「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

不祥事の隠蔽で、取締役に巨額の賠償命令が?

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今の時代

会社の不祥事は隠しても

必ずバレます。

 

 

インターネットやSNSによって

不祥事は簡単に拡散されてしまいます。

 

 

そして

下手に隠そうとすると

 

 

バレた時のダメージは非常に

大きくなってしまいます。

 

 

(今日の「棒人間」 臭いものにフタはできない?)

 

<毎日更新1186日目>

不祥事発覚後の対応で、巨額の賠償責任?

バレないなら、できればこんな不祥事は隠しておきたい

人間とは弱いもので

こんな時

どうしても保身に走ってしまいます。

 

 

かなり前(2000年頃)ですが

ダスキンが

 

 

未認可添加物が入った肉まんを販売した

という事件がありました。

 

 

それを知ったダスキンの担当取締役。

 

 

あろうことか

独断でそのまま在庫を

販売し続けることを決め

 

 

未認可添加物の混入の事実を

指摘した取引業者に対して

 

 

「口止め料」として

6300万円を支払いました。

 

 

在庫の肉まんの販売完了後

この事実は

 

 

同社の他の取締役や監査役の

知るところとなりました。

 

 

ところが

この他の取締役らは

社内の調査委員会結果を踏まえ

 

 

未認可添加物が混入した

肉まんの販売を継続した

という不正について

 直ちに自ら積極的に公表することはしない

という判断を行いました。

 

 

その後

この事件は

 

 

厚生労働省に対して匿名の通報が入り

それをきっかけにマスコミに大々的に報道され

世間の知るところとなりました。

 

 

ダスキンは

この事件で

 

 

世間の非難をあび

売り上げの減少等多額の

損害が発生しました。

 

 

そこで

ダスキンの株主が

 

 

この不祥事に関与した

取締役及び監査役に対して

損害賠償請求の裁判を起こしました。

 

 

未認可添加物混入の事実を知りながら

在庫の販売を継続し

 

 

取引業者に多額の「口止め料」を

支払うなどした担当取締役に対しては

 

 

約53億円の賠償を命じる

判決が出されました。

 

 

しかし

それだけではなく

 

 

在庫の肉まんの販売完了後に

この事実を知った他の取締役及び

監査役らに対しても

 

 

やはり億単位の巨額の

賠償を命じました。

 

 

 

 

取締役が会社経営上負っている注意義務とは?

この事件が特徴的なのは

不祥事が社内で発覚した後に

直ちに自ら積極的に公表することはしない

と判断した他の取締役や監査役らに対しても

巨額の賠償が命じられている点です。

 

 

つまり

直接不祥事に関わった

担当取締役だけではなく

 

 

不祥事発覚後の事後的な対応を

行なった取締役らに対しても

 

 

非常に大きな責任を

負わせているのです。

 

 

この点

会社の取締役は

 

 

法律上

株主から会社の経営を

委託された者として

 

 

会社経営について高度な

注意義務を課されています。

 

 

この注意義務は

会社を経営するにあたり

 

 

会社やそれを取り巻く利害関係人に

損害を与えないようにする

義務と言えます。

 

 

食品を販売する会社として

未認可添加物が含まれて

いたことを知りながら

 

 

販売継続を決定し

さらに事実を知る取引業者に多額の

「口止め料」を支払うことは

 

 

非常に悪質で

取締役として注意義務違反が

あることは明らかでしょう。

 

 

さらに

不祥事を知った後で

それを世間に公表しない

 

 

すなわち消極的な隠ぺいとも

取れるような判断をした

取締役や監査役らも

 

 

やはり注意義務違反が

あったと判断されています。

 

 

判決では

マスコミの姿勢や世論が、企業の不祥事や隠ぺい体質に敏感であり、少しでも不祥事を隠ぺいするようなことがあると、しばしばそのこと自体が大々的に取り上げられ、追及がエスカレートし、それにより企業の信頼が大きく傷つく結果になることが過去の事例に照らしても明らかである。

 

消極的な隠ぺいとみられる方策を重ねることは、ことが食品の安全性にかかわるだけに、企業にとっては存亡の危機をもたらす結果につながる危険性があることは、十分に予測可能であったといわなければならない。

 

「自ら積極的に公表しない」などというあいまいで、成り行き任せの方針を、手続き的にもあいまいなままに黙示的に事実上承認したものである。それは、到底、「経営判断」というに値しないものというしかない。

と厳しく断罪しています。

 

 

 

 

 

 

不祥事は隠せない、必ずバレる

自分が関与したわけでもない

不祥事が社内で発覚した場合

 

 

他の取締役はどう対応すれば

良かったのでしょうか?

マジか!エラいことをしでかしてくれたなぁ〜。
勘弁してくれよ〜。

というのが本音の心境

かも知れませんね。

 

 

 隠せるものなら、このまま隠しておきたい

と思うのがある意味

人情かも知れません。

 

 

しかし

不祥事というものは

必ずバレます。

 

 

特に今の時代

インターネットやSNSの発達によって

情報はすぐに拡散されてしまいます。

 

 

良くも悪くも

「ごまかし」が通用しない

時代なのです。

 

 

上記のダスキンの事件は

大企業で

 

 

しかも食品の安全性に

関わる問題だっただけに

 

 

センセーショナルに

取り上げられました。

 

 

ただ

中小零細企業であっても

やはり不祥事を隠ぺいしようとしたことで

 

 

行政処分を受けたり

取引先の信用を失ったり

することは十分にあり得ます。

 

 

それが原因で

会社が倒産したり

 

 

取締役が多額の損害賠償責任を

負わされる可能性もあります。

 

 

中小零細企業にとっても

決して「対岸の火事」

ではないのです。

 

 

ダスキンの事件は

今から20年以上も

前の事件ではありますが

 

 

やはり会社経営者として

「不祥事」というものに

どう対処すべきなのか

 

 

深く考えさせられる事件でした。

 

 

まさに

会社の理念やあり方

 

 

また経営者の生き様が問われる

問題なのかも知れませんね。

 

 

それでは

また。

 

 

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 昨日は、朝はランニング、息子の弁当作りなど。午前中は自宅で、同業者仲間の勉強会(会社法関係)にオンラインで参加。午後は事務所で仕事でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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