「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【契約不適合責任】中古車の水没歴を告げずに売ってしまった責任

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何かと噂の絶えない

ビッグモーターで、

中古車の水没歴を告げずに

顧客に販売してしまった、

という事件がありました。

 

 

今日は、

この事件に関連して、

売買契約の「契約不適合責任」

についてお話ししたいと

思います。

 

 

 

 

 

 

(今日の「棒人間」 水没歴がバレちゃった??)

 

<毎日更新871日目>

ビッグモーターが中古車の水没歴を調べないで販売

今日は、

またまたビッグモーター

のネタ。

 

 

この会社、

本当にいろいろと出てきますね。

 

 

おかげで、

私もブログのネタを提供

していただけるので、

ありがたいです。

 

 

今回は何をやらかしたのかと言うと、

要するに、

お客さんに水没事故歴のある車を、

その事故歴のことを

説明しないで売ってしまって、

後で裁判沙汰になった、

という話です。

 

 

水没歴を告げず中古車を販売 ビッグモーターに支払い命令

 

 

報道によれば、

顧客の男性は、

2019年にビッグモーター館林店で

中古の乗用車を購入。

 

 

その後、

追突事故に遭ってこの車を

修理したのを機に、

過去の水没歴が判明

したとのことです。

 

 

ビッグモーターは、

車を回収して水没の痕跡が

あることは認めたものの、

無償修理には応じなかった

とのことです。

 

 

この事件について、

裁判所の判決では、

ビッグモーターが以前の所有者から買い取る時点で慎重に車の修復履歴を確認する必要があった

と指摘しました。

 

 

そして、

ビッグモーターが、

取り扱う全車両を無事故と

宣伝していた点などを踏まえ

注意義務懈怠(けたい)は著しい

と厳しく非難しました。

 

 

その上で、

判決は、

原告は水没歴を知らずに購入していて売買契約は無効

と判断し、

ビッグモーター側に

およそ290万円の支払いを

命じました。

 

 

 

 

 

民法上の「契約不適合責任」の制度とは?

さてさて、

今回車の水没事故歴を告げずに

顧客に販売してしまった

ビッグモーターの行為、

これは法律的に何が

問題なのでしょうか?

 

 

いくつかのアプローチが

あり得るかと思いますが、

1つは、売買契約の

「契約不適合責任」の問題です。

 

 

「契約不適合責任」とは、

契約によって取引された

目的物(上記の例だと車)が、

品質などに関して契約内容

と違っていたり、

契約内容にはない不具合が

あったりした場合に、

売主が負う責任のことを

言います。

 

 

上記のビッグモーターの事例では、

顧客との間で、

中古車の売買契約という

契約を結んでいます。

 

 

その中で、

ビッグモーターは、

顧客に対して、

「取り扱う全車両を無事故」

であると宣伝していたわけです。

 

 

ですから、

契約の内容としては、

もともと事故歴のない中古車が

売買の目的物となって

いたわけです。

 

 

ところが、

実際に売却された車は、

実は過去に水没事故歴が

あったわけですから、

契約内容にはない

不具合があった、

すなわち「契約不適合」の

状態であったと言えるわけです。

 

 

さて、

こうした場合に売主が負うべき

「契約不適合責任」の

具体的な内容は

どんなものでしょうか?

 

 

まず、

「追完請求権」

というものがあります。

 

 

すなわち、

買主が受け取った目的物が、

契約の内容に適合しない

ものであるときは、

買主は、

売主に対して、

目的物の修補や代替物の

引き渡し等を請求する

ことができます。

 

 

ですから、

今回のビッグモーターの

ケースでも、

買主は、

水没事故歴のある自動車の修理

などを請求することができる、

ということになります

(それに対して、報道によれば、

ビッグモーターは修理に

応じなかったようですが)。

 

 

さらに、

買主が、

売主に対して上記の「追完請求」

を行なっても、

売主が修補等の追完に

応じない場合には、

買主は、

不具合の程度に応じて

売買代金の減額を請求

することができる、

とされています。

 

 

また、売主がこうした

追完請求や代金減額請求に

応じない場合には、

買主は契約を解除

することもできます。

 

 

そして、

買主が、

契約内容と合致しない車を

引き渡されたことによって、

何らかの損害を受けた場合には、

その損害の賠償を

売主に対して請求できます。

 

 

以上をまとめますと、

買主は、

売主に対して、

契約不適合責任として、

下記の請求ができる、

ということになります。

・追完請求
・代金減額請求
・契約解除
・損害賠償

 

 

 

トラブルを予防するためには?

さて、

こういった売買契約を行う際に、

売主として将来のトラブルや

「裁判沙汰」を予防するには

どうしたら良いのでしょうか?

 

 

まず、

やはり何といっても、

きちんとした売買契約書を

作っておくことです。

 

 

その上で、

いったい何を売買の目的物と

するのかをきちんと

明確化することです。

 

 

たとえば、

上記のような中古車であれば、

事故歴や修理歴の有無なども

しっかりと包み隠さず

書いておくべきでしょう。

 

 

あと、

気をつけなければならないのは、

最近民法という法律が

改正されているという点です。

 

 

今回のこの「契約不適合責任」

というのは、

上記の民法改正前には

「瑕疵担保責任」と言われ、

制度の中身が変わっています。

 

 

ところが、

今でも改正前の

「瑕疵担保責任」のままの

契約書を見かけることが

あります。

 

 

こうした今は制度が変わって

しまったものが契約書に

定められていると、

やはりトラブルの元になります。

 

 

そこで、

きちんと法改正が反映された

「契約不適合責任」の形で

規定されているかどうかを

チェックする必要があります。

 

 

この「契約不適合責任」については、

一般的に次のような定めを

契約書に入れることが

多いでしょう。

(契約不適合)

第●条 本件●(目的物)が、本契約の内容に適合しないものであった場合、買主は売主に対し、相当の期間を定めて本件●(目的物)の修補等履行の追完を請求することができ、その期間内に履行できないときは、代金の減額を請求することができる。

 

2 前項に定める不適合により、買主において本契約を締結した目的が達せられない場合、買主は本契約を解除することができる。

 

3 前各号に基づく請求は、買主による損害賠償請求を妨げない。

 

4 前各号に基づく請求は、本件●(目的物)の引渡後●ヶ月を経過したときは、できないものとする。

 

このブログで、

私もこれまでよく書いていますが、

やはりここでも、

きちんとした契約書を

作っておくことが、

将来のトラブルや「裁判沙汰」を

予防することにつながります。

 

 

私の弁護士としてのミッションは、

ということ。

 

 

「裁判沙汰」を避けるためには、

契約書を作ることが大切です。

 

 

ただ、

契約書はただ作れば良い、

というものではありません。

 

 

やはり、

法律が要求する内容になっているか、

将来の紛争を予防する

内容になっているか、

それなりに専門的な知識や

経験も必要となります。

 

 

もしご自身で契約書の作成や

内容のチェックが難しい場合は

必ず弁護士などの専門家に

相談するようにしてください。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

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今回は、景品表示法違反のリスクということで、「顧客満足度第1位」とか安易に使っていませんか、そんなテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日の朝は、学習、Voicy、ランニングなどの朝のルーティンをこなしました。
その後は、1日事務所で仕事でした。基本的には裁判所に提出する書面作成など、タスクの処理が中心でしたが、途中でオンラインでお客様との打ち合わせなどもありました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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