「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

「家系図」の作成を弁護士に頼むことはできるか??

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

弁護士などの一定の専門家は、

「職務上請求」という権限で、

他人の戸籍や住民票を

調査することができます。

 

 

それでは、

弁護士にこの「職務上請求」

を使ってもらって、

「家系図」の作成を

頼むことはできる

のでしょうか?

 

 

 

 

<毎日更新968日目>

先祖因縁を断ち切るために、「家系図」を作成?

あなたの病気は、先祖の因縁によるものです。
因縁をたちきるためには家系図を作るしかありません。
30万円ください。

騙されて、

家系図作成契約を

結ばされて損害を

被ったとして、

 

 

熊本県や関西地方

の女性12人が、

熊本県の有限責任事業組合

「熊本県防災災害まちづくり機構」

などに対して、

 

 

合計約3700万円の

損害賠償を求めて提訴した、

との報道がありました。

 

 

 

報道によると、

2019年から2022年にかけて、

この組合が展開する整体の

事業所やカフェを訪れた女性に、

 因縁を断ち切るためにはお金を出して供養するしかない

などと声をかけたそうです。

 

 

そして、

約30万円で家系図を

つくるように勧誘したり、

一口300万円の権利金で

代理店契約を締結

させたりした、

とのことです。

 

 

結構多くの被害者

とされる方が出ているようで、

追加提訴を予定している

人を合わせて、

被害額は5000万円近くに

のぼるとのことです。

 

「職務上請求」で他人の戸籍を調査

この「家系図」を

正確に作るためには、

「戸籍」というものを

調査する必要があります。

 

 

ところが、

この「戸籍」には、

本籍地、その戸籍に記載

されている方のお名前、

生年月日、

父母の氏名と続柄、

身分事項などが

載されています。

 

 

つまり、

「戸籍」の記載事項は、

その人のプライバシーの宝庫

とも言えるわけです。

 

 

ですから、

誰でも彼でも他人の戸籍を

調査することはできません。

 

 

役所に対して

「戸籍謄本」(戸籍のうつし)

を請求できるのは、

原則としてご本人、

配偶者、直系血族に

限られています。

 

 

「直径血族」というのは、

自分の親や祖父母、

子どもや孫など

縦の家族のつながりです。

 

 

ただ、

例外的に、

自分の権利を行使したり、

義務を履行するために

戸籍の証明書が必要な場合は、

必要な範囲でそれ以外の人の

戸籍を取ることができます。

 

 

たとえば、

相続の手続きが生じて、

自分のきょうだいや、

おじさん、おばさん、

いとこといった傍系血族

などが法定相続人になる

場合などです。

 

 

こうした

家族の横のつながりを、

「傍系血族」と言います。

 

原則として、

こうした場合以外には、

他人の「戸籍」を調査する

ことはできません。

 

 

ところが、

弁護士や司法書士、

税理士、行政書士といった

一定の専門家には、

 

 

「職務上請求」という、

他人の戸籍などを調査する

権限が与えられています。

 

 

すなわち、

こうした一定の専門家は、

自分の業務を行うのに必

要な範囲で、

「職務上請求」という形で、

他人の戸籍や住民票などを

調査することができる

ことになっています。

 

 

ですから、

たとえば弁護士であれば、

依頼を受けて、

他人の戸籍を調査することで、

その人の家族関係、

親族関係を調査することが

できます。

 

 

それでは、

弁護士に、

この「職務上請求」という

権限を使って、

家系図を作ってもらうように

依頼することはできる

のでしょうか?

 

 

 

 

許される「家系図」作成と、許されない「家系図」作成

この点、

護士などの専門家が、

「職務上請求」を使って他人の

戸籍や住民票の調査

ができるのは、

あくまで自分の業務に

必要は範囲に限定されます。

 

 

具体的には、

弁護士の場合は、

裁判業務や相続案件、

成年後見業務などで

必要な場合に限って、

「職務上請求」を使う

ことができます。

 

 

ですから、

たとえば、

相続に関する案件で、

遺産の分割の手続きを行う中で、

 

 

亡くなった人の法律上の

相続人は誰なのか?

を調べるために、

他人の戸籍謄本などを

この「職務上請求」を使って

取り寄せたりします。

 

 

そうすると、

調査した戸籍謄本

などに基づいて、

その遺産分割に必要な範囲で、

「家系図」を作ることは

あります。

 

 

そうした、

あくまで具体的な業務に

必要な範囲で他人の

戸籍を調べ、

「家系図」を作ることは

できます。

 

 

しかし、

弁護士でも、

そうした具体的な自分の

業務とは無関係に、

単に観賞用の「家系図」を

作るという目的では、

「職務上請求」を利用する

ことはできません。

 

 

もし仮に、

こうした職務とは無関係に、

「職務上請求」を使って

他人の戸籍などを

調べた場合には、

 

 

プライバシー侵害

になりますし、

懲戒処分を受ける

ことにもなります。

 

 

ですから、

弁護士などの専門家に対して、

「職務上請求」を利用して、

単に観賞用の「家系図」を

作ってほしい、

と頼むことはできない、

という結論になるのです。

 

 

よく、

ご先祖が地元の

名士であったとかで、

自分の一族の家系図を

作りたいという方が

おられます。

 

 

しかし、

残念ながら、

単に観賞用の家系図を

作ってほしいという

ご依頼には、

ご希望にそえない

ということになります。

 

 

「職務上請求」は、

悪用すれば、

他人のプライバシーを

暴くことにもつながって

しまいます。

 

 

弁護士も、

「職務上請求」を

行うにあたっては、

あくまで自分の職務に

必要な範囲に

限られるわけで、

 

 

やはりそこは

他人の権利を侵害しない

ような倫理観が

められています。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️法律相談のお申し込み

 

◾️顧問弁護士サービスについて

 

◾️セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「労働時間」とは何か? 着替えの時間5分、これって、給料発生する?? というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会の経営者モーニングセミナーに参加。昨日は講話者として登壇してきました。話の内容は、「働きは最上の喜び、2年半毎日ブログを書いて発見した使命」というテーマです。
その後は事務所で1日仕事、年末の事務所業務は一応昨日で終了です。
夜は、また渋谷区倫理法人会の忘年会でした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー