30年以上の付き合いがあった「盟友」同士が
フランチャイズ契約をめぐってまさかの
裁判沙汰に。
実は
中小企業がフランチャイズ本部となる場合
親しい間柄だからこそ注意すべき
落とし穴があります。
大切な信頼関係を壊さず
裁判沙汰を防ぐために必要なこととは?

(今日の「棒人間」 「盟友」関係に潜む落とし穴??)
<毎日更新1983日目>
フランチャイズ契約というと
コンビニとか大手飲食店チェーンとか
大企業をイメージするかも知れません。
しかし
フランチャイズ事業を展開するのは
大企業ばかりではありません。
中小企業でも
自社のビジネスがうまくいけば
店舗を増やすためにフランチャイズ方式を
採用することがあります。
ただ
このフランチャイズ契約
実際には結構トラブルやモメごとに
発展するケースが少なくないようです。
実際に
兵庫県内の焼き鳥店を巡り
フランチャイズ本部の会社と
加盟店を経営する男性との間で
「裁判沙汰」になったケースがあります。
実は
この会社の代表者と男性は
30年以上の付き合いがあり
仕事上の「盟友」の関係にありました。
もともとこの男性は会社の社員
として焼き鳥店の店長を務め
その後、会社の取締役にも就任。
ところが
店の業績が悪化したことから
2014年に男性が独立する形で
フランチャイズ加盟店として同じ
焼き鳥店を経営することになりました。
その際
男性は会社に対して
毎月ロイヤリティーとコンサルタント料を
支払う約束をしていました。
しかし
店の経営はうまくいかず
やがてロイヤリティーの支払いが
ストップします。
そこで
会社側が未払いのロイヤリティーなどの
支払いを求めて裁判を起こしたのです。

これに対し
男性側は
などと主張し
契約自体が無効であると争いました。
しかも
このケースでは
契約書も残っていなかったとのこと。
大阪地裁は2026年8月
フランチャイズ契約の成立を認め
男性に約1800万円の支払いを
命じました。
もっとも
男性側は控訴しており
争いは続いているようです。
30年以上の付き合いの
あった「盟友」同士が
最後は裁判で争うことに
なってしまった。
なんとも残念な話ですね。
なお、この事例は、日本経済新聞の中小企業リーガル処方箋シリーズ「焼鳥店の盟友、フランチャイズで暗転 払えぬロイヤルティーは暴利か」より引用しました。
フランチャイズ契約の場合
加盟店のオーナーになるのは
まったく知らない第三者とは限りません。
長年一緒に働いてきた社員や元役員
親しい知人
昔からの取引先など。
中小企業がフランチャイズ本部になる場合
いわば
気心の知れた間柄でフランチャイズ契約
を結ぶことも少なくありません。
こういった場合
ついつい
などと考えがちです。
しかし
ここに大きな落とし穴があります。
というのは
フランチャイズ契約というものは
単にお店の名前を貸すだけの
契約ではありません。
本部は加盟店に対して
ブランドや商標
営業ノウハウ
商品やレシピなどを提供します。
一方
加盟店は本部にロイヤリティーなどを
支払います。
また
本部としては
加盟店が勝手な営業をして自社ブランドの
信用を傷つけることも防がなければなりません。
つまり
フランチャイズ契約は
お互いの権利や義務が複雑に
絡み合う契約と言えるでしょう。
そして
加盟店の経営が順調なうちは
あまり問題は起きませんが
売上が落ちてくると話が
変わってきます。
といった不満が出てきます。
そうなると
それまでの信頼関係も
簡単に崩れてしまいます。
かえって
親しい間柄だからこそ
いったんこうなると感情的な対立に
なりやすいという面もあるのです。
では
中小企業がフランチャイズ本部となる場合
どのようなことを注意すれば良いでしょうか?
まず何より大切なのは
親しい間柄であっても
きちんと契約書を作成することです。
特に
ロイヤリティーの計算方法
本部が提供する経営指導や
サポートの内容については
明確にしておく必要があります。
また
ロイヤリティーの未払いが続いた場合や
加盟店が途中で辞めたいと言ってきた場
合の契約解除の条件も重要です。
さらに
契約が終了した後
加盟店が本部の屋号や商標を
使い続けることがないよう
看板の撤去や商標の使用禁止など
についても決めておくべきでしょう。
そして
もう1つ重要なのが
契約書を作って終わりにしないことです。
実際に本部が加盟店に
経営指導を行ったのであれば
それについてなんらかの形で
記録に残しておく。
ロイヤリティーの支払いが遅れた場合は
放置せずに早い段階で話し合う。
また
途中で契約条件を変更する場合には
口約束ではなく
書面に残すなど。
こう言った日々の積み重ねが
トラブルの予防につながるのです。
なお
フランチャイズ契約では
本部側の立場が強くなりやすいため
独占禁止法の規制などにも注意が必要です。
契約書に書いてあれば
どんな条件でも有効という
わけではありません。
本部にとって一方的に有利な条件を
押し付けるのではなく
加盟店が納得できる合理的な
契約内容にすることも大切です。
ここはやはり
「信頼しているから契約書は作らない」
のではなく
「信頼関係を壊さないために契約書を作る」
という発想に転換することが重要です。
上記のとおり
フランチャイズ契約はトラブルになりやすく
しかもいったんトラブルになると
未払いのロイヤリティーだけではなく
ブランドの信用や長年の人間関係まで
失いかねません。
中小企業がフランチャイズ事業
を展開する場合こそ
最初の段階で契約内容をきちんと整備し
「裁判沙汰」を未然に防ぐ仕組みを
作っておきたいものです。
それでは
また。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。