紙の契約書には
「ハンコ」を押すことが一般的です。
しかし
最近よくみる「電子契約書」は
オンラインなので
当然「ハンコ」はありません。
果たして
「ハンコ」のない電子契約書は
法的に有効なのでしょうか?
(今日の「棒人間」 電子契約書に「ハンコ」はいらない)
<毎日更新日1066目>
契約書というと
普通は署名(サイン)して
印鑑(ハンコ)を押す
というのが一般的なイ
メージでしょう。
この
なぜ「契約書」に「ハンコ」を
押すのかという話を
昨日のブログで書きました。
簡単にいえば
作成者本人の「ハンコ」があれば
それは真正に成立したもの
すなわち、当事者の意思に基づいて
作成されたことが推定
されるというわけです。
これは
我が国では伝統的に印鑑が重視され
自分の印鑑を他人が
持ち出すことはないだろう
という前提に立っています。
すなわち
その人の印鑑が押されていれば
それはその人の真意に基づいて
押されたものである可能性が高い
という常識的な判断が背後にあります。
ですから
たとえば「裁判」になったときには
「ハンコ」をついた契約書は
それだけ価値の高い
証拠として重要視される
ということになるわけです。
ところで、最近は
紙ではない
いわゆる電子契約書によって
契約をする会社なども増えてきました。
当たり前ですが
電子契約書は紙ではありませんので
当然署名や押印はありません。
こうした署名や押印のない
電子契約書は有効なのか。
紙の契約書のように
本人に意思に基づいて作成されたという
真正文書の推定は働かないのか?
こうした
オンラインでの電子契約
の取り扱いに関する
「電子署名及び認証業務に関する法律」
という法律があります。
この法律は
通称「電子署名法」と呼ばれています。
この「電子署名法」により
「電子署名」が行われた
文書(契約書を含む)は
真正に成立したものと
推定されることになっています。
すなわち
電子契約書であっても
この「電子署名」というものがあれば
ハンコを押した紙の契約書と同様に
当事者の意思に基づいて作成された
と推定されるということです。
それでは
この「電子署名」とは
いったい何なのでしょうか?
「電子署名」とは
電子契約書などの電子文書に
付与された電子的な徴証であり
紙の契約書におけるサインやハンコに
相当する役割を果たす
ものとされています。
「電子署名」には
という3つの要素が
必要とされています。
現実問題として
この「電子署名」の要件を満たす
システムを各企業が自社で
開発することは困難です。
今
さまざまな電子契約サービス
が開発されており
その中から選択して
電子契約書を導入する
ということになります。
そこで
これら各社が提供する
電子契約書のサービスは
果たして上記の「電子署名」の
要件を満たしているのでしょうか?
この点については
デジタル庁というところで
電子契約サービスを提供
する各会社のサービスが
電子署名法の求める「電子署名」に
当たるかどうかについて
経済産業大臣の照会に対しての
回答を公表したものがあります。
それがこちら
⬇️⬇️⬇️
ここでは
電子契約サービスを提供
している会社ごとに
詳細に回答が載っており
なかなか面白いです。
もし
電子契約書の導入を
ご検討されている場合は
こちらの参考にして
みるとよいでしょう。
ちなみに
私も数年前から
ご希望するお客様を中心に
実験的に電子契約書を
使用しています。
なかなか便利で使い勝手も良いので
本格導入を検討中です。
個人的には
もう「ハンコ」の時代ではないし
電子契約書が主流になって
くれればなぁと思っています。
ただ、とは言え
我が国の「ハンコ」文化も
なかなかに根強いですからね。
もう少し時間が
かかるかも知れません。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。