「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【損害賠償の上限額】契約書に入れておくことでリスクヘッジ

契約書

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相手方の契約違反を理由に

損害賠償を請求したい。

 

 

そんな場合に備えて

契約書に「損害賠償の上限額」を

入れておく方法があります。

 

 

この方法は

損害賠償を請求する方にも

される方にもメリットがあります。

 

 

(今日の「棒人間」 上限を定めておく??)

 

<毎日更新1128日目>

予想外の高額賠償請求

取引をしていると

思わぬ損失を被ることがあります。

 

 

システム開発会社であるA社は

B社から新規の取引を受注し

システム開発を行いました。

 

 

ところが

B社は新規の取引先であったこともあり

 

 

B社の求めるシステムが複雑で

A社の開発業務は難航しました。

 

 

結局

A社の仕事は納期に間に合わず

B社から契約を解除されてしまいました。

 

 

しかし

問題はそれで終わりませんでした。

 

 

納期までにシステムを完成

できなかったということで

B社には多額の損害が発生。

 

 

A社は、B社から

高額の損害賠償を請求される

ことになってしまいました。

 

 

交渉はまとまらず

B社はA社を相手どって

損害賠償請求の裁判を提訴。

 

 

ところが、B社も

具体的にどのような

損害を被ったのか?

 

 

また

そのB社の損害は

 

 

果たしてA社の業務の不手際

だけが原因なのか?

 

 

B社もこの辺の証明が難航し

裁判で大きく争われる

ことになりました。

 

 

結局

A社とB社は1年半ほど

裁判で争った挙句

 

 

お互いに「痛み分け」

のような和解が成立し

争いは終わりました。

 

 

このように

A社とB社は激しい「裁判沙汰」となり

 

 

両社とも貴重な時間と

お金を失ってしまいました。

 

 

 

 

損害賠償の上限額を定めるメリット(支払う側)

実は

この手のトラブルは

世の中に結構よくあります。

 

 

こうしたトラブルを予防

するための1つの方法として

 

 

あらかじめ契約書に

「損害賠償の上限額」を定めておく

というやり方があります。

 

 

契約書で

賠償金の上限額を定めておけば

 

 

仮に上記のA社のように

慣れない新規のシステム

開発でうまく行かず

 

 

納期に間に合わなかった場合でも

賠償額が予想外に膨れ上がる

ということを防止することができます。

 

 

「上限額」をどう定めるか

という問題はありますが

 

 

よくあるのは

B社がA社に支払うシステム開発の報酬金

の額を上限とするやり方があります。

 

 

例えば

契約書に

A社が本件契約に違反した場合の損害賠償額は、B社が受領する本件システム開発にかかる報酬金の額を上限とする

と定めておきます。

 

 

このように定めておけば

実際にB社がいくらの損害を被ろうが

 

 

A社としては

賠償する額は

「報酬金」の額が上限となります。

 

 

そうすると

 

 

A社としては取引によって生じる

賠償リスクを計算に入れて

取引に入れますし

 

 

将来の「賠償額」をめぐる争いを

予防することもできるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

損害賠償の上限額を定めるメリット(請求する側)

この損害賠償の上限額を定めることは

何も実際に賠償を行う側(A社)

のみにメリットがあるわけではありません。

 

 

実は

賠償請求する側(B社)に

とってもメリットがあるのです。

 

 

というのは

損害賠償を請求する場合には

 

 

請求する側が相手方契約違反(落ち度)

や具体的な損害額

 

 

そして

相手方の落ち度と自分の被った

損害との間の因果関係などを

 

 

証明しなければなりません。

 

 

ところが

実際にはこの証明は

簡単ではない場合があり

 

 

上記の例のように

この点が裁判で激しく争われる

ことも少なくないのです。

 

 

相手方の契約違反(落ち度)によって

自社がどれだけの損害を被ったのかを

 

 

正確に証明することは

非常に難しいのです。

 

 

そして

場合によっては

その証明のために

 

 

自社のさまざまな会社情報を

証拠として提出しかなければ

ならなくなります。

 

 

しかし

上記のようにあらかじめ契約書で

賠償額の上限を定めておけば

 

 

実際に相手方の契約違反で

損害を被った場合に

 

 

厳密な証明をしなくても

決まった額の賠償金を支払って

もらえることになります。

 

 

そこで

請求する側にとっても

 

 

証明の負担を軽減できるという

メリットがあるのです。

 

 

このように

このブログでも時々書いていますが

 

 

契約書というものはトラブルや

「裁判沙汰」を予防する

強力なツールになります。

 

 

ただ

契約書というものは

 

 

単に作れば良い

というものではありません。

 

 

内容によっては

法的に何の意味もなかったり

自社を守るものになっていなかったり

 

 

余計なトラブルのタネになる

ような契約書もあったりします。

 

 

要するに

契約書はあくまで内容が重要

ということです。

 

 

不安がある場合には

必ず弁護士など専門家のチェックを

受けることをお勧めします。

 

 

それでは

また。

 

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今回は、「肖像権侵害・他人の写真を無断でネットに公開するのは危険??」というテーマでお話ししています。

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中は浦和の裁判所で不動産絡みの案件の仕事。お昼は池袋により、午後は事務所で仕事。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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