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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【使用者責任】下請けの社員のミス、元請け会社が責任を負う場合はあるか?

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自社の社員のミスで、

他人に損害を与えた場合、

会社が代わって責任を

負う場合があります。

 

 

それでは、

下請け会社の社員のミスで

損害が発生した場合、

元請け会社が責任を負う場合は

あるのでしょうか?

 

 

 

(今日の「棒人間」 やらかした!)

 

<毎日更新776日目>

下請け会社の社員が隣地の塀を破損?

先日、

建設会社A社の社長から

ご相談を受けました。

 

 

このA社では、

ある現場の建物の

解体工事を受注し、

それを下請けのB社に依頼して

工事をしていたそうです。

 

実は、工事中に困ったことがおきまして。

会話

どんなことでしょうか?

それが、下請け会社の社員が解体工事中に機械の操作を誤って、隣の家の塀を壊してしまったのです。

会話

それは大変ですね。
それで、どうなりました?

その隣地のお宅から、元請けであるうちに被害を賠償しろとクレームが入っているのです。

会話

なるほど。
しかし、下請け会社の社員がやったということですと、直接的には下請け会社が責任を負うことになるのですがね。

それが、タイミング悪く、その下請け会社が最近倒産してしまい、社長も行方不明なんです。

 

会話

なるほど。
それで、工事は下請けがやっていたということですが、御社はなにか現場で指示を出したりしていたのでしょうか?

はい。一応元請けとしての責任がありますので、うちの社員を現場に派遣して、工事責任者として下請け会社の社員に対する指示にあたらせていました。

会話

なるほど。
そうなると、場合によっては御社が責任を負わなければならない場合も出てきますね。

え〜、でも、うちと下請けの社員とは、あくまで雇用契約は結んでいないのですよ。

会話

直接の雇用関係にはなくても、元請けと下請けの社員との間で、実質的な指揮監督関係があるような場合には、元請けが責任を負わなければならない場合があるんです。

 

 

 

 

使用者責任とは?

ここで、

ちょっと整理してみましょう。

 

 

まず、

直接隣地の塀を壊したのは、

あくまで下請け会社の

社員のミスが原因です。

 

 

となれば、

まず、第一次的には、

この下請けの社員が個人的に

隣地の所有者に対して、

不法行為に基づく

損害賠償責任を負います。

 

 

ただ、

この社員が、

あくまで会社の業務における

作業中にこうした事故を

起こした場合には、

この社員を雇っている会社も

不法行為責任を負う場合が

あります。

 

 

これを、

専門的には、

使用者責任と言います。

 

 

なぜそうなるのかと言うと、

被害を受けた方からすれば、

直接の加害者である社員にしか

責任を追及できないとすれば、

被害者が不利益を被るからです。

 

 

すなわち、

こうした工事中の事故などは、

賠償金が多額になる可能性もあり、

一社員の経済力では被害が

補てんされない可能性が

高いわけです。

 

 

他方で、

会社というのは、

社員を使うことで

利益を上げています。

 

 

ですから、

仮に社員の行為によって

損失が発生した場合も、

会社もそのリスクを負うべきだ、

という考え方が背景にあります。

 

 

これを、

専門的には報償責任

(ほうしょうせきにん)の原理

と言ったりします。

 

 

ですから、

上記の例では、

実際に塀を壊した社員

だけではなく、

この社員を雇っている

下請け会社も、

隣地の所有者に対して

使用者責任に基づく賠償責任が

発生するわけです。

 

 

しかしながら、

下請けの事業者というのは、

これまた零細で必ずしも

賠償能力が十分でない企業も

少なくありません。

 

 

他方で、

元請けは、

下請けを使うことで

利益を上げている、

という側面があります。

 

 

このようなケースで、

元請けが一切責任を負わない、

というのは果たして

妥当なのかどうか、

これがここでの問題点です。

 

 

 

 

 

 

下請け社員の行為について、元請け会社が責任を負う場合とは?

本来であれば、

元請け会社と

下請けの社員との間は、

直接の雇用契約はありません。

 

 

しかし、

裁判例では、

上記のような事例で、

元請け会社の責任を

認めたものがあります。

 

 

すなわち、

使用者責任における

使用関係というのは、

必ずしも厳密に雇用契約が

ある場合には限られない、

というわけです。

 

 

具体的には、

元請け会社が

下請け会社に対して、

工事上の指図やその監督のもとに

工事を施行させており、

元請け会社が下請け会社

の社員に対して、

直接または間接に指揮監督関係が

及んでいるような場合には、

元請け会社にも使用者責任が

発生するとされています。

 

 

要するに、

このような場合には、

元請け会社の社員が事故を

起こした場合と同様に、

元請け会社が被害者に対して

損害賠償責任を負うべきだ、

とされているのです。

 

 

この点、

下請け会社に工事を

依頼する場合でも、

上記の例のように、

元請けの社員を現場責任者

として現場に派遣し、

下請け会社の社員を直接、

間接に指示監督するという場合が

少なくありません。

 

 

このような場合には、

下請け会社の社員の

行為についても、

元請け会社の責任が発生する

場合がありますので、

注意が必要です。

 

 

建設現場においては、

こうした不慮の事故が発生

する可能性は否定できません。

 

 

法律の世界では、

そんな場合に、

誰にどれだけ責任を負担

させるのが公平なのか、

という実質的な観点から、

賠償責任が認定される

場合があるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、社員が行方不明になってしまった場合、無断欠勤を理由に解雇する手順についてお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、お昼は家族で近所の街中華で食事。
午後は実家に用事があって行きました。
夜は、父の日ということで、息子から手紙をもらいました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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