「今回だけなら仕方ない」と
家賃の値上げに応じたら
次の更新でもまた値上げされる?
そんな不安を持つ借主も
少なくありませんが
「契約更新=賃料アップ」ではありません。
今回は
オフィスを借りる会社が知って
おきたい賃料増額のルールを解説します。

(今日の「棒人間」 次々値上げされる恐怖??)
<毎日更新1940日目>
都心を中心に
地価の上昇が続いているためか
賃貸物件の賃料増額に関する
ご相談が増えています。
都内でオフィスの物件を借りているA社
現在の賃料は月額30万円です。
ところが
賃貸借契約の更新を前にして
物件の貸主より

最近、この辺りの賃料相場も上がっているので、次回から33万円にしてほしい
と言われました。
A社の社長も
「確かに相場も上がっているようだし
3万円くらいは仕方ないかな」と思います。
しかし
社長には1つ不安材料がありました。
というのは
というもの。
実は
このような不安を持っている
借主は少なくありません。
建物賃貸借契約では
定期的に更新されるケースが多いため
「一度値上げを認めると
今後更新のたびに値上げされるのでは?」
と思ってしまいがちです。
しかし
法的に見ると
契約の更新と
賃料の増額は別問題です。
というのは
借地借家法では
土地・建物の価格や税負担
経済事情の変動
周辺の賃料相場などによって
現在の賃料が不相当になった場合に
増額を請求できる仕組みになっています。
したがって
というように
機械的に増額できるものではありません。
こうした賃料増額の問題を
考えるにあたって重要なのが
「直近合意時点」という考え方です。
先ほどのA社が貸主と話し合い
月額30万円から月額33万円への
増額に合意したとします。
そうすると
その後さらに増額する場合には
が問題になります。
たとえば
さらに次の更新時に
貸主から

今度は賃料を月額36万円にしてください。
と言われたとしても
「更新だから」という理由だけで当然に
増額が認められるわけではありません。
前回更新時に双方が
月額33万円で合意している以上
そこから地価や物価
周辺相場などが変化し
「今では月額33万円では不相当だ」と言える
だけの客観的な事情が必要になってきます。
そして
前回の合意(つまり更新)から
それほど時間が経っておらず
その間に大きな事情の変化もないのであれば
賃料増額が認められるハードルは
一般的には高いでしょう。
ですから
結論的には
一度値上げに応じたら
その後も更新のたびに値上げをされ続ける
と過度に心配する必要はないのです。
このように
一度新しい賃料額について合意すれば
その金額がその後の重要な基準となります。
ですから
仮に値上げを求められたら
を冷静に確認することが大切です。
また
「値上げを全部拒否する」か
「言われた金額を全部受け入れる」か
の二者択一で考える必要もありません。
たとえば
3万円の値上げを求められた場合に
「1万円の増額なら応じます」と
交渉するのも1つの方法でしょう。
中小企業にとって
毎月のオフィスの賃料は決して
小さな固定費ではありません。
だからこそ
突然値上げを求められても
必要以上に恐れず
正しい知識を持って冷静に
対応することが重要です。
こんなとき
普段から会社の事情を知っている
顧問弁護士がいれば
について
貸主と交渉する前の段階から
相談することもできます。
このように
会社のオフィス物件の賃料増額の問題も
トラブルになってからではなく
トラブルになる前にどう交渉するか
を考えることが大切ですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。