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渋谷の弁護士吉田悌一郎

パンダのかぶり物で勤務、この社員を「解雇」できるか?

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社内でトラブルや問題を繰り返す社員。

 

 

いろいろ手を尽くしたけれども

一向に改善しない場合

 

 

やむなく社員を解雇せざるを

えないということもあるでしょう。

 

 

しかし

その場合でも「解雇」の要件を

きちんと理解し

 

 

適正な手順を踏む必要があります。

 

(今日の「棒人間」 パンダのかぶり物で仕事??)

 

<毎日更新1303日目>

パンダのかぶり物で勤務、で会社を解雇

会社に勤務中にそのかぶり物はいかにもマズい。勤務中はかぶり物をとってください。

イヤですよ。かわいい物が心の安静を保つのに重要な存在となっているのです。

会社の規則を守らず

社内でトラブルを繰り返す社員に

会社は口頭と文書で「注意」

 

 

それでもその社員の態度は

改まらないため

 

 

改心の余地なしと判断した会社は

譴責(けんせき)の懲戒処分を下し

別部署に配置転換。

 

 

それでも

その社員の態度は改まらず

 

 

なんと勤務時間中にパンダの

かぶり物を着用し出しました。

 

 

それだけではなく

会社に提出する書類に

 

 

上司のことを「アホ」「ボケ」

「役立たず」などと記載。

 

 

この社員の対応に苦慮した会社は

この社員を工場勤務から外し

 

 

「安全冊子」のマニュアルを書き

写すように命じるなどしました。

 

 

挙句

とうとう会社はこの社員に対し

勤務成績または業務効率が著しく不良で技能発達の見込みがない

として解雇しました。

 

 

 

 

この社員は

この会社に対して解雇無効と損害賠償を

求めて裁判を起こしました。

 

 

しかし

結局裁判所も

かぶり物を着用するといった男性の一連の行動には、業務上の必要性や合理性が見いだしがたい

と指摘し

会社の行った解雇は有効である

と判断しました。

 

「反抗心」、かぶり物で勤務 解雇無効訴訟 「最低レベルの評価を目指す」 配置転換、問題行動に拍車

 

 

 

不当解雇の裁判で

会社側の勝訴

 

 

すなわち解雇が有効と認められるのは

かなりハードルが高く

珍しいケースと言えるでしょう。

 

 

ただ

世の中

 

 

現実問題としていろいろ社内で問題を

起こす社員の対応に苦慮している会社は

少なくないと思われます。

 

 

 

 

 

社員を解雇するための厳しいハードル

まず

大前提として

会社が社員を解雇するためには

 

 

就業規則でその根拠となる

規定を定める必要があります。

 

 

さらに、その上で

実際に社員を解雇するためには

① 解雇の客観的合理的理由
② 解雇の社会通念上の相当性

 

という2つの要件を

満たす必要があり

 

 

これを満たさない解雇は

「解雇権の濫用」として

解雇が法的に無効とされます。

 

 

社員の問題行動など

理由とする「解雇」の場合も

 

 

この2つの要件を満たしているのか

が問われます。

 

 

ところが

実際に裁判などで

 

 

この2つの要件を満たした解雇

であると判断されるためには

 

 

会社側のハードルが極めて

高いのが現実です。

 

 

 

この点

社員の問題行動を理由とする「解雇」が

法的に有効とされるためには

 

 

その不良の程度が著しい場合に限られる

とされています(上記①の要件)。

 

 

さらに

社員の問題行動の程度が

仮に「著しい」としても

 

 

それだけでいきなり「解雇」

とすると

やはり無効とされます。

 

 

すなわち

「解雇」というのは

 

 

労働者である社員の生活の糧を

奪う行為でもあるので

 

 

会社としてもなるべく「解雇」を

避ける努力をすることが

求められます(上記②の要件)。

 

 

具体的には

会社がその社員に対して粘り強く

指導・教育を行なったかどうかとか

 

 

本人の能力や適正に見合った

配置転換を検討したかどうか

などが求められます。

 

 

 

 

 

やむをえず解雇する場合の手順

すなわち

やむをえずその社員を解雇せざるを得ない

という場合でも

 

 

きちんとした「手順」を踏む

ことが絶対に必要になります。

 

 

よく

「何度も注意したのに

改まらないので解雇した」

 

 

という中小企業の社長さんが

いらっしゃいます。

 

 

しかし

「何度も注意した」というのは

客観的に証明できますか?

 

 

後で

「そんな注意はされていない」と言われたら

どう反論しますか?

 

 

そのため、私は

そうした問題の多い社員に対する

注意は口頭ではなく

 

 

なるべく書面やメールなどテキストで

きちんと残る形でやるべきだと

言っています。

 

 

それも正式の「指導書」という形に

残しておいた方が良いでしょう。

 

「もう我慢できん!解雇だ!」いや、ちょっと待ってください。。。

 

 

さらに

何度も注意をしていたとしても

 

 

それだけでいきなり「解雇」するのは

やはり不当解雇とされる

可能性が高いでしょう。

 

 

上記のとおり

 

 

会社がなるべく最終手段である「解雇」を

避けるべき努力をしているかどうか

が厳しく問われます。

 

 

冒頭の「かぶり物」の事例でも

まず注意、配置転換、譴責処分など

 

 

会社としても可能な限りの

「段階」を踏んでいるのがわかります。

 

 

いずれにしても

今の時代

 

 

社員を解雇すれば相当程度の確率で

「不当解雇」を主張される可能性が

高いと思われます。

 

 

やむを得ず社員を解雇する場合には

将来「不当解雇」の裁判を起こされても

耐えうるだけの準備は必要だと考えます。

 

 

気をつけるべきは

 

 

やはり安易な解雇は会社にとって

リスクが大きすぎますので

慎むべきです。

 

 

解雇すべきかどうか

というときには

 

 

必ず弁護士に相談することを

お勧めします。

 

 

普段から顧問弁護士がいれば

より会社の実情に即したアドバイスや

対応を求めることができるでしょう。

 

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それにしても

冒頭の「かぶり物」の事例ですが

 

 

会社はこの社員の将来を考え

「懲戒解雇」ではなく普通の

「解雇」の処分を下したそうです。

 

 

これも

いわば会社の「温情」としての処置ですが

 

 

社員を解雇する場合の難しさが

滲み出ているように思いますね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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今回は、「住宅建築でよくある追加工事のトラブル・「裁判沙汰」を未然に防ぐ方法」というテーマでお話しています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中は自宅で仕事。午後は守成クラブというビジネス交流会に参加してきました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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