ビジネスの常識と
法律の常識は結構食い違います。
複雑化・多様化した今の社会
その食い違いを知らずにビジネスを
することはリスクがあります。
(今日の「棒人間」 どちらが常識??)
<毎日更新1269日目>
ビジネスをしていると
実に様々な法律が絡んでくるものです。
ところが
多くの経営者の方は
法律に苦手意識を持って
おられるのではないでしょうか?
1つには
法律の外見上の
とっつきにくさがあります。
何やら難しい漢字や用語が
羅列してあって
よくわからない。
法律の条文を見ても
専門用語も多く
文章も長ったらしくて
読む気がしないかも知れません。
もう1つ
法律が難しく感じる理由は
そもそもビジネス界の常識と
法律の常識が食い違っている
ということがあります。
よくある場面としては
ビジネスの世界では
基本的に取引相手との信頼関係の上に
成り立っていますので
口約束でも大丈夫だと
考える場合があります。
かえって
一々契約書などを作るのは仰々しいとか
煩わしいと感じる場合もあるでしょう。
この点
法律上も
一定の例外を除いて
口頭でも契約は成立します。
しかし
口頭での契約は
証拠が残らないため
後で契約の内容を巡って
トラブルになりがちです。
ですから
法律の立場からは
特にビジネスの取引などは
契約書をきちんと作ることが
推奨されます。
同じく
取引先との関係で言えば
たとえば
取引先との関係が良好であれば
多少支払期日に遅れても問題がない
と考える場合もあるかも知れません。
しかし
法律の世界では
決められた支払期日を守る
ことは契約上の義務であり
契約を守らないことは
債務不履行として一定のペナルティー
(契約解除や損害賠償など)の
対象となり得ます。
社員との関係でも
かつては
社員が会社に忠誠を
尽くすのが当たり前
と考えられていた時代がありました。
そこで
特に昭和の時代など
長時間労働や休日出勤が当たり前
とされたケースもありました。
しかし、法律上は
労働時間の上限が決まっていますし
残業や休日出勤などには
割増手当(残業代)の
支払いが必要です。
さらに
ひどい場合は
社員に対する懲戒処分や解雇も
簡単にできると考えている
経営者がいます。
しかし
社員を懲戒処分にするには
就業規則の根拠が必要ですし
適正な手続きが必要だ
というのが法の立場です。
特に
解雇は非常にハードルが高く
そう簡単には認められない
と思った方がよいでしょう。
他には
知的財産関係があります。
他人のコンテンツなどをちょっと拝借
これを気軽にやってしまうケースがあります。
しかし
法律の世界では
たとえば著作権法、商標法
特許法といった知的財産に関する
法律で厳しく規制されています。
退職する社員が
その会社と競業する
ビジネスを起業したり
顧客を引き抜いたり
などということも現実の
ビジネス世界ではやられています。
しかし、法律的には
競業避止義務を負っていた場合などには
自由にそういうことはできず
違反すればペナルティーを
受けることになります。
ざっと例にあげましたが
他にも
ビジネスの常識と法律の常識が
食い違う場面は多々あります。
昔の日本は
社会がそれほど複雑ではなく
同質的でした。
だから
契約書など作らなくとも
信頼関係
阿吽の呼吸で成り立っていた
部分があるでしょう。
しかし
今の社会は複雑化し
グローバル化し
多様化しています。
多様化した社会では
良くも悪くもいろいろな人や
会社があります。
そのような社会で
信頼関係や阿吽の呼吸だけを
頼りにビジネスをするのは
危険だとも言えます。
そのように多様化した社会でものを
言ってくるのが一定のルール
つまり法律的な規制だったりします。
ですから
今の経営者は
ビジネスの世界に身を置きながら
やはり法律の常識を無視
することはできません。
とは言え
忙しい経営者が法律を一から勉強する
というのも現実的でないし
そんな必要もないでしょう。
やはりそのときは
専門家に頼る
ということが必要です。
たとえば契約書
あれは日本語で書かれた
「外国語」だと思った方が良いでしょう。
そうであれば
やはり弁護士に「翻訳」してもらう
という作業が必要となる場面があります。
具体的には
無理やり自力で契約書を読み
作ろうとする
時にこれは危険です。
必要な場合は
弁護士に契約書の作成やリーガルチェックを
依頼するという習慣はつけられた方が
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いずれにしても
今の時代
ビジネスの常識=法律の常識
と考えることは
時として非常に危険です。
ビジネスの常識と法律の常識は
時として食い違う
このことは覚えておかれた方が
良いかと思います。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。