クレーマーがよく使う言葉の1つに
「法的措置をとる」という
ものがあります。
「法的措置をとる」というのは
簡単に言えば裁判を起こす
という意味。
しかし
この「法的措置をとる」はハッタリで
使われることも少なくありません。
(今日の「棒人間」 「法的措置をとる」はハッタリ??)
<毎日更新1129日目>
最近
工務店を経営されている方からも
クレーマー対策のご相談を
受けることが多くなりました。
都内で工務店を営むA社長。
住宅の施工で
引き渡し後に施主から様々なクレーム
をつけられ困惑しています。
やれあそこを直せ
ここが不具合だなどと
次から次へと要求が
エスカレートしていきます。
どう考えても
A社長の会社の責任では
ないにも関わらず
などとさまざまな
クレームをつけられます。
さすがのA社長も
と述べたところ
数日後にこの施主から手紙が。
そこには
と書かれていました。
「法的措置をとる」
とまで言われたA社長。
困り果てて
私の元にご相談に
お見えになりました。
手紙を送られて
その中に
なんて書かれていると
普通の人はさらに
慌てますよね。
「法的措置をとる」というのは
簡単に言えば
こちらの要求に従わないなら
裁判を起こしますよ
という意味です。
ある日突然こんな手紙が来て
「法的措置をとる」
なんて書かれていたら
どう対処したら
良いのでしょうか?
この場合は
まず冷静になることが
大切です。
こうした場合に慌てたり
感情的な反応をしても
良いことはありません。
ますます事態を悪化させる
トラブルを深刻化させる
可能性がありますので
まずは落ち着いて冷静に
なりましょう。
冷静になった後で
次にやるべきことは
この「法的措置をとる」
と言っている人の
本気度を確かめることです。
「法的措置をとる」とか
「訴えてやる」というのは
実はクレーマーなどが
よく脅し文句で使う
言葉でもあるのです。
しかしながら
現実には
「法的措置をとる」
すなわち裁判を起こすというのは
そう簡単ではありません。
法律的なルールの中で
筋の通った主張を組み立てる
必要がありますし
その主張を裏付ける
証拠も必要になります。
そうした基本的なルールに
そっていないものは
裁判所も簡単には受け付けてくれません。
ですから
「法的措置をとる」
と言っている相手が
単なるハッタリなのか
それとも
それなりに理由が
ありそうな話なのか
これを見極めることが
重要になります。
もし相手がハッタリで
言っていそうな場合は
相手の言うことを
鵜呑みにしたり
相手のペースに
飲まれないように
すること。
なにしろ
相手はこちらに脅しを
かけて慌てさせて
自分に有利にことを
運ぼうとしている
のですから
それに乗ってはいけません。
他方で
「法的措置をとる」
と言っている相手が
それなりに理由が
ありそうな場合です。
この場合には
まず「交渉」が必要
となります。
「交渉」で重要なことは
まずは相手の言い分に
よく耳を傾けること。
相手がどんな理由で
なにを要求していて
しかもなぜ
「法的措置をとる」
とまで言っているのか。
相手との交渉の中で
こうしたことを
見極めた上で
トラブルの落とし所を
探っていくことに
なります。
相手に理由がある場合でも、
「法的措置をとる」
すなわち裁判を起こすのが
大変であることは
変わりありません。
ですから
このようなケースでは
いったんは相手の
言い分に耳を傾けて
なるべくなら「裁判」
に至らずに「交渉」で
落とし所を探って解決
できればベストな
わけです。
とは言え
トラブルに慣れていない
人にとってみると
相手の「法的措置をとる」
という言葉が
ハッタリなのかどうか、
判断できない場合も
あるでしょう。
また
たとえハッタリ
だとわかっても
そんな脅しをかけて
くる相手にどう対処
して良いかわからない。
さらに
相手に理由がある場合でも
それ以上トラブルが
深刻にならないうちに
「交渉」で解決することは
やはりトラブルの解決に
慣れていないと難しい
面があります。
ですから
心配や不安があって
ご自身で対処することが
難しいと感じた場合には
弁護士に相談することを
オススメします。
弁護士が事情を伺えば
だいたいその「法的措置をとる」
というのがハッタリなのか
そうでないのかを
判断することができます。
その上で
その対処法をアドバイス
してもらうこともできますし
何なら相手との交渉を
丸ごと弁護士に依頼して
しまうことも可能です。
いずれにしても
「法的措置をとる」
などという言葉は
日常で使う言葉ではありませんし
あまり穏当な言葉ではないですね。
そのような言葉を聞けば
不安になったり慌ててしまう
気持ちはよくわかります。
ただ
慌てた状態で相手方と
やり取りすると
お互い感情的になって
ますますトラブルが深刻になって
しまう危険もあります。
ですので
上記でも述べたとおり
まずは「冷静」になることです。
その上で
相手方との対処方法を
誤らないためにも
なるべく早い段階で
弁護士に相談した方が
よいかと思います。
だいたい
「法的措置をとる」なんて
言ってくる相手と
ご自身で
やり取りしたり
交渉したりするのは
そのテクニックの問題も
さることながら
精神的なストレスも
バカになりません。
一人で抱え込まないで、
心配なら早めに
専門家に相談する
これは心がけたい
ものですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。