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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【フリーランスの競業避止義務】「うちの会社以外と契約しちゃダメ」と言えるのか?

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業務委託契約で、

外部のフリーランスに

仕事を発注する場合、

このフリーランスに

競業避止義務を課すことが

できるのでしょうか?

 

 

今日は、

この外部のフリーランスに

競業避止義務を

課すことができるか?

 

 

できるとして、

それはどんな場合か?

などについて詳しく

お話しています。

 

 

 

 

(今日の「棒人間」 フリーランスに競業避止義務を課せるか?)

 

<毎日更新925日目>

契約終了後に別会社と契約したら、競業避止義務違反??

先日、

フリーランスでお仕事を

されているAさんから

ご相談をうけました

(守秘義務がありますので、

ご相談内容は大幅に改変してます)

 

 

Aさんは、

B社から依頼されて、

webライティングの仕事を

継続的にやっていました。

 

 

契約は、

業務委託契約で、

期間は1年間でした。

 

 

これまで3回ほど契約期間が

更新されてきましたが、

このほど、

契約期間が終了するにあたり、

B社からは、

今回は契約を更新しないと

告げられました。

 

 

その理由としては、

B社が今後、

webライティング事業から

撤退する予定であるから、

とのことでした。

 

 

そこで、

Aさんとしては、

次の発注先を探すべく動き始め、

B社との契約終了後、

今度はC社と業務委託契約を

締結して、

同じようなwebライティングの

仕事の受注を受けていました。

 

 

ところが、

最近になって、

B社からAさんのもとに、

「内容証明郵便」が届きました。

 

 

実は、

AさんとBとの間の業務委託契約には、

AさんがB社以外の会社と同種の取引を

行ってはならないという、

競業避止義務が課されていました。

 

 

webライティングという同種の契約を

C社と行ったこのAさんの行為は、

B社との間で結んでいた業務委託契約の

競業避止義務に違反する

というものです。

 

 

そして、

AさんがC社との間で

受領した業務委託料が、

B社の損害だとして、

損害賠償を請求

してきたのです。

 

 

ちなみに、

B社がAさんに課していた

競業避止義務は、

B社との業務委託契約が

続いている間だけではなく、

契約終了後もAさんは

競業避止義務を負い続ける、

という内容でした。

 

 

しかし、

Aさんとしては、

B社がwebライティング

事業から撤退し、

契約を更新しないというので、

仕方なく新たにC社と

契約したものであり、

いわば仕方のない行為

ともいえます。

 

 

この場合、

Aさんの行為は

競業避止義務違反となり、

Bに対して損害賠償を

しなければならない

のでしょうか?

 

 

 

 

 

フリーランスに対する競業避止義務が許される場合

そもそも、

「競業避止義務」というのは、

その会社の業務と

ライバル関係に立つような、

同種の事業を行ってはならない、

という義務のことを言います。

 

 

この「競業避止義務」は、

会社の社員や取締役などの

役員に課されることが

多い義務です。

 

 

社員や取締役というのは、

いわば顧客情報をはじめ、

会社の営業の内部事情を

熟知しています。

 

 

そうした情報等を利用して、

自分の私的利益を図る目的で、

その会社の事業と競業する

ような事業を行えば、

その分会社の利益が害される

可能性が高いわけです。

 

 

それでは、

その会社の社員や取締役ではなく、

業務委託契約を締結していた

外部のフリーランスに対して、

このような競業避止義務を

課すことができる

のでしょうか?

 

 

この点、

外部のフリーランスは、

確かに社員や取締役のように、

会社の内部にいる人間では

ありません。

 

 

しかし、

フリーランスの場合も、

発注者企業がこのフリーランスに

一定のノウハウやスキル等を身につける

ようにするための育成投資を

行うことがあります。

 

 

この育成投資費用を回収するために、

一定期間フリーランスに対しても

競業避止義務を課すという合理性が

ある場合もあります。

 

 

さらに、

フリーランスも、

その発注者企業の顧客情報や

営業秘密を取り扱う場合があり、

そうした情報等を用いて

競業行為を行えば、

やはりその会社に不利益が

生じることもあり得ます。

 

 

そこで、

業務委託契約において、

発注者企業がフリーランスに

競業避止義務を課すこと自体は、

許されるとされています。

 

 

ただし、

いくつか条件があります。

 

 

まず、

その場合には、

このフリーランスに対して

「報酬プレミアム」があったか

どうかが問題となります。

 

 

この「報酬プレミアム」というのは、

競業避止義務を課された対象者が、

課されていない人と比較して、

一定の上乗せされている

報酬の部分を意味します。

 

 

要するに、

競業避止義務を課されており、

他社と契約できない

ことの対価として、

報酬がその分多めに

設定されていたかどうか、

という要素です。

 

 

次に、

フリーランスにも当然

憲法で「職業選択の自由」が

保障されています。

 

 

そこで、

フリーランスに課す

競業避止義務の内容が、

発注者企業側の守るべき

利益を保全するために、

必要最小限度の制約

であることが必要です。

 

 

これに反して、

過大な競業避止義務を

課した場合には、

優越的地位の濫用等にあたり、

独占禁止法に違反する

可能性があります。

 

 

 

 

 

 

競業避止義務が、独占禁止法違反となる場合

裁判例で、

フリーランスに課された

競業避止義務が、

独占禁止法に違反するか

どうかが争われたものが

あります。

 

 

この事案は、

ソフトウェア開発会社が、

ソフトウェア開発を

受託していた人に対して、

競業避止義務違反

(契約期間中及び契約終了後12ヶ月の間、

この会社の業務内容と同種の行為を行っては

ならないという内容)に違反した

と主張したものです。

 

 

この事件で、

裁判所は、

受注者が顧客から発注を受けて手掛けるソフトウェアの開発業務を行う立場にあり、その際、顧客の営業秘密を取り扱うことは当然想定されることであるため、これらの営業秘密やその他の業務を通じて知り得た知識を用いて競業行為を行うことにより会社に不利益が生じることを防止する必要があることは明らかである。

そうすると、受注者が業務を行う契約期間中及びその終了後12か月程度の期間につき、会社と同種の業務を行うことを禁止する旨の約定をすることは、それが受注者の職業選択の自由又は営業の自由を制限するものであることを考慮しても十分合理性のあることである

と判断しました。

 

 

この程度の競業避止義務

の内容であれば、

過大な競業避止義務を

課したとはいえない、

というわけです。

 

 

しかし、

冒頭の事例は、

発注者企業であるB社が、

そもそもwebライティング

事業から撤退するのが、

Aさんとの契約を更新しない

理由だったわけです。

 

 

しかも、

その競業避止義務は、

契約期間中のみならず、

期間無限定で契約終了後も

義務を負い続ける、

という内容のものでした。

 

 

さすがにこれは、

Aさんに対して過大な競業避止義務を

課したといえ、

独占禁止法の優越的地位の

濫用等にあたるものと

考えます。

 

 

ですから、

の場合は、

B社のAさんに対する

競業避止義務違反を理由

とする損害賠償請求は、

認められないという

結論になります。

 

 

そんなわけで、

ここでは、

競業避止義務を課すことに

よって得られる会社の利益と、

競業避止義務を課される

フリーランスの受ける不利益の

バランスをよく考慮して判断する、

ということになりますね。

 

 

競業避止義務の内容、

定め方次第で、

上記の独占禁止法違反となって

しまうおそれがありますので、

注意が必要です。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

 

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活動ダイジェスト

昨日は、終日在宅勤務。
ネット環境やオンライン化の影響で、自宅で仕事ができるようになって便利なのですが、悩みはつい1日中自宅にこもりっきりになってしまうところ。
そこで、ランチくらいは外に出て食べるようにしています。
昨日は、前から気になっていたお店に初めて入ってみました。
ここの牛肉野菜炒めが大当たり。
こういうこともあるので、やっぱり行ったことのないお店にチャレンジするって大切ですね。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
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Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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