「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【飲み代強要??】上司に対する「パワハラ」は成立するのか?

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職場のパワハラは

 

 

たとえば社長から社員に対してとか

上司から部下に対してなされるもの

というイメージがあります。

 

 

しかし

場合によっては

 

 

部下から上司に対するパワハラが

成立することもあります。

 

 

会社としては

社内のパワハラを放置しないで

しっかりとした対処が求められます。

 

(今日の「棒人間」 上司をゆする部下)

 

<毎日更新1074日目>

上司への「パワハラ」で停職処分に?

センパ〜イ、俺たちの飲み代も払っといて下さいよ!

高知県の高幡(こうばん)消防組合消防本部

というところで

 

 

上司に対するパワハラを理由に

男性の消防司令補が停職12ヶ月の

懲戒処分を受けたとの報道がありました。

 

 

報道によると

この消防司令補は

 

 

2022年1月から2023年4月にかけて

自身や部下の飲み会の代金合計

約24万円を上司に支払わせたそうです。

 

 

この上司が参加していなかった

飲み会についても

 

 

「払っておいて」などと連絡し

後日上司に店に出向かせて

支払わせていたとのことです。

 

 

上司にこんな要求をする

男性も男性ですが

 

 

それに従って払う上司も

どうなんだろう?

 

 

と思いますが

 

 

この消防司令補の男性は

職場でも中心的な役割を担っていて

事実上強い立場にあったそうです。

 

 

上司は

脅迫されて、断れなかった

と説明しているそうで

んとも気の毒な話ですね。

 

 

 

 

上司に対する「パワハラ」も成立する

職場のパワハラといえば

 

 

普通は社長から社員に対してとか

上司から部下に対してなされるのが

一般的なイメージです。

 

 

ところが、最近では

上記のように部下から上司に対する

パワハラも問題になっています。

 

 

そもそも

職場の上下関係で言えば

 

 

通常は上司が上で

部下が下

という関係になるのが普通ですから

 

 

部下から上司に対するパワハラなんて

成立するのか?

ということが問題になります。

 

 

ここで

職場におけるパワーハラスメント

法的な定義を確認しておきましょう。

 

 

法律上の

「パワーハラスメント」は

 

 

労働施策総合推進法という

法律で規定されています。

 

 

この「労働施策総合推進法」は

いわゆる「パワハラ防止法」

と言われる法律です。

 

 

ここで

職場における

パワーハラスメントとは

 

 

優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるもの

を言うとされています。

 

 

ここで問題となるのは

①「優越的な関係を背景とした」

の部分です。

 

 

会社の職階上のことを言えば

上司の方が部下よりも

優越的な関係にあります。

 

 

しかし

ここで言う「優越的な関係」とは

 

 

そうした形式的な職階上の

関係だけではありません。

 

 

部下の方が事実上社内で発言力や人望

情報や力があったりして

 

 

上司よりも事実上「優越的な関係」

にあることもあり得るわけです。

 

 

すなわち

①の「優越的な関係」というのは

形式的な職階のみで判断するのではなく

 

 

パワーバランスとして

事実上どちらが力を持っているか

という実態を見て判断される

 

 

ということなのです。

 

 

そんなわけで

冒頭の事例のように

 

 

法的にも部下から上司に対する

パワハラも十分成立し得る

ということになるのです。

 

 

 

 

 

 

会社として必要な対処

さて

社内のパワハラ問題に対して

 

 

会社として気をつけなければ

ならないことはなんでしょうか?

 

 

それは

社内のパワハラを放置していると

 

 

会社の社員に対する

安全配慮義務違反になりかねない

ということです。

 

 

そもそも

上記の「パワハラ防止法」によって

 

 

会社には、社内のパワハラを防止する

様々な措置が義務づけられています。

 

 

会社がとるべき具体的な

措置の内容については

下記の記事を参照してください。

【パワハラ防止法】会社のパワハラ防止策として義務化されていること

 

ですから

会社が社内のパワハラを放置していると

 

 

被害に遭った社員から

安全配慮義務違反で会社が

訴えられる危険性があるのです。

 

 

よって

社員から訴えられるという

「裁判沙汰」を避けるためには

 

 

会社としても社内のパワハラを

放置してはいけません。

 

 

社内でパワハラが発覚した場合には

まずきちんとした事実関係の

調査が必要です。

 

 

被害者や加害者からの聞き取りや

他の社員からの聞き取りなどが

必要な場合もあるでしょう。

 

 

冒頭で紹介した事例でも

アンケートや他の職員への聞き取り調査で

パワハラが判明したそうです。

 

 

その上で

加害者に対しては

 

 

懲戒処分などのなんらかの対処が

必要となってきます。

 

 

ただし

社員に対してパワハラを理由に

懲戒処分を課すという場合は

 

 

必ずあらかじめ就業規則

その旨を定めておかなければ

なりません。

 

 

このように

昨今のパワハラ問題に対しては

 

 

会社としても常日頃から対策を

いろいろと準備しておくことが

欠かせません。

 

 

もしよくわからない

という経営者の方がおられましたら

 

 

早めに弁護士などの専門家に

ご相談されることをお勧めします。

 

 

それにしても

冒頭の上司にパワハラをしたという

消防司令補の男性

 

 

上司に対する謝罪や

お金を返金する意向を

示しているとのことです。

 

 

たとえ相手が上司であっても

やはりパワハラはいけません。

 

 

しっかり反省してもらいたいですね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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最新動画 

今回は、「懲戒解雇した社員の退職金は、支払わなければならないのか?」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、終日自宅で仕事でした。
実は、私のブログのコミュニティーの先輩でもあり、棒人間の本も出版されている河尻光晴さんに、このたび似顔絵の制作を依頼し、そのためのオンライン打ち合わせがありました。
完成したら、このブログでも公表したいですが、今から楽しみです。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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