を変えるということが
企業には必要と言えるでしょう。

そこで
ここでは
「カスハラ」とはいったい何なのか?
法的な意味から考えて
いきたいと思います。
法律上
「カスハラ」は
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
と定義されています。
ここで
正当なクレームとカスハラの違い
という点から考えると
相手の要求「内容」の妥当性と
その要求を実現するための「手段」の妥当性
という2つの視点から考えることが大切です。
つまり
まず要求内容が不当な場合。
さらに
要求内容が正当であっても
その要求を実現するための
手段・態様が不当な場合。
これらの場合が
正当なクレームではなく
いわゆる「カスハラ」行為
であると判断されます。
ただ
ここで重要なのは
そうした要求内容や手段の不当性は
実はその業種や会社によっても
微妙に異なることがあります。
そこで
やはり自社にとってはいったい
どのような行為が「カスハラ」に当たるのか。
そうした「カスハラ」行為に対して
会社としてどう対応していくのか。
「カスハラ」に現場で対応する社員が
きちんと対応できるようにするために
この辺をはっきりさせ
社内に示すことが重要です。
そして
この点に限らず
やはり「カスハラ」被害に対しては
現場の社員任せにするのではなく
会社が主体的に対策をとって
行かなければなりません。
こうした観点から
今年の10月から
中小企業も含めたすべての会社に
「カスハラ対策」を行うことが
義務化されることになっています。
ところが
冒頭の静岡県の調査でも
「カスハラ」対策について
32.0%の事業所が「特に講じていない」
と回答していて
現場の対応が遅れている状況が
浮き彫りになっています。
現実問題として
リソースが限られた中小企業では
こういったカスハラ対策の
社内体制の整備が難航している
会社も少なくないでしょう。
そこで、このたび私が
「中小企業のためのカスハラ対策実践セミナー」
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。