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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【損害賠償額の予定】契約書に入れておくと便利な条項

契約書

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相手の契約違反を理由に、

損害賠償を請求したい。

 

 

しかし、

「損害」の立証は時に

容易ではありません。

 

 

そんなとき、

「損害賠償額の予定」という

制度を使うと便利です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 賠償額の予定を契約書に入れておくべき?)

 

<毎日更新884日目>

相手方の契約違反、損害賠償請求が簡単ではない場合

取引で、

一方が契約違反をして、

それによって他方が

損害を被った場合は、

契約違反をした相手方に、

損害賠償を請求することが

できます。

 

 

これについては、

民法415条1項というところで、

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

と規定されています。

 

 

ただ、

相手方の契約違反によって、

こちらにどんな「損害」

が発生したのか、

これは請求する側で証明

しなければなりません。

 

 

通常、

この「損害」には2種類

あると言われています。

 

 

1つ目は、

「積極損害」と言われるもの。

 

 

例えば、

売主企業が、

買主企業に一定の商品(機械)

の供給する契約を想定します。

 

 

買主は、

さらにこの購入した

商品(機械)

お客さんに販売します。

 

 

この場合に、

売主が供給した商品に故障などの

欠陥があった場合、

買主がこの商品を回収して

補修するための費用や、

商品の欠陥が原因で

発生する損害等のことを、

「積極損害」と言います。

 

 

つまり、

「積極損害」というのは、

被害を受けた当事者のお財布から

お金が出ていく損害、

のことを言います。

 

 

これに対してもう1つ、

「消極損害」というものが

あります。

 

 

先ほどの例で言えば、

買主が購入した商品(機械)

お客さんに転売して利益を

得る予定であったのに、

売主が供給した商品が

欠陥品であったため、

結局転売利益を

得られなかったという損害。

 

 

こうした、

被害を受けた当事者の

お財布からお金は出て

いっていませんが、

儲け損なった損害のことを

「消極損害」と言います。

 

 

先ほど、

「損害」については、

この被害を受けて請求する側が

証明しなければならない、

と述べました。

 

 

実は、

この「消極損害」については、

証明するのが難しいのです。

 

 

なぜなら、

この場合は、

実際にはまだ、

被害を受けた当事者のお財布から

お金が出ていっていません。

 

 

ですから、

具体的にどんな被害を受けるのか、

想像の域を出ない、

ということになりがち

だからです。

 

 

これは要するに、

契約通りちゃんとした

商品が供給されていれば、

それを転売してこれだけ

儲けられたはずだ、

と言っても、

それは将来のことで、

不確実だからです。

 

 

もしかしたら、

経済事情の変動や、

コロナのような疫病の

流行が発生して、

予定通り売れなくなって

しまう可能性もあります。

 

 

そんなこんなで、

損害賠償だ!

とイキリ立つ

気持ちはわかりますが、

「損害」というものを

証明するのは必ずしも

簡単ではありません。

 

 

ただ、

そんなときでも、

損害賠償の請求が

しやすくなる方法が

あります。

 

 

 

 

 

契約書に損害賠償の予定額を入れておくという方法

この点、

民法の420条1項では、

当事者は、債務の不履行について、損害賠償の額を予定することができる。

という規定があります。

 

 

これは要するに、

契約当事者の一方に、

契約違反があった場合に、

「金●●円を損害額とみなす。」

という条項を契約書に

あらかじめ入れておくことです。

 

 

これを、

「損害賠償額の予定」

と言います。

 

 

あらかじめ、

契約で「損害賠償額の予定」

の条項を入れておけば、

後で契約違反があった場合に、

被害を受けた方は、

一々自分の「損害」を

証明する必要がなくなる、

というわけです。

 

 

ただ、

上記の民法420条1項は、

損害賠償額の予定の定め方

について何ら基準を設けて

いません。

 

 

ですから、

具体的に賠償額の予定として

どんな金額を設定するか、

その目安が問題となります。

 

 

もちろん、

損害賠償を請求する側からすれば、

その額は大きいに越したことは

ありません。

 

 

しかし、

その契約の内容に照らして、

あまりに法外な金額を定めると、

公序良俗違反でその賠償額の

予定の条項自体が無効となって

しまう危険があります。

 

 

この点、

上記で見たように、

「積極損害」であれば、

ある程度損害額の

予想がつくので、

予定額を定めることも

それほど難しくは

ないでしょう。

 

 

そして、

「消極損害」の場合は、

いわば儲け損なった

損害ですから、

買主がその商品をお客さんに

販売したら得られたであろう

利益というものを想定する

必要があります。

 

 

この点、

商品販売の利益で言えば、

売上額から商品原価(変動費)

差し引いた粗利額を

利益と仮定します。

 

 

そうすると、

例えば、

継続的な取引であれば、

1年間の取引数を想定し、

この間、

取引したら得られたであろう

粗利額を想定することも

可能になります。

 

 

こうして、

「積極損害」と「消極損害」

を合計し、

さらに想定外の損害が

あることも見込んで、

合計額の2倍から3倍程度を、

賠償額の予定とします。

 

 

こうした計算方法が、

「損害賠償額の予定」の

金額の1つの目安となる

ものと思われます。

 

 

 

 

 

損害賠償額の予定は「裁判沙汰」を予防する?

さてさて、

こうした「損害賠償額の予定」

の条項を契約書に入れておけば、

将来相手に契約違反があり、

万が一「裁判沙汰」になっても、

自分の被った「損害」額の

計算が容易になるわけです。

 

 

ただ、

できるならば、

やはり「裁判沙汰」にまで

行ってしまうのは

避けたいところ。

 

 

と言うのも、

私のミッションは、

というものです。

 

 

契約書に「損害賠償額の予定」の

条項を入れておくことは、

万が一将来の「裁判沙汰」に

なった場合に役立つ。

 

 

しかし、

それだけではないのです。

 

 

契約書に「損害賠償額の予定」として、

具体的な数字が書き込まれて

いるということは、

例えば商品を供給する

売主からすれば、

自分がチョンボをやって

契約違反をすると、

これだけのお金が賠償額として

請求される、

ということが明確になります。

 

 

そうすると、

やはり具体的な取引の中で

きちんと契約違反をしないように

やらなければいけない、

という自覚が強まります。

 

 

いわば、

相手方に「心理的負担」を

負わせることで、

契約違反をさせない

ようにする、

という意味合いもあります。

 

 

こうした意味合いは、

結局のところ当事者間の

トラブル予防や「裁判沙汰」の

予防にもつながるわけです。

 

 

というわけで、

「裁判沙汰」を避けるためにも、

「損害賠償額の予定」の条項を

活用することをオススメします。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

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昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会経営者モーニングセミナーに参加、その後は近所のカフェで倫理法人会の役員会。
それが終わってから事務所に行き、夕方まで仕事、夜は顧問先で法律相談でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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