「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

競売で不動産を取得したら、赤の他人が住んでいた、どうする?

不動産売買

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競売物件で不動産を購入したら

その物件に赤の他人が住んでいた。

 

 

さあ

どうする?

 

 

こんなとき

 

 

住んでいる人に出ていってもらえる

裁判所の「引渡命令」という

制度があります。

 

(今日の「棒人間」 物件を買ったら人が住んでいた??)

 

<毎日更新1060日目>

競売物件を取得したら、赤の他人が住んでいた??

土地付きの戸建て物件を購入したら

なんとそこに「赤の他人」が住んでいた。

 

 

アレレレ〜

となりますね。

 

 

先日

 

 

私の顧問先で

不動産売買の会社を営むA社長から

ご相談を受けました。

 

 

お仕事柄

A社長は魅力的な物件を探し

取得することに日々汗を流しています。

 

 

今回A社長が目をつけたのは

裁判所で競売にかかっている物件。

 

 

これらは

 

 

例えば元所有者が金融機関から借金をして

その所有する不動産(土地建物)に

抵当権を設定します。

 

 

簡単に言えば

自分の持っている物件を担保に

入れてお金を借りるわけです。

 

 

借りたお金が返せなくなると、

金融機関は抵当権をつけた

その不動産を競売にかけて

 

 

そこから貸したお金を回収する

というシステムです。

 

 

裁判所に行くと

こうした競売物件の情報

得ることができます。

 

 

最近では

インターネットで競売物件を

検索できる便利なサイトもあります。

 

不動産競売物件情報サイト

 

この競売物件の中で

良い物件を見つけたA社長は

早速この物件の入札に参加。

 

 

この物件を落札して

代金を納付しました。

 

 

代金を納付すると

この不動産はA社長の会社の所有となり

所有権移転登記手続がなされます。

 

 

所有権移転登記というのは

 

 

この不動産の名義を

前の所有者から今の所有者に

変える手続きです。

 

 

やれやれ

ということで

早速この物件を見に行ったA社長。

 

 

アレアレ

なんとこの物件に

知らない人が住んでいる。

 

 

そこで

A社長が

 

 

この物件は私の会社が競売で購入したので

明け渡して下さいと言ったところ、

ごめんなさい。
出ていかなければならないのは、わかっているんですが、お金がなくて引っ越すこともできないんです・・・。

う〜ん

これは困った。

 

 

バブル時代に暗躍した「占有屋」

今でも時々

こんなトラブルがあるのですが

 

 

実は約30年以上前の

いわゆるバブル時代は

もっとひどい事例がありました。

 

 

借金で首が回らなくなり

自宅の抵当権を実行されて

競売にかけられた人に

 

 

裏社会の人が近づいてきます。

 

 

そして

この競売にかけられた物件について

 

 

所有者との間で「賃貸借契約」を結び

この物件に住み着きます。

 

 

そして

何も知らずに競売で不動産を

買い受けた新所有者に対して、

オレはきちんと賃貸借契約を結んでここに住んでるんだ。
出ていって欲しかったら、立退料1000万円もってこい。

などと言い出します。

 

 

これが

バブル時代に暗躍した

「占有屋」の典型的な手口です。

 

 

バブルで土地の値段がどんどん

上がっている頃だったので

 

 

新所有者も面倒なことを避けるために

泣く泣く「占有屋」に立退料を

支払うようなことが結構あったのです。

 

 

そこで

民事執行法という法律が改正され

 

 

こうした「占有屋」対策のために導入されたのが

裁判所の「引渡命令」という制度です。

 

 

 

 

 

裁判所の「引渡命令」という制度

この「引渡命令」

 

 

競売で取得した不動産に人が住んでいたり

家具などの動産が置いてあった場合に

利用できる制度です。

 

 

この場合

新所有者が裁判所にこの

「引渡命令」の申し立てを行います。

 

 

申立てが法律の要件を満たしており

特に問題がない場合は

 

 

だいたい3〜4日程度で

「引渡命令」が出されます。

 

 

具体的には

裁判所が

 

 

その物件に住んでいる相手方に対して

不動産を引き渡すように

命令を出すわけです。

 

 

この「引渡命令」の申し立ては

 

 

新所有者が競売物件の代金を

納付した日から6ヶ月以内に

行う必要があります。

 

 

裁判所の「引渡命令」

が出たにも関わらず

 

 

それでも相手がその物件から

出ていかなかった場合はどうするか?

 

 

その場合には

 

 

新所有者は

裁判所に制執行の申し立て

行うことができます。

 

 

すなわち

最後は執行官が強制的にその物件に

住んでいる人を退去させることになるのです。

 

 

ですから

今は

 

 

競売で取得した物件に

赤の他人が住んでいたという場合には

 

 

この「引渡命令」によって

強制的に出ていかせることが

できるわけです。

 

 

この制度によって

バブルの頃のような「占有屋」が

暗躍することはなくなりました。

 

 

ただ

冒頭のA社長の事例にように

悪質な「占有屋」ではなく

 

 

単にお金がなくて引っ越せない

元所有者が住んでいる

というケースは今でもあります。

 

 

さて

A社長は

 

 

この元所有者に対して

「引渡命令」を利用したのでしょうか?

 

 

実は

心優しいA社長

 

 

引越し代がないというこの元所有者に対して

いわば立退料代わりに

 

 

引越し代50万円を払うことで

元所有者に平和的に

出ていってもらったそうです。

 

 

今回は

八方丸く収まり

良かったですね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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今回は、「「店の音がうるさい!」とクレーム、店舗の騒音、どこまでなら許される?」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

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昨日は、午前中は事務所で所内会議。
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昨日は、サクサクアーモンド醤油ご飯、タコさんウインナー、ブロッコリー、きゅうりとカニカマサラダ、豚肉とピーマンの甘辛炒め、ミートボール、ポテトフライで、デザートのいちごでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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