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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【取締役解任】株主総会での「不意打ち解任」はアリか?

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社長の気に入らない

取締役を解任したい。

 

 

株主総会で突然その取締役を解任する

という「不意打ち的な解任」を行う

ことはできるのでしょうか?

(今日の「棒人間」 株主総会で不意打ち解任される??)

 

<毎日更新1102日目>

気に入らない取締役を解任したい?

私の顧問先の建設会社を営む

A社長からご相談を受けました。

A社長、今日はどうされましたか?

実は、我が社の取締役で、私の叔父がいるのですが、この叔父が何かと私の会社経営に口を出してきて、この叔父との仲がうまくいっていないのです。

なるほど、A社長の叔父さんが取締役になっているわけですね。

それで、今度の株主総会でこの叔父を取締役から解任したいと考えているのです。

なるほど、御社の株主構成はどうなっていますか?

はい、社長である私が60%、その叔父が30%、残りの10%を別の親族が持っています。

社長が過半数をお持ちであれば、株主総会で叔父さんを取締役から解任することは法的には可能です。
ところで、御社はたしか取締役会を設置している会社でしたね。

そうですが、それがなにか?

そうすると、その件の叔父さんも含めて、株主に総会の招集通知を事前に送る必要がありますね。
その招集通知には、その件も含めて議題等を記載する必要があります。

それが、事前にこのことが叔父にわかるといろいろと画策されそうなんです。
そこで、他の取締役とも話し合って、招集通知にはそのことを書かないで、株主総会でいきなり解任してしまいたい、と考えているのですが・・・。

それはマズいですね。
それをすると、法律が要求する手続きを経ていない株主総会決議、ということで、後々で取り消されてしまうリスクがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

株主総会での「不意打ち解任」の末路

株式会社には

社長を含めて取締役が複数いて

取締役会を設置している会社があり

 

 

これを「取締役会設置会社」

と言います。

 

 

もし取締役を解任したい

という場合は

 

 

株主総会を開いて解任の決議を

行う必要があります。

 

 

ただし

「取締役会設置会社」である場合には

 

 

株主総会を行うに先立ち

それぞれの株主に対して

 

 

株主総会の「招集通知」

というものを送る

必要があります。

 

 

そして

この「招集通知」には

 

 

株主総会の日時、場所、議題

提出議案などを記載する

必要があるとされています。

 

 

もし

取締役解任に関する議題を

招集通知に記載しないで

 

 

株主総会本番で

いきなりその取締役を不意打ち的に

解任してしまった場合

 

 

どうなるのでしょうか?

 

 

その場合は

株主総会の招集の手続きに

法令違反があるということで

 

 

株主は

その株主総会決議の取り消しの訴えを

起こすことができるとされています。

 

 

すなわち

この「招集通知」というのは

 

 

株主に対して

株主総会に参加して

 

 

決議に参加する機会を

保障する重要な手続き

なのです。

 

 

いくら社長が気に入らない

「取締役」であるからといって

 

 

招集通知に記載することなく

不意打ち的に株主総会で解任する

 

 

などという不公正なことは許されない

ということなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

仮に解任が有効だったとしても、次のハードル

ただし

上記はあくまで

「取締役会設置会社」であった場合です。

 

 

取締役会を設置していない会社

(取締役非設置会社)の場合は

このような規制はありません。

 

 

すなわち

株主総会の招集通知は

口頭でもよいとされています。

 

 

また

招集通知に議題等を記載しなければ

ならないといった規制もありません。

 

 

ですから

理屈の上では

取締役会非設置会社の場合には

 

 

株主総会での不意打ち的な取締役解任も

できてしまう

ということになります。

 

 

さて

いずれにしても

 

 

株主総会で適法に取締役を

解任できたとしても

実はもう1つ問題が残ります。

 

 

確かに

上記のとおり

取締役の解任自体は

 

 

株主総会の決議(多数決)で

行うことができます。

 

 

しかし

安易に取締役を

解任すると

 

 

後々多額の損害賠償

を請求されることがあるのです。

 

 

長くなりましたので

この点は

また後日のブログで続きを書きますね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

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昨日は、朝から事務所で仕事。午前中は事務所の所内会議、午後は顧問先の案件など。夕方は息子の習い事(空手)のお迎えなどでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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