「無料体験だから報酬はなしでお願いします。」
そんな取引上の慣習が
実は「フリーランス法」に
違反しているかも??
フリーランスへ仕事を依頼する
機会の多い中小企業ほど
大きな法的リスクを
抱えるおそれがあります。

(今日の「棒人間」 タカる人??)
<毎日更新1843日目>
音楽教室を運営しているシアーという会社で
無料体験レッスンをフリーランスの
講師1674人に無償で行わせていたという
報道がありました。
シアー、講師1674人に無償委託 フリーランス法違反、公取委勧告
報道によれば
これがフリーランス法違反ということで
公正取引委員会がこの会社に対して
再発防止などを勧告したとのこと。
さらに
この公取の勧告では
無償で担当させていた体験レッスンの
対価も支払うように求めたとのことです。
具体的な事実関係を見てみると
この会社では
2024年11月から2026年2月までの間
音楽教室の講師業務を委託した
フリーランス1674人に対し
1回30分の無料体験レッスンを合計
5万3036回にわたって無償で
行わせたそうです。
講師に本来支払われるべき対価は
合計約3398万円とのことで
経済的な不利益が認定された規模としては
フリーランス法の施行以来最大だそうです。
この会社としては
上記の未払いの業務委託料を支払うように
公取から勧告を受けた挙句
社名も公表されてしまい
まさに
ということになってしまったようですね。
フリーランス法が施行されたのは2024年の11月。
「フリーランス」という言わば取引社会において
何かと弱い立場に立たされがちな人たちを
保護することを目的とした法律です。
このフリーランス法では
フリーランスに対して金銭や労務
サービスを不当に提供
させることを禁止しています。
今回のように
無償で体験レッスンの講師をさせる
などというのもまさにこれに当たるわけです。
注意すべきなのは
この経済的な利益の提供要請は
取引相手であるフリーランスが
同意していてもダメだ
ということです。
上記の事例でも
フリーランスに対する契約書類が作られていて
その中に「体験レッスンは報酬が発生しない」
ということが明記されていました。
その後
実際の体験レッスンを経て
受講生が入会した場合に
講師にインセンティブが
支払われる仕組みだったそうです。
ですからこれも
契約の段階では
フリーランスはこの取引の
条件を知っていて
一応それを承諾していることになります。
しかし
現実にはフリーランスは取引社会
において交渉力が弱いため
どうしても不利な内容の契約だったり
理不尽な取引を強いられがち。
そこで
フリーランス法では
こういった経済上の利益の提供要請は
たとえフリーランス側の承諾があっても
NGとされたのです。
さて
そもそもこのフリーランス法が
適用される「フリーランス」とは
どのような人たちのことを
言うのでしょうか?
この点
この法律の対象となる「フリーランス」とは
とされています。
要するに
取引の相手が
1人の個人事業主か
会社の1人社長である場合に
このフリーランス法の対象となる
ということになります。
そうなってくると
実はこのフリーランス法の影響が大きいのは
大企業よりもむしろ中小企業
だということになります。
というのは
そもそも大企業は割と社内の
コンプライアンスの体制が確立している
ことが多い(そうでない場合もありますが)。
さらに
大企業はそもそもこういった
フリーランス等の零細事業者に
仕事を発注することは必ずしも多くないでしょう。
これに対して、中小企業の場合は、
フリーランス等の零細事業者に
仕事を発注する機会も
比較的多い。
しかし
残念ながらリソースに限りがある中小企業では
社内のコンプライアンス体制があまり
しっかりしていないことが多いでしょう。
フリーランス法の規制をよく理解しておらず
知らず知らずのうちに法律違反を
犯してしまうリスクも高い。
そうなると
その結果冒頭の事例のように
公正取引委員会から勧告などを受けたり
会社名が公表されてしまう危険があります。
ですから
中小企業の経営者こそ
このフリーランス法の内容をある程度
理解しておくべきだと思いますね。
それが自社を守り
また大事な取引相手であるフリーランスの
不利益を防止することにつながりますからね。
それでは
また。
▪️「お客様は神様」ではありません。 中小企業のためのカスハラ対策実践セミナー
◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール
◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)
◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス
◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)
最新動画
今回は「ナフサショック直撃!工務店が今すぐ契約書を見直すべき理由」というテーマでお話ししています。
活動ダイジェスト
| 住所 | 150-0031 東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階 マップを見る |
|---|---|
| 受付時間 | 【平日】9:30〜18:00 【土曜日】9:30〜12:00 |

Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。