最近、都心を中心に
「定期借家」の形で店舗を出す
ケースが増えています。
「定期借家」で店舗を借りる場合
借り手としていくつか押さえておかなければ
ならない「リスク」があります。
(今日に「棒人間」 「スケルトン」で返す??)
<毎日更新1127日目>
最近、都心を中心に
「定期借家」の形で店舗を出す
ケースが増えています。
昨日のブログでは
この「定期借家」と
普通の建物賃貸借(普通借家)は
どう違うのか?
というテーマで書きました。
【定期借家】店舗建物の賃貸、普通借家と定期借家はどう違うのか?
「定期借家」というのは、
借地借家法で定められた、
定期建物賃貸借契約のこと。
すなわち
建物の賃貸借の期間が決まっていて
この期間が満了すれば契約は終了し
原則として更新がない
とする契約のことです。
基本的に
建物の賃貸借契約では
借地借家法によって借主が
非常に手厚く保護されています。
普通借家の場合ですと
契約期間が決まっている
建物賃貸借でも
期間が満了したからといって、
貸主はそう簡単に物件を
返してもらえません。
そうなると
余っている物件はあるけど
他人に貸すと戻ってこないので、
貸すのはやめておこう
と判断する貸主も増えます。
それだと
不動産物件の有効活用が阻害され
それはある意味社会的な
損失になってしまいます。
そこで
借地借家法は
こうした「普通借家」
の例外として
更新がなく期限がくれば返して
もらえる「定期借家」という
制度を導入したわけです。
最近の地価高騰で
物件が減少しているのか
この「定期借家」の形で
不動産オーナーと契約を結び
店舗を出店するという
ケースが増えています。
ただ
この「定期借家」は
貸主(大家側)にとって有利な契約ですが
その分借り手にはリスクもありますので
注意が必要です。
それは
仮に契約期間が5年などと決まっていて
果たしてその契約期間内に
「投下資本」が回収できるのか
という点です。
物件を借りて
店舗を出す場合
まず内装工事などに大きな
お金をかけることになります。
その上
契約が終了して店舗を返還する場合
借主はいわゆる「原状回復義務」を
負うのが通常です。
具体的には
借主が行った内装や設置した什器備品
造作などを撤去(処分)した上で
返還することになります。
ことに
最近は「スケルトン」といって
壁、天井、柱などの構造体のみにして
返還することが求められることがあります。
「スケルトン」にかかる費用は
ケースバイケースですが
数十万円から
ものによっては数百万円に
及ぶ場合もあります。
こうして店舗に投下せざるを得ないお金を
果たして5年の契約期間で
回収することができるか
という問題があります。
この点は
冷静に分析・判断した上で出店する
必要があるでしょう。
さらに
先ほど「定期借家」では
原則として契約の更新がない
と述べました。
ただ
「定期借家」であっても
貸主(大家側)の承諾があれば
契約を更新することも可能です。
大家側としても
物件が空き家になるよりは
借り手がいた方がよいので
更新に応じてくれるケースは
実際上少なくありません。
ただ
「定期借家」では
更新時に貸主が家賃の値上げを
要求してくる可能性があります。
というのは
上記のとおり
「定期借家」は貸主側の承諾がない限り
契約の更新がないことが前提となっています。
ですから
貸主側としては
契約の更新に応じても良いけど
その場合は家賃を上げてもらいたい
という交渉が可能になります。
逆に
借り手の側からすれば
貸主側の家賃値上げに応じなければ
契約を更新してもらえないとういことで
家賃の交渉上不利な立場に立たされます。
そんなわけで
「定期借家」の場合も
実際上契約更新はそれなりの確率でありますが
更新のタイミングで家賃の
値上げを求められることが多い
という現実は押さえて
おかれた方がよいでしょう。
このように
「定期借家」で店舗を借りる場合には
押さえておかなければならない
リスクがありますので
その点は注意が必要です。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。